Google: 完全自動運転型の自動運転車の開発を事実上の断念
という見出しを見て驚いたが、よく読むと、
FiatおよびChryslerと提携関係を結ぶことにより、
2社を通じて、これまで開発を進めてきた自動運転技術を
運転アシスト機能として提供を行うことを検討している模様
2016年に入ってから自動運転車に関してはトントン拍子とは言え無さそうな話が出てきていたので自動運転車の現在を、報じられてる内容から想像しながら整理してみたい。
2013年5月30日に、NHTSA(米国運輸省道路交通安全局)が「クルマの自動化」に関する提言を発行した。
ハンドルやペダルがない完全自動運転車を意味するレベル4に対し現在(2013年)は、「それを実現する技術やクルマと人間とのかかわりに関する多くの課題は、今後レベル3の開発と公道試験を通して解決されるものと確信する」とし、その研究期間を4年とした。
2017年には、レベル4の定義が明確になることが期待されていた。
そもそも、自動運転車には大きく分けて2つのアプローチ方法がある。
「自動」の側からのアプローチと「車」の側からのアプローチがある
「車」の側からのアプローチは既存の自動車メーカーで、資金力があり且つ研究開発意欲が旺盛なメーカーが参入する。
一歩リードしてるのはTeslaだが、メーカー間の垣根を越えての共同開発はまだのようだ。
一方の「自動」の側は、AIやOSを得意分野にする企業が参入する。
代表格がGoogleとAppleだ。
Appleは、2016年8月と9月に、自動車用OSに携わっていた約120人のソフトウエアエンジニアと、車体/サスペンション開発などを担当していた数百人のハードウエアエンジニアがプロジェクトを去った。
そして残ったチームには、完全自動運転ではなく、2017年の年末ごろという期限を設け、自律走行システム、つまりソフトウエアの実現可能性を検証するよう指示が出ているらしい。
2014年にプロジェクトがスタートし2020年までに生産を開始するとしたが、2015年末からおかしくなったようだ。
リアルな車を知らないということが関係してるようだ。
Googleの場合、2016年5月頃の記事では、自動車メーカーをリードし、自動車メーカーはGoogle
に依存するしか無いとまで言われていた。
「自動」に欠かせないAIの技術と三次元地図を完全に抑えてると思われたからだ。
しかしこの時点で、Googleは「運転」に関する情報を集める仕組みがないと指摘する意見もあった。
2016年9月に自動運転プロジェクトの技術チーフが主要メンバー2人を連れてGoogleを去った。
この時期の前後、自動車メーカーが相次いで完全自動運転車について見通しを語りだした。
BMWやFORDはともに完全自動運転車を2021年に販売すると発表した。
またUberもVolvo SUVを使った自動運転車を自社の戦列に加えるプランを掲げた。
9月の時点では、Googleの自動運転システムに興味を示している大手自動車メーカーはいない。
と言われていたが、冒頭の引用のようにFiatおよびChryslerと提携関係を結んでいる。
Googleに欠けていたのはリアルな車だったのだから、弱点は見事に補強されたと言える。
自動運転車はプラットフォーム競争の真っ最中だ。
自動運転の仕組みは統一規格が良いのか?
メーカーが違えばシステムが違うという共存が成立するのか?
現在のところ、リアルな車を知っているという点において、自動車メーカーが有利で、反撃が功を奏してる状態に見えるが、「自動」を突き詰める領域で新たなひと波乱が起きるだろう。
イノベーションは、簡単なところから起きるもの。
最後に残るのは、一番難しいこと。
WELQ問題が示したように、現在の検索AIは、ずる賢い人間には負けている。
AIはまだ子供だということがわかった2016年と言えるかもしれない。
Googleにとっては反省の多い1年になったのではないだろうか。
と書き上げたら、こんな記事があった。
Googleの自動運転カープロジェクトが新会社「Waymo」として独立
(参考にした記事)
http://blogos.com/article/177582/
http://readwrite.jp/news/33622/