違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

常識よりブランドのほうが価値がある、ブランドよりは自分流の方が価値がある

仕掛けられた常識

 

常識というのは、大勢の人々に共有されることで機能する。

 

多くの年月を語り継がれるから常識になったと思いたいが、実際は結構安直な広告宣伝だったりする。

 

バレンタインデーにチョコレートを贈るという常識の起源は。

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/バレンタインデー

日本では、1958年ころから流行した[3]。ただし、その内容は日本独自の発展を遂げたものとなっている。

昭和11年2月12日に外国人向け英字新聞『ザ・ジャパン・アドバタイザー』に、「あなたのバレンタイン(=愛しい方)にチョコレートを贈りましょう」というコピーの広告を既に掲載しており、モロゾフ製菓がバレンタインチョコを最初に考案した仕掛け人であるとされる説が最有力である。

 

 

 

 

バレンタインのチョコレートのお返しとしてのホワイトデーの起源は。

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/ホワイトデー

諸説あるが、いずれも1970年台

不二家・エイワ説

石村萬盛堂説

全飴協説

 

 

お菓子業界が流行をリードしていたことが伺えるが、イベントとしての歴史は浅い。

 

 

1970年台、結納では真珠の指輪を贈ることはあっても、婚約指輪という概念は無かった。

 

その一方で「婚約指輪はお給料の3ヶ月分です。」ということばを古くからの格言のように思ってる人もいるかも入れないが、これはデビアス社の広告だ。

 

ダイヤモンドの陰影>ダイヤモンドと人類>ガリバー、デビアス

「ダイヤモンドは永遠の輝き(Diamond is Forever)」「婚約指輪は給料3か月分です」「スゥイートテン・ダイヤモンド」などなど…これらはすべて、デビアス社の打ち出した広告です。

 

 

給料の3ヶ月分の婚約指輪にいつからなったの?

1970年台の日本の円は1ドル=307円の固定レートから変動相場制に移行し、1975年から1984年にかけては、円相場は1ドル=250円ほどでした。現在に至るまでは1ドル=80円を切った時代もありました。

その頃に作られた広告のため、日本では給料の3ヶ月、ヨーロッパでは2ヶ月、アメリカでは1ヶ月となったそうです。

 

 

 

 

上記の事例は、特定の商品を売るために、イベントを作るところが賢い!

 

同業種のライバルにもいい思いをさせるが、継続的なリピートが促進できる方がはるかにメリットが大きい。

 

上記の事例は、自らの財布からの支出だが、別の財布を当てにして仕掛けられる常識もある。

 

最近では、孫のために祖父母が買ってあげるという市場が出来上がっている。

 

7割が祖父母にランドセルを買ってもらう

 

この市場の魅力は、売れ筋の商品は安いものではなく、そこそこ値が張る物になるという点だ。

 

この市場は、付加価値をつければまだ評価されてるように見えるが、長続きはしないかもしれない。

 

もう勘弁して…高齢者の"孫疲れ"が結構深刻だった

 

 

 

価格の理由

 

ものづくりが経済成長を牽引していた頃は、商品には価格という序列が成立していた。

 

価格は、原価に基づき設定されていることが見えていた。

 

高いものは、高価な材料が使われたり、余計に手間暇が掛けられていた。

 

 

やがて、ものづくりからサービスに中心がシフトし始めた。

 

このシフトし始めの時期は、更に豊かさを求めてると解されていた。

 

実際には成長がストップし、緩やかに減速モードに入っていたことが今ならわかる。

 

サービスが中心になってくると、「得」を求めるようになる。

 

商品が有形のモノではなくなることも多くなり、原価が不明になる。

 

モノづくりも生産の場が海外や工業団地など日常から切り離された場に移転したことで現場が見えないので、原価を想像できなくなる。

 

原価を想像できないということは、掛かってる手間暇も想像できないということだ。

 

拠り所が「いくらで買ったか」になる。

 

そんな心理で「得」を求めると、安さが重要になる。

 

作る側も売る側も買う側も皆、安くを求める。

 

安くを実現するために、技術やアイデアや知恵が使われる。

 

「安い」を実現するためには、多くの理由が必要になる。

 

 

一方、高いものを求めてるごく少数の人を顧客に持つ人や会社が手掛けるのが、感情にアピールするという戦略だ。

 

まずは「高く売る」意識を社内に植え付ける
2倍の価格で売るには、何をしなければいけないのか
日経トップリーダー

ブランドは「ちょい高」設定になっていても、世界観やストーリーをまるごと買いたいお客様がたくさんいます。

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世界観ごと買ってもらうから、高くても売れる(イラスト:百田美賀=百田事務所)

 

 

 

 

ヨーロッパでは、ブランドを意識して作っているが、日本はコンセプトはキーワード程度の設定しかしてないだろう。

 

最近のキーワードは、リア充を演出する言葉になり、代表的なものは「かわいい」や「かっこいい」「イケてる」「クール」など。

 

ここでは、原価を掛けずに、演出だけで価格を上げる。

 

演出にはコストが掛かるかもしれないが、買った商品にはコストは掛けられてない。

 

安いものには理由があるが、高いものには理由はない。

 

いかにも日本のコンサルが好みそうなテーマだ。

 

 

これから 

 

仕掛けられた常識や伝統的なブランドというのは、他人の目や他人の評価を意識するから成立する。

 

 

これからは、意識すべきは心の中の、もうひとりの自分だろう。

 

行動する理由は「好き」「楽しい」や「興味がある」になる。

 

注意するのは、後ろ指さされないようにすること。