違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

循環するもの

美空ひばりの名曲『川の流れのように』は秋元康が1988年に作詞している。

 

歌詞のリンク先はここ。

 

ここで描かれてる川は、目に写る川を表面的に捉えたものであり、人生になぞらえてはいるが感傷的な表現で、含蓄を感じるようなものではない。

 

一方、おおよそ800年前に詠まれた川(河)がある。

 

”ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし”

 

生きてる間に多くの厄災に遭遇した鴨長明が晩年に記した方丈記の冒頭だ。

 

ここで描かれてる河(川)には、哲学的な意味が込められている。

 

参考:「河と川の使い分けについて」

 

表面的に捉える川は、上から下に流れるもので、海が終点だ。

 

しかし、水そのものに目を向けると、「循環」が感じられる。

 

海に流れた川の水が、蒸発して上空で雲になり、雲は風に吹かれて移動し、やがて雨や雪になり地表に降りてくる、地表に降りた水は様々な経路を辿り川に行き着く。

 

という循環が見えてくる。

 

このように表面的には、一方向への動きと認識してるが、実はそうではないかもしれないことが世の中には多いかもと感じてる。

 

つまり、同じことをやってるのに、立場が違うと勝負の土俵が違っていたり、同じところを走っていると思っていたが1周遅れてたり(進んでることもある)ことがあるという話だ。

 

南キャン山里に聞く"不毛な嫉妬"の本質

【山里】よく芸人友達と話すのは、“芸人がやっちゃいけないのは、先輩芸人さんが今の自分の年齢の時に何をやっていたかを考えちゃうこと”。例えば、紳助さんが「オールスター感謝祭」の司会を務めはじめたのは30代半ばです。自分がその年齢で、100人もの芸能人を仕切れたかって言ったら絶対無理。でも、そういう比較はやっちゃいけないですね。

 

【若新】山里さんは、自分の内面やルーツを肯定してるんですね。お笑い芸人としての成功は、「もともと好きだった自分」がたどりついた場所。だから、他人との比較で嫉妬にまみれても、自分向上のエネルギーに変えられるという、まさに研究結果どおりです。

 

 

大漁というのは偶然の産物なのか、それとも緻密な計画の上に成立してるのか?

 

成長時代から成熟時代へ移行したら、持続可能性が問われ始める。

 

ジム付き漁船、ノルウェーの贅沢な漁師たち
成功の秘訣は、国レベルのルール作りにあり

「ルールを作って皆で守る。そして生まれた利益はきちんと平等に分配する。答えはとてもシンプルだ。しかし実に難しい。我々も苦労の連続だった」

 

創造は模倣から始まる、しかし模倣しかしたことないと創造の意味がわからなくなる、だから模倣するものが無くなると、あるいは何をどう模倣すれば良いかがわからなくなると、そこで終わりになる。

 

大企業はオープンイノベーションごっこから脱出せよ

1.社外からビジネスアイデアを公募する。

 

2.米シリコンバレーのベンチャーキャピタル(VC)が運用するファンドに出資する。

 

3.大企業がオフィスを構える東京都内の一等地に起業家と「コラボレーション」する場をつくったりする。

 

 

 

オープンイノベーションは外部に「何か良いことをどんどん提案してほしい」という受け身かつ上から目線の姿勢のことではなく、創造したい未来のためにアイテムを集める行為である。

 

 

日本では、個々の企業が独自に未来への活路を見出そうとしてるが、どこに向かっているかが明らかな企業があるようには感じない。

 

それに対し、ドイツではメルケルが首相になって以降、個々の企業の活動のバックにチームドイツが感じられるような動きが出てきた。

 

チームドイツが目指すことの1つとして従来だったら不可能なオーダーをこなすことだと聞いたことがある。

 

例えば車の場合だと、ボディ外装はベンツで、エンジン足回りはBMWで、内装はアウディでといったオーダーを可能にすることだと。

 

そのために何が必要かと取り組んでいるのがインダストリー4.0だ。

 

ドイツ系大手コンサルに聞く「“4.0”の本質」 ドイツの強さをローランド・ベルガー長島社長が解説

長島:ベンツだけではありませんよね。BMWも同様でしょう。短期間に多様な車種を投入できるようになったのも、デジタルのツールのおかげです。

 

長島:そう思います。欧州は規格の標準化が得意ですよね。インターフェースを一緒にしておけば、いろいろなものを共通化できる。つまり、個別に様々なものを開発する必要がなくなるので、その分の時間を他のことに使える。そういう感覚が、極めて強い。さらに言えば、標準化で欧州が先行すれば、グローバル展開で有利になるという考え方ですね。

 

”欧州は規格の標準化が得意ですよね”という考えは、上記のノルウェーの漁師の戦略にも感じられる。

 

素晴らしいのにガラパゴス化する日本発の規格との違いはどこにあるのだろうか?

 

 

そもそも、ドイツ企業の強さは、どういったところにあるのでしょうか。

長島切れ味のいい、一部の頭のいい人たちが作った戦略が、しっかりとトップダウンで組織全体に広がっていくということでしょうか。例えば、モジュール化を進めた自動車業界のプラットフォーム戦略も、その一つです。

 

究極的には、人に行き着くのだろう。

 

日本にはこういう諺がある。

 

『船頭多くして船山に登る』と。

 

どうやら日本人の多くは、人も物も時間もすべてのものが、只流れてるだけと捉えてるのかもしれない。

 

一部分を見れば流れてるだけに見えても、それは循環して戻ってくるんだと言うことが見えづらいのだろう。

 

 

 

再分配政策の見直し

わが国では,生活の困窮度に関係なく,下の世代が上の世代を助ける(支える)という構図が定着しています。制度上は,資産をどっぷり持っていて,高級ゴルフクラブに足繁く通う老人が社会保障給付の対象になり,非正規雇用でカツカツの若者は,彼らを支える側に回らないといけない。

 

”情けは人のためならず”と言う諺がある。

 

本来の意味は、”情けをかけるのは、巡り巡って自分に良いことがあるようにと願うこと”なのだが、多くの人が、”情けをかけるのは、その人を甘やかすので良くない”と解釈している。

 

情けも、本来は流れるものではなく循環するものだとすると、今のままだと日本では情けも富と同じで偏在するものになるだろうし、既にその傾向が顕著だ。