違う見方

見方を変えると目からウロコが落ちるかもという独断と偏見による雑記、備忘録

詐欺未遂に遭遇

今日の午後、運転免許の更新を終え、知人と情報交換した後、交換した情報に関する情報を検索するために、近くのウオーキングのための周回路がある公園に寄ってベンチに座ってネット検索をしていたら、初めて詐欺未遂の現場に遭遇した。

 

ネット検索をしていたベンチの周りには複数のテーブルとベンチがあり、最初座っていたのは私一人だったが、しばらくするとおじいさんが一人やって来てベンチに座った。

 

それから程なく若い男がやって来て、おじいさんに「こんにちは!」と明るく声をかけた。

 

何気なく、ああ知り合いなんだと思ったが、ネット検索しながら聞こえてくる会話になんとなく耳がダンボになっていった。

 

というのも会話が全然噛み合ってないのに、楽しそうに話しをしてるからだ。

 

おじいさんは耳が遠くて何度も若者の話しを聞き返していたが、聞こえる会話では年齢90歳と言っていた。

 

耳が遠いのは、戦争中に近くで爆弾の爆発に遭遇したためだと言っていた。

 

若者は、「おじいさんを時々公園で見かけていて、前から話してみたかったんですよ〜」と明るく声を掛けた。

 

これ自体がおかしな会話なのだが、この会話に違和感を感じさせなかったのは、優しい口調とゆるいトーンで少しトロさを感じさせる独特な語り口のせいだった。

 

顔立ちはシッカリしてるのに、少し障害があるのかもと感じさせる雰囲気だった。

 

途中でウオーキング中の女性がベンチに座ったりするが、二人のゆるい会話は続いていた。

 

住んでる場所の話になった時、若者はその公園から直線距離で15km位離れた場所から来たと言っていたが、足元のサンダルが違和感を演出していた。

 

おじいさんが耳が遠いため、繰り返しが多い会話だったが、若者の答えが、あれさっきの答えと違うじゃんというのが出始めた。

 

明らかにおかしいが、障害のせいかもとも思えるので、そのまま耳をダンボにしてると、おじいさんは植木職人で今でも木を切るという、そしてその日当は3万円だとしゃべり始めた。

 

そう言われて見ると、服装は作業着だった。

 

この会話の後からは、今日のこの後どうするかという話になっていった。

 

おじいさんはお酒が好きだという話をしていたら、若者が「奢ってくれるなら付き合いますよ」と言い出した。

 

私は「キタ〜」と少しワクワクして来た。

 

おじいさんは、公園に来る前に家に帰って財布を置いてきたので、お金を持って来てないから今度にしようと言い始めた。

 

遠回しに断り出したのかと思ったら、その若者を気に入ってるようで、また公園の近くに来たら電話をくれと、名前と番号を教え始めた。

 

ここでおじいさんはベンチから立ち上がり、帰るそぶりを見せ始めたが、ここからがしつこかった。

 

次はいつになるかわからないから、家に帰ってお金を取りに行こう、自分も付いて行って奥さんに説明するからと言い出した。

 

この時点で、私と周りの女性が一斉に目を合わせ頷きあった。

 

不思議な一体感があった、「間違いない詐欺だ」

 

この辺から、この二人に対し我々は露骨に無遠慮な視線を送り始めた、なにせ憶測だけで証拠はないから、露骨な視線が精一杯だ。

 

しかし、若者はその視線を受けても全く怯まないで、ゆるいしゃべりだが粘着質を増しながら、おじいさんに絡みついていたが、我々の視線に気付いたおじいさんが、「今日は帰るから近くに来る時は電話をくれ」と言って帰り始め、若者は我々の目もあるからか、それ以上は追わず、おじいさんと反対方向に向かって行った。

 

ホッとして、その場にいた人で話をしたが、全員が「モロに詐欺だったね、あんなの初めて見た」という反応だった。

 

しばらく話した後で解散した。

 

おじいさんの姿はもう見えなくなっていたが、おじいさんが行った方向に私も向かいだした、暫く歩くとバス通り沿いをおじいさんが歩いているのが見えたので、チョット話をしようと声をかけてみた。

 

おじいさんは、若者を全くと言っていいほど疑っていなかったが、後半少ししつこくなったなとは感じていたらしい。

 

そして、そのしつこくなったタイミングで私たちの露骨な視線を感じたので、その場を去りたいと感じたらしい。

 

おじいさんは「ありがとう」と言ってわたしの手を握ってきた。

 

電話が掛かってきても、わからないふりしてれば大丈夫ですよと言って別れた。

 

おせっかいだが少し良いことをしたという気持ちと、詐欺ってこういう風に起こるんだという一種の感慨があった。

 

今回の教訓は、詐欺師の話にはおかしなところがあるのだが、そのおかしさを曖昧にさせる独特なゆるい雰囲気があり、そのゆるい感じが警戒心を緩めるのかもしれないということだ。