違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

目の前のフィルターが見えてるか?

格差社会の現代の構造を捉える2種類の表現がある。

 

格差がヒエラルキーを作ることからピラミッドに見立てた表現が一つで、私もこれをすぐにイメージする。

 

ピラミッドのように多くの段階があり、上に行くほど人数が少なくなるというグラデーションを描くような格差で、果てしない格差がある一方で良い意味での多様性が感じられる。

 

もう1つが、「学歴フィルター」のように最初の段階の選別で選ばれるかはじかれるかという選択をされるものがある。

 

この学歴フィルターのような選別は、0点か100点かという極端な振り分けがなされることが特徴になる。

 

学歴フィルターについて、あなたが知らない7つの秘密

「自分は高校時代はあんまり勉強しなかったけれども大学4年間はこんなに頑張りました」と言う人も多いでしょうけど、そういう人にチャンスを上げられるほど大手の採用担当の懐は深くありません。

 

だって、うっかり冒険しちゃってダメだったとしても、その人を65歳まで雇い続けないといけないわけですからね。少なくとも現行の終身雇用であるかぎり、企業は応募者の自己申告よりも18歳時点でのポテンシャルを重視するしかないでしょう。

 

 

 

この学歴フィルターのあり方の是非はともかく、現実社会は、ここぞというところでその都度フィルターに掛けられるようになっていて、多くの人がそれを感じているはずだ。

 

フィルターを通過できれば先に進めるが、通過できなければ、別の通過できるフィルターを求めて彷徨うことになる。

 

格差がピラミッドならば、頑張った度合いに応じてどこかに納まることもありえたが、フィルター選別型になると、どこにも居場所がないということが起き始める。

 

このフィルター型の選別は何かに似てるなと感じたが、よくよく考えるとデジタルの仕組みそのものなのだ。

 

0と1の組み合わせで構成され、ONとOFFの切り替えで運用されるデジタルそのものなのだ。

 

いい意味での曖昧さが社会から無くなっていることを嘆いてもしょうがないだろう。

 

何か対抗手段はあるのだろうか?

 

敵はフィルターなのだ、フィルターを設定してる人や組織と対抗しようとしても苦労するだけだろう。

 

フィルターの弱点や盲点や不備を突くしかないだろうが、そこには工夫の余地があるような感じがする。

 

今、詐欺や詐欺まがいが多いのは何故か?

 

フィルターの前提である法律の弱点や盲点や不備を突いてると考えることはできないだろうか?

 

そうだからと言って支持することはできないが、上場企業でも詐欺まがいのビジネスをしたり、ブラック化は増えている、このことはフィルターを課してた側にも別のフィルターが課されていることを意味してるような気がする。

 

大元にあるデジタルの仕組みや発想が、フィルターを作らせてるとするならば、そこに何らかの弱点や盲点や不備を見つけるしかない。

 

そんなデジタルの弱点や盲点や不備は見つかるとすればコミュニケーションの領域になるだろう。

 

ヒントの一つは、フィルターバブルにあるかもしれない。

 

フィルターバブル (filter bubble) とは、インターネット検索サイトのアルゴリズムが、ユーザーの情報(所在地、過去のクリック履歴、検索履歴など(ウェブビーコンen:Website_visitor_tracking)に基づいてユーザーが見たい情報を選択的に推定するような検索結果を出すことが原因で、ユーザーがその人の観点に合わない情報から隔離され、実質的に彼ら自身の文化的、思想的な皮膜(バブル)の中に孤立するようになっていくこと。

 

多様性の時代と言われてるのに、多様性に対応できない人が増え、そのことに気付かない人も増えている。

 

単純に『情弱』とバカにすることはできない。

 

フェイクニュースで政治が動き、戦争すら起こるかもしれない。

 

そんなフェイクニュースを真実に仕立て上げるのに一役買うのもフィルターバブルだ。

 

フィルターバブルに陥る背景には、ブログをはじめとした一話完結の短文で構成されたネットコンテンツの存在とそれらがあっという間に陳腐化することなどがある。

 

本当はもっと長い時間をかけて起承転結を踏まえて理解されなければいけない内容を、お手軽に結論だけ伝え、それを生産性を上げると奨励されたり、タイムラインを流れる情報を追いかけるばかりで何が大事なのかわからなくなり、世間が多く反応してるものに同調するようになっている。

 

また、世間の反応を多く集められるコンテンツを発信する人は「共感を集める能力が高い」という権威をもつようになる。

 

このような人はインフルエンサーと呼ばれ、様々なビジネスの場でも重宝される存在になり教祖化するが、それは様々なフィルターを潜り抜けた結果でもある。

 

運やタイミングをものにしたことも、一種のフィルターを潜り抜けたと言えるだろう。

 

就活ではエントリーすらさせないフィルターが存在するのに対し、インフルエンサーへの道は誰でもエントリー可能だ。

 

険しい道の入り口は全ての人に開放されてるが、楽に見える道は一部の人しか通してもらえない。

 

楽に見える道が、本当に楽かわからないのに、大勢がそこを目指すこともフィルターバブルの為せる業だろう。

 

そう考えると、無意識のうちに選択肢から外してる生き方を考え直すと新しい発見が得られるかもしれない。

 

 

そうすると、目の前のフィルターの種類が変わり、突破しやすくなるかもしれない。

 

目の前のフィルターが見えれば(感じられれば)、突破しやすいフィルターを選ぶほうが賢明だ。