いつからだろうか、
自分自身のことなのに、他人の目を気にしだしたのは。
いつからだろうか、
自分自身が納得してないのに、他人を納得させようとしだしたのは。
動機が不十分なまま、なんとなく掲げた目標に向かって行動するような時がある。
そんな時、脳は感じてないが、心は矛盾が生じたことに気付いてる。
しかし何も感じてない脳は、体に「Go!」と指示を出す。
これが趣味に関することだったら、自然にフェードアウトする。
だって楽しくないから。
楽しくないのに行動する時がある、
子供だったら、将来のことを考えたりする時。
大人だったら、仕事について考えたりする時。
楽しくないのに行動する時点で間違っているのだが、世間は「人生は楽しいことばかりではない」、「イヤでもやらなければならないことがある」と説く。
こんな話がある。
就労中の18〜29歳の若者に、働く意義について尋ねたところ、
「働くのは当たり前だと思う」と答えた人が全体の4割に過ぎず、
「できれば働きたくない」と答えた人が全体の3割もいた
2015年 電通総研「若者×働く」調査。就労している18〜29歳の若者の回答より
私が担当する講義でも「働く」ことのイメージについて尋ねたことがあるが、
やはり多くの学生が「働くこと=ストレスと時間をお金に換えること」だと
捉えていた。
会社というタテ組織に自分を放り込み、上司から与えられたタスクをこなし、
自由を奪われる代償として給料をもらうのが仕事、と考えている人が多い。
働くことが不幸なら、「会社嫌い」になるのも当然だ。
「愛社精神」を尋ねた調査では、「組織貢献・愛着度」という項目で、
日本は28カ国のうち最下位の31%だった
ちなみにアメリカは59%、ドイツは47%である。
2012年 KeneXaHigh Performance Institute「従業員エンゲージメント調査」より
日本人は、やっと嫌なことに「No」と言うようになってきたのではないだろうか。
ここでは、低成長率の原因として述べられてるので良い意味で捉えてはいない。
しかし元々良しとされていた従来型の価値観の方が、高度経済成長期という期間限定の価値観ではないだろうか。
それを伺わせる会話がある。
2016.4.17. サンデー毎日から引用
阿木燿子 X 石田衣良
石田 : いま、ようやく気がついたところじゃないですか。
バブル崩壊後、"失われた20年"って言われましたが
勘違いだったんですよ。
阿木 : 勘違いって?
石田 : 大人になって、「なんで背が伸びないんだろう」って
言い続けて20年たって、「あ、成長期は終わったんだ
。大人になっちゃったんだ」って。
(中略)
阿木・石田 「もう少し社会に迂回路があればいいのに」
成長が終わってからの方が圧倒的に長い時間を過ごすことになる。
成長期に対する成熟期という位置づけだ。
緩やかに死に向かっているとも言える。
今、日本だけでなく先進国はすべて背を伸ばそうといっぱい食べてるが、もはや背は伸びず、ぶくぶく肥大し、成人病を発症してる状態だ。
こうなったら、生活態度を根本的に変えるしかなくなる。
薬に頼るのは、たぶん賢明ではない。
そういう変化の兆しが、若者の意識の変化だ。
イギリスのEU離脱も、トランプ大統領誕生も根っこは一緒だろう。
多くの人にとって常温は心地いいはず。
常温が寒く感じたり、冷たく感じる人にはツライ時代がやって来る。