Smapが世間を騒がせながら解散した(今年いっぱいならまだなのかな)。
2016年は年明けから年末まで1年を通じてSmapの解散騒動が続き、途中で修復の動きが取られたようだが、うまくいかず、結局解散となった。
芸能界という特殊な世界で、人気もあるため、様々な利害関係があり当人たちもその事を十分理解していたが、修復できなかった。
様々なメディアが取材し、Smap騒動を記事にしてるが、それらとは別に、今回の問題が芸能界とジャニーズ事務所の特殊性に起因しているのではないかという事を書きたい。
参考にするのはwikipediaのみとする、もちろん独断。
wikipediaでもSMAP解散騒動があるが、参考にはしないで考えたい。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ジャニーズ事務所
賞レースへの不参加方針
「所属タレントに優劣をつけさせない」との方針により、「候補者を何人か選び、その中から大賞やグランプリ獲得者を決める」という形式の賞レースへの参加は原則辞退している。受け取るのはそのタレントに直接賞を贈呈するもの(例として「ベストジーニスト」)や日本国外での表彰のみとなっている。
ジャニーズ事務所初期のグループにフォーリーブスがあるが、そのメンバーの江木俊夫は、著書の中で
「ジャニーズ事務所に最大の利益を与えたのはSMAPだろうが、
ジャニー喜多川さんが今でも理想のアイドル像として思い描いて
いるのは郷ひろみだろう。」
と述べている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/過去のジャニーズ所属者
辞めてる人の多さと名前を聞いても全く知らない人が多いことは、売れてる人がいかにごく一部であるかを示している。
その郷ひろみは1975年春、ジャニーズ事務所からバーニングプロダクションへ移籍。
この移籍騒動でジャニー喜多川社長は体調を崩すほどショックを受けたと言われる。
ジャニー喜多川とメリー喜多川姉弟は、「タイガーズやテンプターズなど、他の人気グループと違い、フォーリーブスはグループ内にスター的存在のメンバーを作らない」「言うなればメンバー全員がスター」という確固たるポリシーを結成当時から一貫して持ち続けていた。二人は雑誌などでもたびたびその主旨の発言をしていた。
ステージにおける歌唱やダンスにおいても、その「メンバー全員がスター」というポリシー同様、特定のメンバーが突出したり比重が置かれることは基本的になかった。
メンバー全員が綺麗に振りを揃えたユニゾン・ダンスとパフォーマンスを重視するステージングであった。
この時期の考え方は、現在の「賞レースへの不参加方針」の元になってると思われる。
また、ジャニー喜多川は、こうも発言している。
ジャニーズの付き人をしていた北公次をどうしてもデビューさせたいがために、各所から人材を取捨選択して作ったのがフォーリーブスだと。
売り出したグループに関しては、グループ内でメンバーの優劣を付けたりするつもりがないのだろうが、グループ結成には、特定の個人に対する思い入れが入る傾向にはあるのだろう。
Smapの場合、思い入れを込めたのは誰なのだろうか?
いづれにしても、デビュー時のメンバーは全員10代前半の頃の話だ。
ところで、郷ひろみが移籍したバーニングプロダクションの周防郁雄社長の経歴は。
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- 1971年(昭和46年)、ホリプロダクションを退社し、自らの芸能事務所 「国際プロダクション」を設立。同社はその後、所属歌手第1号であった本郷直樹のデビュー曲 『燃える恋人(1971年発売)』にちなんで、「バーニングプロダクション」と改称。
大物の懐に入り込んでいるのがよくわかる経歴だ。
バーニングプロダクションを設立する前にいたホリプロとは、
経営においては「会社の売上を1人のタレントに25%以上偏らせないようにする」というルールを自らに課しており、その経営方針のため芸能人のマネージメントの他にも、TV番組・音楽・映画・テレビCM・舞台公演・ネットコンテンツなどの自社制作やキャラクター版権管理も行っている。いずれの部門も、企画開発から制作・完成までを一貫して自社で行える体制となっている。
という経営方針を持っている。
芸能界だから、一攫千金的であるが、ホリプロはローリスク指向と言えるのだろう。
そのホリプロを辞めて独立できたということは、周防さんは円満退社だったのだろう。
バーニングプロダクションは、ハイリスク・ハイリターンを狙って設立されたのではないだろうか。
ホリプロとは利害が対立しない関係が築けていたのだろう。
芸能界の特殊性として露骨な評価に晒されるという点がある。
一般のビジネスでも一定の評価には晒されるが主に結果に対する評価で、金銭に換算される価値だ。
それに対し、芸能界では、ファンからの人気であり、スタッフの受けだったりも重要だし、もっと大事なことはタレントだけが儲かれば良いわけではなく、関係するすべてが儲かることが求められる。
ジャニーズ事務所の話に戻ると、Smapの5人は、事務所内ではメンバー間の優劣は無いことになってるが、世間や業界内ではきっちりと序列化されてる。
もし、事務所内でメンバー間の優劣が実は存在したとすれば、メンバー間に不協和音が生じただろう。
そして、その優劣が露呈したら、不協和音は亀裂になるだろう。
亀裂が生じたら、短期間は持ちこたえるかもしれないが、長期間はもたない。
そして亀裂が限界を迎えたのが2016年だったとするならば、不協和音が生じた時期はかなり前になるだろう。
もうひとつSmapの特殊な点は、10代前半から28年間トップアイドルとして世界を舞台に活躍したが、大空を羽ばたけたわけではなく、ずっと「籠の鳥」だったのではないだろうかという点だ。
自由がないというストレスを28年間抱えていたかもしれない。
何もなかったとしても、そろそろ限界だったかもしれない。