違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

プレミアムフライデーについて考えていたら、憲法51条の改正が必要だと思えた

鳴り物入りでスタートしたプレミアムフライデー。

 

経済産業省と経団連、日本百貨店協会が中心となった官民一体プロジェクトだ。

 

 

プレミアムフライデーには、3つの目的がある。

 

プレミアムフライデーの実施方針・ロゴマークが決定しました :経済産業省

個人が幸せや楽しさを感じられる体験(買物や家族との外食、観光等)や、そのための時間の創出を促すことで、

(1) 充実感・満足感を実感できる生活スタイルの変革への機会になる

(2) 地域等のコミュニティ機能強化や一体感の醸成につながる

(3)(単なる安売りではなく)デフレ的傾向を変えていくきっかけとなる

といった効果につなげていく取組です。

 

 

このように、コンセプトを打ち出すこともデザインと言われる。

 

デザインはモノだけのものではなく、コンセプトやアイデアも対象となる。

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/グランドデザイン

グランドデザインあるいは全体構想(ぜんたいこうそう)とは政策経営が行われる場合に使われている言葉である。事業などが計画される場合に、それが壮大な図案や設計であって、また長期間にわたって遂行されるようなもののことを言う。このグランドデザインという言葉は、政府などが行うという都市開発などといった大規模な事業を意味している

 

 

プレミアムフライデー、使った金額「0円」最多 :日経ビジネス

 

デザインの問題なのか、まだ定着してなからなのかは不明だが、そもそも誰のためにデザインされたのかが気になる。

 

 

 

デザインの問題は、日本だけではなさそう。

 

旧版(1990年出版)

誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)

誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)

 

 

 

新版(2015年出版)

誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論

誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論

 

 

 

 

熊本県のキャラクターで有名な「くまモン」をデザインした水野学は、現代のデザインに必要なのはセンスであり、センスは生まれつきの特別なものではなく知識であるという。

 

知識とは「知っている」ということであり、「知らない」が不利になると言っている。

 

時代は「良いセンス」を求めている。

 

「良いセンス」は、「良い知識」である。

 

水野学には、ブラックな噂もあるが、時代を捉える嗅覚は鋭いだろう。

 

流行りのデザイナーということで、佐野研二郎と少しイメージが重なるが知っておいて損はない。

 

 

センスは知識からはじまる

センスは知識からはじまる

 

 

  

 

日本型の経営に欠けているのは、「スピード」と「決断力」だとよく言われるが、問題はその手前にあるのではないだろうか。

 

事業や商品の展開は、ユーザーである顧客と向き合うことで、生み出されるべきだし欧米はそうなってるはずだ。

 

しかし日本は、官民とも税収アップや儲かるが先にある。

 

税収アップや儲かるは、後から結果として付いてくるものであって、先にあるものではない。

 

 

このプレミアムフライデーという企画に、ガラパゴスと言われる日本特有の「独りよがり」の臭いがしてくる。

 

 

高度成長期の日本は、世界の下請けとして成長した。

 

下請けとして望まれていることを高いレベルでこなす技術を身につけ、持ち前の根気良さもあり、望まれてる以上のことを成し遂げられていただろう。

 

しかし、自他共に世界のトップの一員になってから迷走が始まった。

 

自らが発案者となりオリジナルを提案する時に、どう振舞えば良いのかがわからないという現象に直面し出したのだ。

 

誰のための技術なのかということを考えずに発展させた技術をどう使えば良いかがわからないので、技術のための技術になる。

 

このアプローチは、モノが飽和状態に達するまでは一定の需要を作れるが一旦飽和状態に達すると、誰に得な技術かわからなくなる。

 

そうして技術としてだけ発展するが、ある時を境に全く通用しなくなる。

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/ガラパゴス化

日本で生まれたビジネス用語のひとつで、孤立した環境(日本市場)で「最適化」が著しく進行すると、エリア外との互換性を失い孤立して取り残されるだけでなく、外部(外国)から適応性(汎用性)と生存能力(低価格)の高い種(製品・技術)が導入されると最終的に淘汰される危険に陥るという、進化論におけるガラパゴス諸島生態系になぞらえた警句である。

 

言葉の背景としては、オープンソースであっても独自様式に流れがちなエンジニア[1]や、日本市場で独自の進化を遂げた携帯電話世界標準から掛け離れてしまう現象[2]を指すため代名詞的に用いられていた。

 

 

プレミアムフライデーは、ブラック問題に取り組んでる姿勢を見せたい国(経済産業省)の思惑と、売上を上げたい百貨店や流通業界の思惑をおそらくどこかの広告代理店がチョチョットまとめ上げて作ったのではないかと思える。

 

買いたくなるモノやサービスが提供されるわけではなく、最も忙しいタイミングで業務から引き離すという「誰得?」の強要が行われてるだけに見える。

 

 

経団連の副会長の石塚邦雄氏(三越伊勢丹ホールディングスの会長)は、プレミアムと銘打ってることが、安売りと一線を画してるとプレミアムフライデーに期待しているらしいが、当の三越伊勢丹ホールディングスは揺れてるようだ。

 

また、お家騒動か 三越伊勢丹HDの社長辞任報道  2017/3/6 日本経済新聞

百貨店業界、それに大手アパレルなど百貨店の有力取引先は6日朝から蜂の巣を突いたような状況になっているようだ。三越伊勢丹ホールディングス(HD)の大西洋社長(61)が3月末に辞任することを日本経済新聞が6日に報じたからだ。後任について今後、社内をめどに選ぶという。この異例さがさらに臆測を呼び、多くの業界関係者が情報収集にやっきとなっている。確認はできていないが、月曜日午前は先週の販売実績をもとにこれからの販売計画を練り直す会議が至るところで開かれているはず。

 

 

 

グランドデザインを描く人や組織にセンスが無いことがよく分かる。

 

 

今、日本を動かす立場にいる人にはグランドデザインを描ける人がいない。

 

グランドデザインを描けない理由は、「誰のため」の「誰」を見ていないから。

 

では何を見てるのか?

 

答えはいくつか浮かぶが、その答えにはあまり意味が無いだろう。

 

もっとも重要なことは、描いたグランドデザインが失敗した場合に、責任を取ったり、失敗の教訓を次に活かすという文化が、グランドデザインを描く立場の人や組織に無いということだ。

 

政策の立案者は、国家議員だ。

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/日本国憲法第51条

第五十一条

両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。

 

 

憲法改正は必要だ、必要なのは政策立案者に責任を取らせることだ。

 

実際に描いているのが官僚であっても、責任を議員が取る必要があれば、議員も官僚も変わらざるをえない。

 

国民に向き合わざるを得なくなる。

 

 

 

しかし簡単ではないので期待できるのは、トランプ大統領と森友学園問題かもしれない。

 

 

追記3月7日

 

こんな記事があった。

 

プレ金「非常に盛り上がった」経団連会長が評価
2017年03月07日