今から15年位前頃、省エネについて考えていた時期がある。
具体的には電気の使用量を減らす方法についてで、要になるのはエアコンの使いかただとわかっていた。
考えるテーマが大きく二つあった。
- エアコンの効率的な使いかたは?
- エアコンを必要としない環境とは?
「エアコンを必要としない環境とは?」について考えている時に、いつも基準にしていたのが「日陰」だった。
同じ日陰でも、涼しい日陰とそうではない日陰がある。
涼しい日陰を人工的に安く作れないだろうかと考えていた。
お手本は、木陰の涼しさ。
日差しを100%カットするわけではなく、木漏れ日があるにも関わらず暑苦しさを感じない。
温度や湿度を測れば、日なたと大きく違うわけではないのに涼しいのは何故だろうか?
この涼しさを人工的に作る方法はないだろうかといろいろ調べてみた。
似たような考え方は、立派な研究テーマとして存在してるらしいことがわかった。
結局この時考えたことは、雑学の知識を増やしただけなのだが、その時出会った言葉が「フラクタル」という言葉だった。
うろ覚えだが、木陰に似た環境を人工的に作ろうとするならば、正三角形または二等辺三角形状の小さな板を、高さを違え、隙間を設けながら互い違いに配置し、屋根状にすれば疑似木陰空間ができるとあった。
https://ja.wikipedia.org/wiki/フラクタル
フラクタル(仏: fractale, 英: fractal)は、フランスの数学者ブノワ・マンデルブロが導入した幾何学の概念である。ラテン語 fractus から。 図形の部分と全体が自己相似になっているものなどをいう。
https://ja.wikipedia.org/wiki/フラクタル幾何
フラクタル幾何(フラクタルきか)とは、簡単に言えば「どんなに拡大しても複雑な図形」のことをさす。フラクタル図形とも呼ばれる。
フラクタル幾何に関する理論は、そのほとんどが一人の数学者ブノワ・マンデルブロ(Benoit Mandelbrot)によって創作された。彼は海岸線やひび割れの形、樹木の枝分かれなどに見られる複雑な図形を数学的に理論化した。
神様が作った無秩序に見える大自然にも、秩序が隠されていることに数学が気付いた。
人間が技術を発展させる時、他の生物や植物の構造をヒントにすることが多い。
軽さと強度が要求される航空機の翼や胴体に用いられるハニカム構造。
ハニカム構造(ハニカムこうぞう、英語:honeycomb structure)とは、正六角形または正六角柱を隙間なく並べた構造である。ハニカムとは英語で「ミツバチの櫛(=蜂の巣)」という意味であり、多くの蜂の巣がこのような形をしていることから名付けられた。
蚊が血を吸うメカニズムの解明から
世界で一番痛くない針の開発に挑戦
みなさんも不思議に思うでしょ? なぜ、蚊に刺されても痛くないのだろうか、って。
実は、そこには驚くべきメカニズムが隠れていたんです。
自然の力は人間の創造を超える!
「蚊が生み出した仕組みを、人間が自分たちの頭だけで考え出すことは難しい」と青柳先生は言う。実際、自然の力は人間の想像をはるかに超えており、そこから生物がもつ特殊な機能や不思議な能力を利用する「バイオミメティクス(生物模倣)」が近年、注目されるようになってきた。有名なのは、サメの肌に似た構造を採用してスピードを速めた競泳の水着だろう。カタツムリの殻がいつもきれいなことをヒントに、特殊な外壁材が生み出されたりもしている。
バイオミメティクスの研究が実用化されるためには、数学的な秩序が見出だせることが鍵になるだろう。
数学的に解析可能になれば、技術の応用と生産の容易さが実現できる。
一見無関係に感じられることの背後に数学が潜んでることが、ドンドン明らかになる。
楽器がアコースティックな時にはあまり感じなかったが、楽器が電子化してくると、音楽と数学の関係が密接なことがよく分かる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/音楽と数学
数学と芸術。
一見正反対に感じるこの両者はコインのウラとオモテのようで実はメビウスの帯のような連続性の関係にあるかもしれない。
新エンブレムに隠された法則とは? 「よくこんなの思いつくよね」と感嘆の声【東京オリンピック】
デザイナーの野老朝雄さんがどこまで意識してるかは不明だが、数学が潜んでることは言うまでもないだろう。
その前の佐野研二郎さんのデザインだって数学的な存在だ。
最近のデザインは露骨に数学色が強くなっている。
この数学色が強いデザインは、完全にAI(人工知能)に置き換わるだろう。
AIがデザインすれば著作権の問題も発生しないだろう。
数学からデザインのインスピレーションを得よう!数学の美しさを楽しめるGIFアニメーションのまとめ
デザインと数学の出会いは、デザイナーと数学者の出会いでもある。
デザイナーと数学者の出会いは、「模様」を介して行われる。
模様に対して脳が、どう反応するかという研究が始まったのは1910年ドイツでだ。
ゲシュタルト心理学と言われる。
人間は、模様(パターン、形)に視覚的な単純さや規則性や対称性を求めるらしい。
現在のデザインには、ゲシュタルト心理学がデザインと数学を結びつけた結果の産物が多そうだ。
書き慣れた漢字が、正しく書いているのに間違ってるように見えることがある。
このような状態を、ゲシュタルト崩壊という。
ゲシュタルト崩壊の発生要因については未解明な部分が多く、静止網膜像のように消失が起きないことなどから、感覚器の疲労や順応によるのではなく、「比較的高次な認知情報処理過程によって発生する」[2]ことがわかる程度である
ゲシュタルト心理学が見つけた脳機能の1つだ。
デザインが数学をリスペクトしている。
そうなってくると人間が手掛ける芸術やデザインの拠り所は、手書きや手作りしかなくなる。