“馬を水飲み場まで連れて行くことはできるが、水を飲ませることはできない”という言葉(諺)がある。
元は英語のようだ。
You can take a horse to water but you can't make him drink.
A man may lead a horse to the water, but he cannot make him drink(unless he will).
意思や意志がなければ強制できない。
教育や育成の現場では、勉強のやる気と成果で例えられることが多いし、需要と供給(需要を超える供給は無理)という具合に使われることもある。
意思や意志の前には興味や関心がある。
興味や関心が動機を形成する。
いつの頃からか、興味や関心はあるのに動機が形成されない日本人が増えてるようだ。
日本の「健康ブーム」が、実は本物でない理由 2017年4月24日
行った種目は、「ウォーキング」がトップ。「体操」「トレーニング」がその後に来る。ほかには、男性は「ランニング」と「自転車」が人気で、女性は「エアロビクス・ヨガ」。つまりは全体的に1人でできる種目が上位にきている。その反対に、野球やサッカーなどの団体競技は、比率にするとほんのわずかだ。
【トレーナーが語る】ライザップでもダイエットに失敗する人の5つの特徴
特徴①素直じゃない・嘘をつく
特徴②明確な目的がない人は痩せられない
特徴③昼夜逆転の生活の人は痩せられない
特徴④お酒をよく飲む人は痩せられない
特徴⑤お金持ち過ぎる人は痩せられない
「No」が言えない日本人は、同調圧力に屈しやすく、予定調和に迎合しやすい。
そのことが、興味や関心がありながら動機にならないという心理状態を作っているように見える。
おそらく興味や関心を示すことのいくつかが、同調圧力や予定調和への迎合の産物なのだろう。
馬が水飲み場で水を飲まない状態は、日本では「バカは使いにくい」というような意味で使ってるような気がするが、水を飲まない馬がバカなのか、そんな馬をバカだと思う方がバカなのかが問われ始めたような気がする。
遊びの世界では、意思や意志が明確で動機にブレが無さそうに思えるが、悩みはあるようだ。
GoProのケースは、ある意味成功しすぎたあまりに次世代の技術開発が遅れたという例だろう。どんなに優れたアイデアであっても、数年もすれば陳腐化し、消費者はにべもなく飽きてしまうということでもある。どのシリコンバレー企業にとっても大きな教訓になる例だろう。
遊びの世界では、自由であることが何よりも大事。
必要最小限のルールや仕組み以外は、野放しが原則だ。
妙にビジネス的野心を持ち、顧客の囲い込みなんて始めると、自由を阻害する束縛となり逆効果になる。
動機にブレがないのは遊んでるユーザー側であって、ビジネスを仕掛ける側ではない。
ビジネスになると取り組む気持ちは人それぞれだ。
今のビジネスは、動機を問うと一体感が得られなくなる。
3年前の日経ビジネスにわかりやすく書いてあった。
仕事に打ち込むからこそ、モチベーションが上がってくるのです。「AだからBができない」という発想を逆転させ、「BをするからAが得られる」と考えましょう。
仕事の結果はなかなか出ないものです。だからといって、行動をしない理由にはなりません。行動をする理由や動機を考えてばかりいると袋小路に入ってしまいます。「逆算思考」の癖をぜひ付けて下さい。
本当に好きな遊びの世界では、無意識のうちに打ち込んでしまう。
ビジネスで遊べてる人が最強だろう。
コンプライアンスが厳しいということは、ビジネスには不向きな時代になっているということだろう。
無意識に打ち込めるビジネスに携われてる人は本当に幸せだろう。
しかし、そんなごく一部の人は自分が幸せであることを意識してないだろう。