サーカスの象は生まれて間もない頃から、飼育され調教されます。
そして、彼らは檻に入れられるわけではなく、地面に打ち付けられた杭と鎖で繋がれ飼育されます。
その鎖と杭は幼い象では脱出することができません。しかし、幼い象は何回も脱出を試みますが、次第に諦めてその場に座り込んでしまいます。
その後、幼い象は何回かは挑戦しますが、大人になる頃には完全に諦めてしまいます。
結果、サーカスの象は鎖と杭のみで逃げ無いのです。
自分の人生をどの程度自由に動かせると思っているかの国際的な意識調査結果 2010年
なんとなく日本人の多くは気付いているのが、サーカスの象にとっての杭や鎖のようなものが自分の心に存在してること。
そして、大人の象が暴れたら、鎖と杭では対処できないことを人間はわかってる、わかってないのは象自身だ、だからおとなしく従う。
象がそのことに気付いたら、サーカスはどうなるだろうか。
きっと象を管理するために頑丈なオリが必要になる。
人も余計に必要になるかもしれない。
移動しながら興行するサーカスにとって、手間暇コストが大幅に増えることになる。
成り立っていたサーカスという仕組みが、成り立たなくなるだろう。
しかし、人間は気付くから、手懐けるしか無いのだが、そのための餌が給与や待遇だったが、その餌がどんどん減らされおまけに不味くなっているのが今だ。
大人になりきってしまうと象と同じで、もはや反抗できないだろうが、未熟なレベルは平気で反抗する。
考え方は未熟でも、体は大人になった人間が一部でも反乱を起こせば、その影響は一気に広がる。
新入社員の意識調査で「残業や人付き合いしたくない」が過去最高に
仕事や収入の捉え方、会社の上司や同僚との人間関係において、企業より個人を重視する傾向が目立った。特に昨年度に比べ変化が大きかったのは上司や同僚、部下に対する見方だ。
理想の働き方は忙しく働いて高収入(激務高給)とまったりと働いて安定収入(まったり安定)のどちらに近いか聞いたところ、「激務高給」が30.6%、「まったり安定」が69.4%と、まったり安定が多数派となりました。
男女別にみると、男性は「激務高給」(35.2%)が女性(26.0%)に比べて高いものの、「まったり安定」(64.8%)が多数派であることがわかります。また、就業形態別にみても、正規雇用では「激務高給」(31.7%)が非正規雇用(26.5%)に比べて高いものの、「まったり安定」(68.3%)が多数派であることに、変わりはありませんでした。性別や就業形態に関わらず、まったりとした生活を志向していることがうかがえる結果となっています。
このような変化は、そのような教育をされたからでない。
ゆとり世代とは、色々な定義の仕方があるようですが、1987年から1996年生まれの人の事を指します。
一般的にゆとり世代は、小中学校では2002年度、高等学校では2003年度に施行された学習指導要項で育った世代のことです。
ゆとり教育と時期が被っているが、この時期はバブル景気が盛り上がり崩壊するという社会が大きく変わった時期であり、またITが注目され始めた時期であり、インターネットの普及期と重なっていて、社会の価値観が大きく変化し多様化し始めた時期だから身についた価値観だ。
若者が、自分の人生を通じて学習したことだ。
親や周りの大人、バイトや就職で接した先輩の姿や生き様から学習したのだろう。
裸の王様を見て「王様は裸だ」と言うのが、今の若者だ。
裸の王様の話には、王様が裸であることを指摘した少年以外に複数の人物が出て来る。
王さま
新しい服が大好き。逆らえる者は誰もいない。
二人の詐欺師
布織り職人というふれこみ。愚か者には見えない布を織ると言って王さまたちを騙す。
大臣
正直者で通っている年寄り。人が良い。布地が見えたふりをして嘘をつく。
役人
根はまっすぐ。
家来たち
町の人々
見栄や立場にとらわれ、誰も本当のことを言えない。
元の話では「王さまは裸だ」と叫ぶのは、子供ではなく黒人である。
日本のビジネス界で働く人は、少年以外の登場人物のどれかに該当する人がほとんどではないだろうか。
そしてそれは、子象の時からサーカスで飼いならされて抵抗することができなくなった大人の象のような、ベテランと言われるビジネスマンの真の姿ではないだろうか。
たぶんベテランも若者も感じてることに大きな違いはない。
だから、ベテランは若者に期待してるはずだ、「俺たちに声を上げる力はないから、頼むから王様は裸だと言ってくれ」と。
そして期待通りに若者は声は上げ始めた。
残業なんかしたくない!
まったりと生きたい!
余談
象の話をしてると、「象」と「像」がごちゃごちゃになってどちらが正しいかわからなくなった。これもゲシュタルト崩壊なのかな?
https://ja.wikipedia.org/wiki/ゲシュタルト崩壊
全体性を持ったまとまりのある構造(Gestalt, 形態)から全体性が失われてしまい、個々の構成部分にバラバラに切り離して認識し直されてしまう現象をいう。