若い日本人は、日本のことをどう感じているのだろうか。
若くない日本人は、日本を優秀な国だと思っているだろう。
私も、日本が”ジャパン・アズ・ナンバーワン”と言われた時代をリアルタイムで経験してるので、無意識のうちに日本を優秀だと思っていしまう。
だが、最近は本当に日本は優秀なのだろうかと感じることも多くなっている。
そして、日本が優秀だとしても、日本人が考えてる優秀さと、日本以外の世界が感じてる優秀さの間に、大きな隔たりがあるのではと感じるようになっている。
今日は、そんな話を書いてみたい。
ビジネスモデルの歴史的大転換に、日本だけが取り残されている
「大航海時代」に冒険者は見当たらず 野口 悠紀雄
アメリカでも、USスティールやGMなどのかつての名門企業が、いまでもアメリカをリードしているわけではない。現代のアメリカ経済をリードしているのは、新しく生まれた産業の新しい企業である。時価総額のトップ5は、こうした企業で占められている。それらは、アップル、アルファベット(グーグルの持ち株会社)、マイクロソフト、フェイスブック、アマゾンだ。これらの企業群は、マイクロソフト以外の4社の頭文字をとって、「GAFA」と呼ばれる。
もっとも、GAFA企業はすでに大企業になっている。したがって、今後も変革を主導しつけるかどうかは、はっきりしない。しかし、変化はGAFAで止まったわけではなく、それに続く企業群が登場している。それらは、「ユニコーン企業」と呼ばれている。タクシー配車サービスのUberの時価総額は、日本円で6兆円を上回る。EVを製造するテスラは、時間総額でGMを上回った。民泊のAirbnbは、部屋数や時価総額でヒルトンホテルを上回った。
UberやAirbnbは、大量生産大量販売が生み出した余剰資産をシェアするということだが、そもそも莫大な『観光』や『出張』需要が前提となるだろう。
さらに、ユニコーン企業の次の段階の事業体として、AI、仮想通貨、ブロックチェーン、量子コンピュータのなどに関連した新しい企業やプロジェクトが、水平線上に姿を現している。
今、現役の日本人の多くがなんとなく感じてるのが、Businessと横文字で捉えた場合、日本発のものはたぶん無いということだ。
欧米で発生したものを、欧米が採用し始めた後から取り入れるだけ。
しかし、一旦取り入れると、改良を施すのは得意。
改良の延長線で良いものを作ることはあるが、世界標準にはならず、日本固有のガラパゴスに留まる。
日本人は、日本が得意なのはものづくりだと理解してることが多いが、世界はどう見てるのかと言うと。
1位 治安が良いところ
2位 交通機関が時間に正確なところ
3位 清潔な環境
4位 生水を飲めるところ
5位 商品の品質が良いところ
6位 繊細で多様な食文化があるところ
7位 温泉や入浴の文化があるところ
8位 多様なサブカルチャーがあるところ
9位 コンビニが普及しているところ
10位 自販機が普及しているところ
今の日本人が作ったものは本当に少なくて、昔の日本人から受け継いだものが多いと言うことがよくわかる。
では、今の日本人が作ったもので、世界から評価されてるものは何かと言うと。
1.温水洗浄便座
2.冷却ジェルシート
3.使い捨てカイロ
4.カップラーメン
5.高級化粧品
6.青色LED
たぶん多くの日本人が思ってるものではないだろう。
ここに出てくるものは工業製品で、実際には機械が作っている。
企画やアイデアは日本人由来かもしれないが、日本人が持つとされる器用さや丁寧さが産み出したものでは無さそうに感じる。
発想がガラパゴスだからニッチ市場が世界に成立するのだ。
では、そんな日本人らしさを感じさせる器用で丁寧な職人技を感じさせるもので、世界の評価を得てるものはと言うと。
①南部鉄器
②食品サンプル
③爪切り
④化粧筆
➄メガネフレーム
⑥かばん(ランドセル)
⑦ギター
こうやって見てみると、野口悠紀雄が”日本だけが取り残される”と書いてるが、日本人はずっと定位置にいて、ただ分不相応に金持ちになっただけではないかという気がする。
日本人は飽きっぽいと言われるが、それは金だけ手に入れた日本人の特徴かもしれない。
飽きて手放したものの中に、大切なものがあったかもしれない。
最近、一部で川柳が流行っているが、手放した古いものの中に新しさが見出されているのかもしれない。
温故知新だ。
こんな動きも温故知新かもしれない。
「謎肉」暴露の日清は「安定的に狂っている」
若者に支持されるCMは、自虐ネタとボケと突っ込み
特に、予定調和的なマーケティングを嫌う若者に訴えるには、企業は「攻め」の姿勢を見せることが必要だ。これまで特集で連載してきたように、多くの企業が「若者に商品を売れなくなった」「若者の嗜好が見えなくなった」と嘆くようになったのは、リスクを恐れ、若者に向き合うことを止めた企業自身に責任がある。
答えは、手放したものの中にあるかもしれない。
これ、おれが言うと冗談に聞こえちゃうらしいんだよなー。大前さんのほうが、極端なこと言ってるのにねー。 https://t.co/Pn3QZV2dW3
— 糸井 重里 (@itoi_shigesato) 2017年9月24日
最近言ってることがつまらなくなったな〜と感じていた大前研一が面白いことを言っていると思ったら、実際には2015年の話だった。
21世紀は「人・物・金」から「人・人・人」へ–大前研一氏が「もはやお金は経営に必須ではない」とビジネスの変化を語る
日本がやられてる領域を見ると、全部1人の人間にやられてるんです。アメリカにやられてるという人がいますけど、間違いです。アメリカもいわゆるベイエリア、シリコンバレー+サンフランシスコ、今は。ベイエリア以外は、全部ポシャってます。
世の中には「仕事のない能力ある人」があふれている
ネット上で仕事の単価が低いライターの使い捨てとも見える雇用契約が叩かれたりしてるが、ビジネスモデルの歴史的大転換期の今は、そういうことも必要なのかもしれないと感じた。
金持ちになった日本人は、一見全ての人を幸せにすることを目指してるようで、誰も幸せにしない「予定調和」というモデルを作り上げたが、予定調和が日本国内で成立してる限り世界から取り残されていくだろう。