ごく普通に日常生活を送っている時、我々は理性と知性に基いて行動してると思っているが、そんな理性と知性を惑わせるのが感情だ。
感情に振り回される時、行動は衝動的な反応を示す、そんな行動を他人は感情的な行動と呼ぶ。
感情的で衝動的な行動を取る時、本人には理由がある、ただその判断には理性と知性が欠ける傾向が出る。
そんな事件がまた起きた。
東名高速死亡事故 車止めさせた男を自動車運転処罰法違反容疑で逮捕 神奈川県警
捜査関係者によると、男は事故現場から約1キロ手前の中井パーキングエリア(PA)の走路に車を止めてたばこを吸っていた際、すれ違いざまに「邪魔だ」と注意され腹を立てて追走。約1キロにわたってワゴン車をあおるなどした末、進行方向を遮る形で停車させ、事故を誘発したなどした疑いが持たれている。
今年の6月に起きた事故(事件)で10月に逮捕となったのは捜査の裏付けに時間が掛かったかららしい。
このニュースに接した殆どの人は、犯人に怒りを覚え、亡くなった夫婦の無念を悔やんでいると同時に、自分だったらどうしたのだろうかとも考えただろう。
邪魔な車に対して「邪魔だ」と言わなければそもそもこの事故は起きなかったかもしれないと考えると、「理性・知性 VS 感情」の業の深さが恨めしく感じる。
”業が深い”とは辞書的には、前世の因縁を意味するようだが、ここでは”どうにもならない、どうしようもない”という意味で使っている。
この事件は、怒りと怒りがぶつかりあって起きていると言える。
脳科学から「怒り」のメカニズムに迫る! カチンと来ても6秒待つと怒りが鎮まるワケ
前頭葉は突如発生する「怒りの感情」にすぐに対応できない
「人間の脳はとてもよくできていて、理由や理屈がわかると『納得できる』『安心できる」という冷静で知的な機能を持っています。
現代人が直面してるのは、この”納得できる理由や理屈”が変化してることで、トラブルが発生するということではないだろうか。
人間の脳で、怒りに関係するのは大脳辺縁系と言われる部分にある扁桃体が司っている。
扁桃体は、進化的に見るとサルの時代からのもので極めて原始的な感情に影響を与える、具体的には「怒り」「不安」「恐怖」など。
この扁桃体と対極にあるのが前頭葉で、人間が進化の過程で発達させた人間らしい社会性を支える役割りを担っていて、前頭葉は扁桃体のブレーキでもある。
老化による脳の萎縮と言うのは、前頭葉の萎縮を示すことが多く、結果扁桃体が暴走しやすくなるので、怒りや不安や恐怖をマネージメントできなくなることを意味するが、厄介なことに意識的に対処しないと、慢性的な運動不足と劣悪な食生活で、現代人の前頭葉の萎縮は低年齢化が進んでいるので、いい年をしたおかしな大人が増えることになるが、誰にでも起こりうるところが怖い。
人が怒りを抑えているときは、前頭葉と扁桃体という2つの場所が互いに活発になり、それぞれが拮抗しています。そして、怒りを抑えられなくなったとき、前頭葉の代わりに、それまで抑えられていた扁桃体が大きく興奮し始めるのです。
先日話題になった、男子高校生が先生を蹴った事件も根っこは同じだろう。
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教師に蹴りなど暴行した博多高校の生徒のその後が悲惨すぎる… ネット民怖すぎだろ
福岡地検は2日、「勾留は不必要」として加害生徒を釈放。
関係者によると、本人は精神的に相当参っており、3日付で自主退学。
「加害生徒の関係先にも学校にもイタズラ電話が殺到しているらしい。本人の退学だけでは許してもらえそうもない雰囲気です」(関係者)
蹴った生徒の行動は、一見若気の至りと思えないこともないが、出て来る情報を見ると常習性があるようで、本人自身の問題なのか、あるいは環境のなせる業なのか、いづれにせよ前頭葉の萎縮が起きているだろう。
また上記サイトを見ると、大勢の前頭葉萎縮者が湧いている様子が感じられる。
怒りに任せて、自分勝手な理屈をつける時代になっているようで、関わる人間を間違うと”後悔先に立たず”となりそうだ。
先天的な要素でなければ、前頭葉の萎縮は生活態度を変えれば改善できる。
良かれと思ってやってることや、普通だと思ってやってることが、日々前頭葉を萎縮させてることを意識した方が良い。
余談だが、どちらも福岡県民が起こしているのはなにか意味があるのだろうか?
とても他人事とは思えない自分がいる。