違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

プロ野球存続の危機が教える、『勝つ』より健康が大切になってきたということ

プロ野球の視聴率低下が顕在化したのはいつ頃だろうかと調べてみると、21世紀に入ってからだった。

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グラフの引用はこのサイト 日テレ巨人戦中継、絶滅の危機|野球報道

 

 

Jリーグの発足によるサッカー人気の台頭が、野球人気を盛り下げたと思われてるが、グラフを見ると視聴率が明らかに下がり始めるのはずいぶん後からだとわかるし、バブル崩壊後の不景気とリンクしているようにも感じられる。

 

更に最近では、プロ野球がビジネスとして存続できなくなるかもと危惧されてるということも顕在化してきた。

 

今年のドラフトで過剰に清宮人気が煽られたのも、この辺が関係してるのかもしれない。

 

1番危惧されてるのは、少年スポーツとして野球の人気が落ちていることだ。

 

野球少年激減。プロ野球ビジネスが成立しなくなる日

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3040年前まで国民的スポーツだった野球には、“時代を映す鏡”という側面があった。例えば巨人のV9は高度経済成長時代と重ねて見られ、2000年代に入るとソフトバンク、楽天、DeNAというIT系企業が球界参入を果たした。

 

ここ10年の野球人口減少は、まさに現在の日本を象徴しているように見える。

 

 

 

また、視聴率はイマイチでも観客動員数は増えているという話も、パチンコ業界の衰退を連想させるという見方もある。

 

30年前パチンコ人口は3000万人と言われていたが、2000年には2000万人になり直近のデータでは1000万人を割り込んでいるという。

(参考):パチンコホールの売上、参加人口、活動回数

 

「観客動員が増えたからといって、野球人気があるとは思っていないです。球場に来るファンの延べ人数は増えているけれど、実人数が増えていないことはわかっています」

 

 

しかし、パチンコと野球では決定的に違う点がいくつかある、パチンコ業界はかつてバブル時代に大規模に設備投資し、女性をホールに呼び込もうとしたが失敗したのに対し、プロ野球は元々オッサンのスポーツで、選手も観客もオッサンだったのだが、女性を観客に取り込むことに成功したし、オッサンだと言うのは年齢の問題というよりは見た目の問題だったが、選手も観客も見た目がスマートになった。

 

せっかくスマートになったのにスマートではないのが指導者および組織の上位に位置する人間の考え方だ。

 

少年野球で指導者が子どもを野球嫌いにさせている

今回の記事は、これ以上、指導者のせいで野球嫌いになる子どもが増えないことを願い、意見を述べたいと思います。

 

わたしの知人に少年野球のコーチをしてる人間がいるが、その知人の持論が「子供は犬やネコと一緒だから厳しく躾けて体に覚えさせなければいけない」だった。

 

 

この問題を厄介にさせるのが、”指導者を変える=そのスポーツをやめる”とならざるを得ない点で、こんなところにも日本流のガラパゴスが見えてくる。

 

 

スポーツもビジネスも勝つことを目指すことが目的になっている。

 

どちらも負けるためにやることではないので当然の話だが、では勝つとなにが得られるのだろうか?

 

多くの場合、それは”お金や名誉”だと思われるから、皆”勝ち”を目指す。

 

面白いことにと言うか、残念なことにと言うか、ものごとにはトレードオフがある。

 

勝って手に入れた”お金や名誉”と引き換えに何かを失っているのだが、そこにスポットが当たることはない。

 

プロ野球を頂点とする野球界が、お金や名誉に振り回されてる間に、裾野の少年野球が廃れ始め、観客の頭打ちが懸念され始めだした。

 

トレードオフした何かが影響した結果だろう。

 

Quality Of Life(QOL)という考え方がある。

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/クオリティ・オブ・ライフ

クオリティ・オブ・ライフ(英: quality of life、QOL)とは、一般に、ひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた生活の質のことを指し、つまりある人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念である。

 

ウィキペディアでは曖昧に表現されてるが、大きく3つの要素で人生の質が決定されるという考え方で、3つの要素とは、

 

  • 社会性
  • 経済性
  • 健康性

 

社会性は、主に人間関係や人生観を意味し、経済性はお金を意味する。

 

名誉は、社会性と経済性が交わる領域に存在する気がする。

 

幸せとは3つのバランスが良い状態を意味し、1つが突出して高くても低くても良い状態ではない。

 

ビジネスでもスポーツでもそしてアートの分野でも、過度に経済性が求められ、その経済性に社会性が振り回され、健康性は蔑ろにされる時代がずいぶん長く続いたのかもしれない。

 

この3つのバランスがどういう状態にあるかは、人それぞれだろうが、もしバランスがいびつならば、その修正が必要になるかもしれない。

 

長生き時代に大事なことはバランスの良さで、幸せはバランスの良さにしか宿らないとするならば、蔑ろにした健康にスポットが当たるのは当然だが、健康にもっとも寄与しそうなスポーツの世界では、指導者層の社会性が不十分なために健康を害したり、プロを目指すような世界では自らを追い込みすぎることもある。

 

ごく普通の生活をすることは運動不足を意味する時代になったので、健康のためにスポーツをすることは増々大切になっているのだが、やるとわかるが奥が深くて泥沼のような側面もあるので、正しい見識が問われる。