先進国の都市部で夜間の人工の光が生み出す明るさを光害と呼ぶようになったのは1980年台。
https://ja.wikipedia.org/wiki/光害
日本では、川崎市在住のアマチュア天文家川村幹夫により、「公害」の一種と捉え、敢えて同じ発音を持つ「光害(こうがい)」と命名され、この用語が広まった。
日没後も明るいことに起因する光害の問題点は大きく3つある。
- 天体観測への悪影響
- 生態系への悪影響
- エネルギーの使い過ぎ
地球温暖化対策としてエネルギー消費を削減しようとする動きは、光害に関してはLEDの進化が逆効果を生んでいるのかもしれない。
LEDを使うことによる光害が拡大しているとのことだった。電力消費の削減効果が、取付数の増大で犠牲になると同時に、光害を光害と認識しなくなっているようだ。LEDの普及によって、光を大事に使おうという気持ちが地球規模で少なくなっているのは、長い目で見ると大きな問題なのかもしれない。
宇宙から地球の夜を見ると、地上で感じてる以上に”地上は明るい”。
しかし、その明るさも変化しているらしい。
宇宙から見た夜の地球、4年でこれだけ変化した
インドは明るくなり、シリアは暗くなった、北朝鮮は? 2017.05.03
先進国の一部が暗くなるなど、簡単には説明のつかない変化も目立つ。「米国とヨーロッパが全体的に暗くなっていることに驚きました」とネルソン氏は言う。「高効率照明技術と関係があるのではないかと思います」
NASAの地球科学者で、衛星スオミNPPの夜間光データ分析チームを率いるミゲル・ロマン氏は、ネルソン氏の地図に示された変化を特定の出来事に結びつける際には注意が必要だと述べている。ある点が明るくなった場合、それはその場所が電化されたためかもしれないが、「街灯の種類が変わったことも考えられます」と言う。
地表からの観察と上空からの観察では受ける印象だけでなく、把握できる情報そのものに大きな違いがあるということが色々分かって来ているようだ。
私は、行くという意味での宇宙にはあまり関心がないので、宇宙ビジネスがもてはやされるのが”地に足がつかない”感じがしてあまり好きではないが、上空からの視点という捉え方をする場合には興味が持てるし、望遠鏡で星空を見たりするのは興味があるので、宇宙への関心はゼロではないのだろう。
ところで私がイメージする宇宙ビジネスとは、ロケットで人がどこかの星に行くというもので、延長線上に移住の計画があるという程度のもので、空気がないことが息苦しさを感じさせ否定的な意見を持ってしまう。
そう思ってるところに、こんな記事を見た。
衛星写真を解析することで、原油生産量や小売業の客足などをいち早く割り出す――。米国の投資家はSF映画のような手法を駆使して投資判断をしている。
Orbital Insightのようなスタートアップが成立できるようになった背景として、「民間衛星会社の台頭」「深層学習をはじめとするAIの進歩」「クラウドコンピューティングの登場」の三つを挙げた上で、「クラウドのパワーは本当に素晴らしい」と力説する。
Orbital InsightのようなAIスタートアップが活躍する領域は、今後は飛躍的に拡大する可能性がある。鍵になるのがドローンだ。
携帯通信網用のドローンや気球は、航空写真の撮影もできる。GoogleやFacebookの計画が実現した暁には、航空写真を使ったビッグデータ解析が、これまでよりも圧倒的に大規模かつ高頻度に実行できる時代が到来するだろう。
人が宇宙に行くという捉え方をしないならば、なかなかおもしろそうな気もする。
なんだか、食わず嫌いの感じがしてきたので”宇宙ビジネス”で検索してみると、上記の記事にある情報収集という目的以外に通信ネットワークの整備という大きな目的があるということがわかった。
宇宙ビジネスの将来は? ベンチャー台頭、官民で連携
2017/10/16
「小型衛星の打ち上げも米国は大規模です。数千基の衛星で地球をくまなく取り囲む通信網を築き、モバイル通信や、通信機能を備えるクルマをインターネットにつなぐコネクテッドカーに使おうとしています。地球上に“圏外”の地域はなくなるかもしれません」
自動運転をサポートする通信環境はてっきり地上に配備されると思っていたが、既存のGPS以上にシステムの冗長性も求められるだろうし、セキュリティ面でも宇宙のほうが高くなるかもしれない。
日本の宇宙ビジネスと言えばJAXAだが、サイトを見ても面白いことが書いてない。
なんだか日本がこの分野でも世界から取り残されていることを感じる。
ちなみに、JAXAによく寄せられる「宇宙ビジネスについて」の質問というページがあった。
画像の引用はこのサイト http://fanfun.jaxa.jp/faq/cat3/
この質問を見る限り、日本人は本気で宇宙には興味を持っていないことが伺える。
日本人にとっての宇宙ビジネスは、ロケットという乗り物ビジネスに見える。
地上で生活してると、宇宙が持つ意味をイマイチ感じ取れなかったりするが、地上で変化があるたびに宇宙から見る地球は表情を変えているし、地上では巧妙に隠蔽されてる物や事が、宇宙からは丸見えかもしれないという視点は面白いということに気付かされた。
地上で生きてると、飛行機の巡航高度10kmが縁のある最大高度だろうが、それでも宇宙から見ると地表の一部に過ぎない。
これから起きるであろう技術革新は、普及し実用に耐える運用が可能になるためには、高い精度と高度な安全性が支える安定性が求められる。
そうすると地震や噴火や津波や戦争その他の影響を受けづらい環境としての宇宙はますます魅力を増すだろう。
重要なインフラが宇宙に敷設される時代になっている。