Eコマースの世界は、”買いたい人より売りたい人が多い”と言われている。
「買いたい人」より「売りたい人」が多い時代を勝ち抜くためのヒント
ネットショップを運営していた私の実感値では、2009年の時点でEコマース業界の潮目が変わっています。「需要>供給」から「需要<供給」の時代への変化です。つまり、「買いたい人」より「売りたい人」が多い時代は2009年から始まっていたわけです。
2013年の秋。Yahoo!ショッピングは月額の出店費用とロイヤルティ(売上に対する課金)を無料化しました。
Yahoo!ショッピングの無料化は、その「需要<供給」のバランスを大きく加速させたといえるでしょう。
2015年に書かれたこの記事ではポイントになるのは『お客様の絞込』にあると見ている。
売りたい人々が集まると、”もっと売りたい”と願うのが人情だろう。
そのためには、手を拱(こまね)いているわけではなく、あの手この手で作戦を練っているのだが結果は必ずしも付いてこない。
なぜ『ドクターX』は人気シリーズになったのか? 黒田 昭彦 2017.11.30
なぜテレビ朝日はシリーズものが多いのでしょうか。それは、東映との関係によります。
テレビ朝日が続けようと思っていても、主演俳優がそう思っていなかったら続けられません。
『ドクターX』は早いうちに複数脚本家体制に変わったことで、新たなパターンも取り入れつつ長く続けられるようになったのです。
ドクターXがシリーズ物として成功している理由が挙げられてるが、ヒットしたものを分析するのは案外簡単だ。
気になるのは、分析に基いて必要な要素を満たして作られたものが上手く行かない場合の理由だ。
”ドラマ、大コケ、大惨敗”で最近1年以内の条件で検索すると、
と、出て来る。
全てフジテレビで、ヒットの鍵がキャストにあると考えていることが伺えるが、それが裏目に出ているようだ。
これらのサイトを見て、視聴率が上がらない理由として出てくる理由が下記。
主人公である貴族探偵役に相葉を置き、脇役やゲスト陣には豪華俳優陣を配するなど、フジテレビの気合が見え隠れする作品となっている。しかし、放送開始直後から「つまらない」との声が相次ぎ、2話目以降からは視聴者離れが顕著に。相葉の演技も「貴族には見えない」「下手」と酷評されており、ミスキャストが低迷の原因とする意見も多い
https://news.nifty.com/article/entame/showbizd/12216-1318017/
「要所要所で、障害者や車イスバスケにまつわる現実問題が“重い”。昨年1月期の月9ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系)みたいに暗い気持ちになる。障害をモチーフにした感動演出も、一部で指摘されているようにまるで夏の24時間テレビのよう。季節外れ感が否めず、元旦から積極的に観たいと思えるドラマではない。そこが賛否の分かれ目になったのでは」(報道関係者)
また酷評を浴びたのが櫻井の演技と体型。「ひどかったよ、演技…。途中でみるのやめたもん、嵐ファンだけど」「サッカー選手、車椅子バスケ選手とは思えぬデブさ」「司会や報道に専念してください」などと非難を集めた。
放送をご覧になった方なら、キャスティングは頑張っていると思われたのではないでしょうか。イケメン要員として高橋一生と田中圭。話題作りにトレンディエンジェルの斎藤司が出演、脇を再ブレイク中の石田ゆり子、古田新太、余貴美子、大澄賢也といったベテランの面々が固めています。ですが、はっきり言って、脚本がひどいんです。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171030-00532055-shincho-ent
ヒットを狙うためにキャスティングを重視するのは、放送がスタートする前に見たいと思わせる作戦なのだろう。
これは、番組宣伝などの事前告知に依存する気持ちの現れかもしれない。
いわば予約で売りさばくという発想に近いかもしれない。
しかし、上記の視聴率が上がらない場合の評価を見ればわかるように、予約客が不満を感じたらそこで終わりなのだ。
最初のお客を繋ぎ止め、さらに口コミその他のプラス要素が生まれるためには、脚本の良さや、役者の体型まで含めた演技力などのリアリティの演出が必要になるのだ。
一言で言うなら『期待値を上回る』ということだろう。
Eコマースに求められる『お客様の絞込』と共通するかもしれない。
絞り込んだお客様を想定し、そのお客様の期待値を上回れば、リピートと口コミが生まれる、口コミを聞いた人はもともとの期待値が無いかあっても低いので、見たり買ったりすれば満足度が上がる可能性が高い。
お客様を増やしたければ、目に見えるお客様の満足度を上げるというアプローチが良いのかもしれない。
最近では、”炎上”や”バズる”が重要だと勘違いされてる傾向が強いが、いきなり不特定多数を意識するより、不特定多数は特定少数の背後にいて普段は見えないが、特定少数の口コミを受けて顕在化してくるのかもしれない。
商売の世界では、不特定多数を相手にしようとする時、接客というおもてなしをしようとするが、多くの場合裏目に出る、フジテレビのドラマのように。
デパートは「接客能力を上げておもてなしを強化する」とか言ってるけど、消費者の多くは「デパートで服を買おうとすると、すぐ店員に話しかけられてウザイからネットで買うようになった」とか言ってる。
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) 2017年11月22日
てか、そうやって「買わされた」客が次からはデパートに近寄らなくなり、どんどん売上が減ってきたのが過去10年以上にわたり起こっていることです。 https://t.co/B1syp7jvXY
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) 2017年11月22日
一方、高級ブランドの世界では、
高級品ビジネス成功の鍵は「接客」にあり ~スーパーブランドに学ぶ~
以前、エルメス銀座店を訪れた時の話。何気なく香水のコーナーで立ち止まって見ていると、上品な雰囲気の販売スタッフの方が、さりげなく声を掛けてきた。「この香水の色は、“地中海”の青い海をイメージしています。」
ただの青ではない。“地中海”の青である。この何気ない一言をキッカケに、フランス好きの筆者は、エルメスの世界に引き込まれてしまった。そして、“付かず離れず”の上質な「接客」の中で、心地よい時を過ごすことができた。
スーパーブランドは「右脳商品※」の代表である。論理的な価値判断よりも、好き・嫌いで、購入するか否かが決まる傾向が強い。つまり、“感覚”に訴える仕掛け作りが重要な商品である。
10年以上前の話で、ちょっとカッコ付け過ぎな話であるが、本質は外してないと感じる。
ドラマの話に戻ると、お客様の絞り込みに成功し、期待値を上回ったためにヒットした見本になるドラマがある。
ドラマ「逃げ恥」ヒットの興味深い現象とプロデューサーが語った話
「逃げ恥」は、回を重ねるごとに口コミが広がり、普段ドラマを見ていない層に波及していったという点では、TBSの「半沢直樹」のヒットに似たパターンだ。
「ドラマの部署に来てから、いろいろなドラマを見るようにしているのですが、見てみると面白いドラマがたくさんあるんです。でも例えばラブコメと聞いた途端に、見るとか見ないとか決めてしまう人もいます。面白いドラマであっても、そもそもドラマを見ない人にはなかなか届かない。そういう人たちに面白さを知ってもらうためにはどうしたらよいか、今回はそれを考えて、いろいろな工夫を行いました。『恋ダンス』もそのひとつです。
注目すべきは、ドラマというのは見る人がある程度固定しているため、普段見ていない人に訴求するために接触ポイントをいろいろ考えたという話だ。
「逃げ恥」が流行ったのはちょうど1年前で、残念ながらわたしは1度も見ていないが、恋ダンスは知ってるし、その動画は何度か見た。
ヒットの秘策は、お客様の絞り込みを行い、期待値を上回ることにある、何をどうするかは、人それぞれのお楽しみだ!