今朝、朝の情報番組(ローカル)を見ていて、最新のファッション業界の事情として、体にフィットするためのサイズの多様な展開合戦が始まりだしたと言うようなことを短く特集していた。
その番組では、ある店の女性用のサイズが13種類あると言っていた。
よくある体の大きな人向けではない。
そこで思い出したのがこれ。
ゾゾタウンが採寸ボディスーツ「ゾゾスーツ」に託す狙い
2017年11月29日(
「圧倒的な速度で世界中に配りまくり、体重計や体温計のように一家に一台の存在にする。世界中のお客様の体型を最も知り尽くした企業となり、データを元にひとりひとりにピッタリの服を提供する」
スタートトゥデイの前澤友作社長は自身の誕生日に当たる11月22日、自身のツイッターでこう宣言した。
ファッションECサイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するスタートトゥデイのPB(プライベートブランド、自主企画商品)が、11月末にゾゾタウンで発売される。それに先立ち、体型を瞬時に採寸できるボディスーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」の無料配布の予約受付を開始した。
今ゾゾスーツってどうなってるのだろうかと検索すると、注文したのに届いてない人が圧倒的に多い様子で、ネガティブな動きも起きてるようだ。
【速報】ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)の返金祭りが起こっている模様
ファッションの世界が体型にフィットするという価値観に活路を見出す方向に舵を切り出したような気がする。
ファッションに大きな関心があるわけではないが、すべてのビジネスと共通するトレンドの演出には興味があるし、ファッションはファッション業界だけの理屈で動いているわけではないというような気がする。
あまり昔に遡ってもずれた話になりそうなので、ユニクロがフリースで一躍有名になった頃から振り返ってみたい。
フリースは、暖かく、軽く、速乾性があるので、冬のアウトドアウェアとして使われていた、素材はペットボトルのリサイクルと言われていたが、販売価格はその加工が大変なのでかなり高価だったし、デザインもアウトドア向けなのでタウンウェアには向かないものが多かった。
フリースが認知され出した頃、オートバイに乗ることが好きだった私は、素材としては注目していたが、デザインと価格で手を出さなかった。
ユニクロがフリースを扱いだしたのは1994年からだが、世間に認知されたのは1998年からで私が知ったのもその頃。
驚いたのは、1980円〜2980円が売れ筋という価格。
私が知ってたフリース製品は4〜5万円が当り前だったから。
価格ばかりが注目を浴びたが、ユニクロは従来のショップと違い、商品の見せ方が上手だった、上手さはわかりやすさだった。
デザイン、色、サイズが一目瞭然で、店員のアドバイスを求める必要がなかった。
ユニクロは、価格破壊を起こしただけでなく、商品ラインナップとその陳列などの見せ方を変えた。
そして最も大きな影響は、値段の安い服でも充分だと思わせたことで、逆に言うと実質が伴わない高級ブランドを無価値化させたことだ。
ビジネスである以上、付加価値を付けて高い値段を付けたり、買い替えが促進されるような展開を目指すのだが、従来だったら流行色や流行のデザインで勝負していたが、それに素材の進化が加わっていった。
最近では、流行色という仕掛けで動くことはずいぶん減ったような気がする。
私が関心ないからそう見えるだけかもしれないが。
そんなファッション業界の起爆剤が、サイズになりそうだ。
「ゾゾスーツ」無料配布の狙いとアパレル業界に及ぼす影響とは? 2017年11月29日
一見して、ルーズな着こなしでは、サイズはあまり関係ない様に思いがちだが、ヒップや渡りのサイズはボトムをカッコ良く穿きこなす上では重要である。また、肩や身幅はコーディネート志向ではボトムとのバランスで決まることもある。それが自分のヌードサイズを知ることにより、ネット通販のサイズ表示においても微妙な差がより明確にわかる(イメージできる)ことになる。
効率化はビジネスの肝であるのは確かだし、新しいマーケットを掘り起こすには挑戦やイノベーションも欠かせない。ゾゾスーツはその両方に一石を投じることは間違いない。どう転ぶかはやってみないとわからないわけで、死に体状態のアパレル業界にとって、そこから抜け出る何らかのきっかけになってほしいと切に願う。
サイズが合う服を着てるか、着てないかということは、その人の社会の属性を示すようになるかもしれない。
そうなると、単純に趣味の問題とは言ってられない。
そうなると、ファッション業界は、サイズの多様化に対応できないところは淘汰されるだろう。