神奈川)「つばめ」後継船、重すぎて速度出ず…納品断念 :朝日新聞2018/01/26
川崎市は25日、老朽化した市の巡視船「つばめ」(約28トン)の後継船が完成したものの、船体が重すぎて市の求める速度が出ないため、業者との建造契約を解除すると発表した。当面、「つばめ」を使い続けるという。
40年以上にわたって、川崎港の安全を守ってきた巡視・旅客船「つばめ」の後継船として、平成28年4月から建造を進めてきた新造船「かもめ」につきましては、当初、平成28年度中の就航を目指しておりましたが、今般、受注者から、仕様書に定める速力を確保することが不可能と判断して納品を断念する旨の申出があったことにより、残念ながら就航できないこととなりました。
また、日本の技術の劣化を示す記事かと感じる人も多いかもしれない。
ここで注目すべきは、『受注者側から納品を断念する旨の申出があった』と言う点だ。
船の世界には、船は設計図通りには完成できないという通説がある。
造りながら絶えず設計変更され続けるということを示すとともに、サイズが大型化すると形状やサイズは同一にできても、スペックを同一にすることには困難が付きまとう。
日本に、航空宇宙産業が育ちづらいのはこの辺も関係してるだろう。
大型で精密な精度が要求される場合、小型軽量な場合無視できる要素が物理的な障害となり立ち塞がって、望んだ性能を達成する事が非常に難しくなる事もあり、受注者よりも発注者側の方が厳しい目を持っているということを示している。
船のサイズが大きくなればなるほど当てはまる。
上記の記事では28トンという小型の船だが、巡視船と言う事で発注者側が妥協する要素が全くないことから起きた事だ。
日本の物作りの劣化を示す出来事が増えてるが、物作りの劣化を招き助長してるのは、発注者やエンドユーザーの目が節穴になってるからだとも言える。
問題が起きてから対応するので、騙されたとか、詐欺だとかと騒がれるが、そうさせたのは自分かもしれないと言う視点が欠けているように見える。
船を造るには使用目的にしたがって根本方策を確立しなければならない。 この初期設計で一番大切なことは,「法外に欲ばらぬ」ということである。ごく平凡な話であるが実際はなかなか難しいことで,知らず知らずのうちにとんでもないあやまちを犯すことが多い。
大量生産される同一製品に慣れた現代人には、オーダーメイドは特別なものであり、日常的には服や住宅ではイメージしやすいが、その場合でも使われる部材は大量生産されてるものである場合も多い。
そういう意味では、船は同じように見えても同じものが無いというのはイメージしやすい。
さて図面の信憑性について少し書き留めます。図面に限らず史料は「一次資料」、「二次資料」「三次資料」……と分類がなされています。一次資料というのは原典のことで、艦艇図面の場合は海軍が保管している図版のことです。旧日本海軍については敗戦時に多くを焼却処分してしまったのですが、技術者の方がこっそり残したものをはじめとし、それなりの数が残っています。艦艇図面は、一般に青焼きと呼ばれる光に弱いデリケートな印刷がなされていることもあり、原版は博物館や資料館、研究家が大切に保管しているため、目にする機会は皆無です。
博物館的定義に則ると、一次資料は「実物」でありストックとしての情報を保有しており、二次資料は「複製・映像・写真・解説」でありフローとしての情報を保有しています(金山, 2003)。すなわち旧海軍艦艇研究にとっての一次資料は艦艇そのものにほかならないのです。
現代社会で生きてる人の多くは、コピペでなんでも出来ると思ってる人が多いが、コピペに馴染まないものもまだまだ多い。
コピペすれば全く同一になるという分野の閉塞感が強まり、陳腐化していく。
『それは、ノウハウだから教えられません』と言うような場合、ノウハウだと思ってることは単なる情報に過ぎない場合がほとんどだ。
本当のノウハウとは、知っているだけでは再現できないものを意味するので、教えてもそれだけでは真似できない。
単なる情報で終わるか、ノウハウにまで高められるかの違いは、ほんの僅かな気遣いの差なのだが、生産性や効率を求めるとその気遣いができなくなる。
要求されるレベルを達成するために、想定されるリスクをどのように回避するかというようなことも、基本的な気遣いが出来るか出来ないかというわずかな差が大きなノウハウの差につながる。
コインチェック経営陣、しどろもどろの謝罪会見。社長が筆頭株主なのに「株主と相談します」(全文)
26日午後11時30分過ぎからの会見で、和田氏、大塚雄介COO(最高執行責任者)には厳しい質問が飛んだ。
2人は「セキュリティは最優先にしてきた」と釈明したが、安全性の高いセキュリティシステム「マルチシグ」をNEMに実装していなかったことを報道陣が追及。「セキュリティが甘かったのでは」「お客さんが納得すると思うのか」と質問が相次いだ。和田氏や大塚氏が答えに窮し、沈黙してしまう場面もあった。
――御社がどうして狙われたというところ。ほかの取引所よりもセキュリティが甘く、狙われたという認識はないのか。
大塚氏:ぬかりございません。我々としては、セキュリティを高くやっておりましたので、我々のセキュリティが低かったから狙われたという認識ではございません。
――NEMの保管で、ウォレットなんかマルチシグでちゃんと鍵をかけて保管していたのか。
大塚氏:この部分に関しては、マルチシグを行なっておりませんでした。
――マルチシグを行なっていないということは、それはセキュリティが甘いということじゃないか。
大塚氏:そこの準備に至れてなかったというかたちです。
――でも、その準備に至ってないというのは、結果的にこういう被害を引き起こしているわけで。ほかのウォレットで、マルチシグなんて世の中的には普通にやっている。それができていないとなるとセキュリティ不足では。
大塚氏:...。
――顧客の資産を預かる立場として「できてなかった」ということは、結果的にこういう事態を引き起こしているわけで。結果的に「セキュリティが甘かった」と言われて仕方がないのでは。
大塚氏:えー...そうですね...。
(10秒ほど沈黙)
――顧客は御社を信頼して通貨を預けている。信託を受けて預かっているわけで、例えば金融庁に届けてるとか届けてないとか関係なくても、お客さんの資産を預かる立場として「できうることはなんでもやる」のが普通の会社としての使命では。
大塚氏:おっしゃる通りでございまして...。
――マルチシグがなかったということは、結果的にセキュリティが甘かったのでは。
大塚氏:うーんと、お客さんから資産を預かっている立場として、やれることは全てやる。おっしゃる通りでございます。我々としては、やれる時間と配慮の中で、やれることを全て、できる限りやっていた。
――マルチシグの対応は、一応その御社のロードマップにはあったのか。
大塚氏:もちろん、ございました。
――実装する予定は、今の段階ではいつぐらいを目処にローンチする予定だったか。
大塚氏:ほかの優先順位が高いところもございまして、「いつ」という具体的な見通しがついていたわけではございません。
――それが、結果的にこういう自体を引き起こしているわけで、やっぱりセキュリティが甘かったのでは。
大塚氏:...。
――今の説明でお客さんが納得すると思うか。
大塚氏:...。
(30秒後ほど沈黙)
大塚氏:そうですね。結果的に、私たちのお客様に迷惑をかけてしまったことについては、深く...申し訳ないと思っております。
『色の白いは七難隠す』という諺がある。
色白の女性は顔かたちに多少の欠点があっても、それを補って美しく見えるということを意味する諺だが、全てのことに当てはまるかもしれない。
外面の体裁や表面の数字だけを追い求め、肝心なことが疎かになる、そういう行動が広い意味でのブラックになる。
外見に惑わされず、色白なものを選択すべきというのは現代社会のエコシステム(生態系)の教訓だろう。