ビジネス書のコーナーに行くと"PDCA"に関連した本は相変わらず多いが、PDCAに則ってビジネスを展開してる一部の人がPDCAが効かなくなっていると声を上げ始めている。
PDCAがうまく機能しない場合のケースとしてよく語られるのは下記のようなケース。
①PとDはあるけどCとAがない(その行動がPDCAだと思い込んでいる)
②改善を急ぎすぎる
③計画倒れしてしまう
その対策として
①目的・目標の設定を明確にすること
②定期的にチェックすること
③レポーティングすること
このような意味合いでのPDCAが効かなくなっているのではない。
PDCAとは、P(plan=計画)、D(do=実行)、C(check=確認),A(action=改善)で、第二次大戦後アメリカの生産現場で提唱され始めた手法で、トヨタが完成させたと言われる手法だ。
トヨタが世界に広めたKAIZEN(改善)はトヨタ流のPDCAだ。
そのせいか、日本ではPDCAをやれば間違いないと信じてる経営者が大勢いる。
しかし、そもそも計画(P)が立てられなくなってきているという話が増え始めている。
P(plan=計画)が有効なのは既知のことに対してであって、未知に向かう場合は別だ。
同様に、ビジネスの世界でエリートに必須だともてはやされたMBA(経営学修士)も役に立たないと言うことがバレてきている。
PDCAやMBAには共通して前提にしている条件があるが、その条件が前提にできなくなっているのだ。
その前提とは、お客はどこにでもたくさんいるということだ。
ビジネスの基本で最大のハードルが、如何にお客を見つけるかなのに、"いるのが当然のお客"に何をするかをP(計画)を立てたり、学問として研究したりするのだから、役に立つわけがないのだ。
P(計画)やMBA的な発想が成り立つためには、予定調和が成立する必要がある。
未知の要素が増えたら予定調和は成立しない。
人体から宇宙まで 情報資源、世界を一変(データの世紀) 日本経済新聞 2018/4/2
「宗教や民族や国家といった従来の枠組みに代わり、情報を軸とした新たな世界秩序の構築が始まる」。
慶応義塾大学の山本龍彦教授は、そう予言する。
その行き先を、まだ誰も知らない。
変化は連続的にしか起きないので、すべてはつながる。
全く知らないことや、想像できないことが起きるわけではない。
変化が起きると、"同じ"でなくなる、似てるけど違うものになる。
変化の最初はそういうものだ。
"人の数だけ生き方がある"と軽くことばにする割には、自由な生き方には不寛容なところが日本人は特にある。
そういうところは最近は欧米にも見られる。
グローバル化が作り上げた大量生産、大量消費は、価値観の同質化という文化を助長させたのだろう。
これから起きる変化は、"違って良い"、"違うから良い"という価値観につながるだろう。
品質が悪いのは論外だが、"評価は人それぞれ"に向かうだろう。
日本では、生き方に多様性があった時代として江戸時代をお手本にすべきだという意見が最近増えている。
江戸時代は、経済成長なんか全く無縁だが、平和でもあった。
そんな江戸時代にはこんな言葉が生まれたとされる。
【林先生が驚く初耳学】「べっぴん」の由来は愛知県のうなぎ店の看板!言葉の意味を知れば「すっぴん」だと言えなくなる!?
江戸時代にうなぎがブームになり始めた時に「特別な品がありますよ」と別の品の意味での「別品」と使ったそうです
特別品からきた言葉である「別品」は後から転じて「美しい人」という意味で使われるようになり字も変化して「別嬪(べっぴん)」となりました
べっぴん(別品)には、"少し違うけど、これ良いでしょう"というニュアンスがある。
いろいろな分野でオーダーメイドが広まっている。
既製品では満足できないからだと言われているが、そんな大げさなものを求めているわけではないかもしれない。
求めているのは、"少し違うけど、これ良いでしょう"かもしれない。
少し違うことが、大きな違いを生むかもしれない。