"メリハリをつける"という言葉がある。
おそらく「メリ」+「ハリ」なんだろうなということは誰もが感じてるだろう。
検索すると、
「メリハリ」は、邦楽用語である「メリカリ」が転じた言葉だそうです。
「メリカリ」とは、 微調整して音を低めることを「減り(めり)」、高めることを「上り・甲(かり)」と呼んでいた邦楽用語で、現代では、主に尺八などの管楽器で使われています。「減り(めり)」は「減り込む」など、一般的にも使われていた言葉ですが、「上り・甲(かり)」は邦楽以外で使われることがなかったため、一般的には代わりに「張り」を使って「減り張り(めりはり)」と言うようになり、「音声を緩るめることと張り上げること」を意味するようになったそうです。
"「メリ」⇔「ハリ」"と、対をなす言葉で、同種のものに、
強弱
高低
などが検索すると出て来る、"飴と鞭"なんていうのも出てくる。
あまりにも当り前すぎて見過ごしがちになるが、これらの対をなす関係は、"同じ"事の上に生じる関係性の対であること。
違うものの上で、"対"を設定しても意味が無いかもしれない。
現代人は、仕事とプライベートを切り分けて考えることが増えているが、一部の人は仕事とプライベートを一体化させている。
良い悪いの話ではなく、同じように生きていても、正反対の価値観が生まれることがあるかもしれない。
そう、ストレスは必ずしも悪者ではない、というのが現在の定説なのです。
ストレス(=緊張)は、単独で語られることが多いが、これも対をなすもので、反対はリラックス(=弛緩)だ。
ストレスが悪者になる時は、おそらく対をなすリラックスが不足してるはず。
もっと大事なことは、ストレスとリラックス(緊張と弛緩)は同じ舞台上に必要になるということ。
仕事で抱えたストレスを、プライベートのリラックスで解消しようとしても、根本的な解消にはならない、おそらく問題を先延ばしにするだけだ。
しかし、世の中は若干逆行気味に見える。
裁量労働制の話だ。
今年の国会での成立は見送られたが、その考え方が否定されたわけではなく、目先の選挙対策であり、人気を意識しただけだ。
その本質は、経営側は社員に緊張を強いることが生産性を高めることだと思っているようで、社員にリラックスを提供する気が無さそうであることには変わりがない。
欧米の本当の事情はよくわからないが、裁量労働制も日本流ガラパゴスになる予感がする。
僕の場合は自営業者なので、本当の意味で「裁量労働制」である。仕事を入れるのも入れないのも、僕が僕自身の責任において決めることだ。だから僕のカラダが闘う相手は、僕のココロの中にある強欲だけである。
だが、会社に雇われて働く人たちはどうか?
仕事とプライベートの切り分けをする人としない人とでは、ストレスのあり方も、それを解消するためのリラックスのあり方も変わって当然だが、おそらく世間の多くの人はその区別をしていない。
仕事とプライベートの切り分けをする人の場合、仕事上のストレスは、本来は仕事上のリラックスと相殺関係にある、プライベートも同様だ。
しかし、ブラックなる言葉が広まった頃から、仕事のストレスをプライベートで"解消"するということが増えたような気がする。
しかし、この対処法では問題を解決するのではなく、先延ばしにする効果しか得られないだろう。
高野山僧侶の労災認定 宿坊の連続勤務でうつ病 2018/4/7
代理人弁護士は「修行であって労働ではないとされてきた僧侶の仕事が、労働と認められたという点で意味のある認定だ」と評価。
寺院側の代理人弁護士は「コメントできない」としている。
このニュースを知って考えたことは、現代人がさも当然だと考える"仕事とプライベートの切り分け"ということは実際には可能なのだろうか?、ということだ。
すごく不自然なことをしようとしてるのかもしれない。
そう考えると、"仕事とプライベートの切り分け"という作業自体がストレスを作っているかもしれない。
このストレスは、どこで解消すれば良いのだろうか?
"仕事とプライベートの切り分け"と言うのは、かなり無理がある。
仕事とプライベートを分けるという考え方が生まれたのはいつ頃かを調べようと色々検索するがなかなかズバリがわからない中でこんなことを思い出した。
平成に元号が変わった翌年の7月、あの「24時間戦えますか?」の曲を使ったテレビCMの放送が始まると、商品の認知度が急上昇。時任三郎さんがふんする白いスーツのビジネスマンがさっそうと海外出張に飛び立つCMはお茶の間の話題となり、CMソングを収録したCDは60万枚を売り上げました。キャッチフレーズは流行語大賞の銅賞にも選ばれ、バブルを象徴する商品になりました。
リゲインのキャッチフレーズも平成3年には「24時間、戦うあなたに」に変更。
CMでは、佐藤浩市さん演じるビジネスマンが居眠りをしているうちに駅を乗り過ごして大慌てという場面が描かれています。企業のリストラや破綻が相次ぐ中、ビジネスマンが先の見えない「疲労感」と戦う時代になっていたということなのでしょうか。
リポビタンDといえば、筋骨隆々のイケメン俳優が「ファイト一発!」と叫ぶテレビCMが印象的ですよね。
しかし、今、筋骨隆々の男たちは姿を消し、かわりにプロのスポーツ選手や人気のユーチューバーが登場します。「Have a Dream」というコンセプトのもと、爽やかなイメージに一新し、栄養ドリンクを敬遠している若い世代にも浸透させようとしているのです。
栄養ドリンクというジャンルは、もともと海外にはなく、日本のメーカーが生み出し、市場をつくりあげたものともいわれます。しかし、今、若い世代の人たちの人気は、海外メーカーの「レッドブル」に代表されるエナジードリンクと呼ばれる飲料に流れているといいます。
栄養ドリンクのCMの変遷は、日本の現状をわかりやすく説明してることに気付く。
そして、もう一つ気付くのは、日本という国は、未だにバブル景気の時代を追い求めてるんだろうなということ。
これまで似たような話をフジテレビの凋落ぶりを語る時に目や耳にしたが、今ひとつピンとこなかった。
仕事とプライベートの切り分けという考え方は、あまりにも多くの時間を仕事(=会社)に拘束されてるからこそ生まれた発想だろう。
長時間労働が、うつ病や自殺の原因になることを知っている現代人が長時間労働を受け入れるのは、そこにしがみつくしかないという閉塞感も大きく関係しているだろう。
『赤信号皆で渡れば怖くない』の心境だろう。
しかし、どうせ赤信号を渡るんだったら、嫌なものに「NO」を突きつける方が精神衛生上良いと思うが、そういう人はまだ少数派なのは今が過渡期だからだろう。
まだ24時間戦うつもりですか?