違う見方

これから時代はどう変化するのかを時事ネタを交えて考察。考える際のヒント。気付くためのヒント。時には詭弁を弄します。今書いてることと、以前書いた内容が食い違う場合は、遺言と同じで新しいものが私の考えです。

事前に情報を調べる?

インフォームド・コンセントという言葉がある。

 

一般的には医療の現場で用いられ、"事前に十分に知らせていたか"が医者側に求められ、"知らされた内容に同意していたか"が患者側に求められるというものだ。

 

不動産売買の世界には、『瑕疵(かし)担保責任』ということばがある。

 

目に見えない(見えづらい)欠陥があることを知っている場合、そのことを買い主に伝えなければならないという責任で、欠陥があってもそのことを知らない場合は免責される。

 

相手にとって重要な事実は、往々にして自分にとって不利な事実となるのが、契約や取引の場には付きものだ。

 

だからこそ、当事者には良心が求められる。

 

専門用語では、善管注意義務と言い、「善良な管理者としての注意義務」という意味で、売り買いの場では売り主に課されるが、買い主にも同じ意識が必要だろう。

 

 

命や大金に関わればこそと思われがちだが、こういう考え方は、あらゆる契約や取引の場では避けては通れない要素となる。

 

では、日常生活の中で多くの人はどのような行動を取っているだろうか?

 

 

野村総合研究所(NRI)は、生活者調査として3年に1回の「生活者1万人アンケート調査」と毎年の「生活者年末ネット調査」を行っている、1万人アンケート調査の最新のものは2015年なので、できるだけ新しい情報として2018年の1月に発表された2017年の年末調査を取り上げてみたい。

 

この中から印象に残った最近の傾向を抜粋すると、

 

NRI「生活者年末ネット調査」 - Nomura Research Institute 2018/1/30

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必要な情報は、広く求めるというよりは、自分なりの信頼できる筋がもたらす情報を参考にし、一人で行動するというスタイルが増加傾向にあるように感じられる。

 

最近の風潮として、つながりをアピールすることが多いが、表面的にはそうでも、実態は少し違ってきてるかもしれない。

 

よく言われる「〇〇疲れ」の反動かもしれない。

 

 

 

 

人間は学習する生き物で、失敗したくない、失敗は繰り返したくないと考える。

 

だからこそ『事前の情報』を集め分析し、失敗の確率を減らそうとする。

 

しかし、それにも関わらず『事後の現実』は思い通りにならないことも多い。

 

商売の世界では、これが売れると事前にわかってるものはほとんど無く、結果的に売れたものにウンチクが付いて回る。

 

事前の情報集めがあまり効果がなければ、情報を集めて振り回されるよりも自分流でいいやと考える気持ちはよく分かる。

 

だからだろう、定番化した事前の情報とは違う動きも増えている。

 

これが、多様化(ダイバーシティ)という現象ならば、あきらめに近い気持ちも含まれてる気がしてきた。

 

こんな話がある。

 

メルカリが上場 買い注文が殺到 意外な影響も… 2018/6/19

そしてフリマ人気は今、意外な方向へと広がりつつある。包装資材を専門に扱う店では近年、ラッピング用品の需要が増しているという。靴やバッグの修理を請け負うチェーン店では、フリマアプリの登場以来、需要が急増。修理工場の人員を5年間で3倍に増やしたという。

 

自分が欲しいものや使いたいものを買うのだと思っていたが、どうやらプレゼントやギフトなど他人にあげるために買うという需要もあることがわかる。

 

プレゼントするものだったバレンタインのチョコレートが今や自分のご褒美になっているのと逆の動きだが、動機に共通性が感じられる。

 

高いものは自分のために、安いものには、センスとアイデアを加味してオリジナリティを演出というのは、遊びとしては楽しいものになりそうだ。

 

 

少し毛色の違う話になるが、日本人は特許が好きだと言われている(いたと過去形かも)。

 

"特許を取って億万長者になろう"という合言葉があったような気がする。

 

しかしそれと同じくらい、"特許を取ってもそれだけではダメだ"とも言われていた。

 

その特許を活かせる商品を作り、その商品がヒットしなければ特許単体では何の役にも立たないからだ。

 

だから、特許を活かして新しい何かを始めるよりも、特許を高く売ることを考えるようになる。

 

そんな少し前の特許に夢中になっていた人々と同じメンタリティを持っているのがスタートアップと呼ばれてる人達だ。

 

スタートアップ、上場より大企業に売却 初の逆転 日本経済新聞 2018/6/21

日本のスタートアップ企業が、成長資金の確保や市場開拓を狙い大企業による買収を選ぶ動きが広がっている。

 

スタートアップは一般的に短期間で急成長を目指す未上場の若い企業を指す。米国ではスタートアップが投資を回収する「出口」の9割がグーグルなど大企業によるM&A(合併・買収)だ。一方、日本ではIPOが主軸だったが、通年でもM&AがIPOを上回る可能性がある。

 

 

 

本当にやりたいことは、新しい何かを作ることで、そこに向かって情報を集め、行動していた人や企業が、"新しい何か"を諦めるということが増えている。

 

合理的な行動に思える"事前に情報を集めるという行為"は、報われるとは限らないという意味での、悲劇と喜劇を生む。

 

報われるとは限らないならば、知らないほうが良いのではと考えてる人が増えているかもしれない。

 

しかし、そうだとしても私は知る方を選びたい。