違う見方

これから時代はどう変化するのかを時事ネタを交えて考察。考える際のヒント。気付くためのヒント。

キャズムとバカの壁!

キャズムという言葉を知った。

 

この言葉を知った事で、今までモヤモヤと言葉にしづらかった思いがうまく繋がるような気がした。

 

 

キャズムとは、1991年に出版されたハイテク分野におけるマーケティングの本で、調べてみると一部の世界では熱狂的に支持されてる話のようだが、汎用性は感じられない。

 

キャズムとは何かは、上記のツイッター内にリンクが貼ってある永江さんのエントリーがわかりやすい。

 

ハイテク製品に対する人間の行動の仕方は5つに分類できるが、その境界には大きな裂け目(chasm)があり、意識の高い人と低い人が決して交わらないような分断があるという話だ。

 

 

このキャズムは、ハイテク分野やマーケティングの世界の意識の高い人の間で共有されていた考え方のようだ。

 

私は、この言葉に全く記憶がないということは、意識の低い生き方をしてきたからだろう。

 

誰でも、行動も会話も全く噛み合わない人が存在する不思議や、会話は成立するのに行動が一致しない人が存在する不思議に、遭遇したことがあるだろう。

 

コミュニケーションの問題なのかなと思っていたが、そんな人達との間にはキャズムがあるのだ。

 

Google Trendsでキャズムを見ると、

 

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2006年3月にピークがあるが、調べてみると、梅田望夫さんの「ウェブ進化論」という本が話題になっており、キャズムを超えたと取り上げられていた、凄く狭い世界の話のようにも感じるが。

 

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しかし、その後の変遷を見ると、生き残ったのは「キャズム」のようだ。

 

このキャズムは、検索されてるトピックやキーワードを見ると、意識高い専門性志向が感じられる。

 

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また、このキャズムに関心を持ってるのは都市部の人だとわかる。

 

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コミュニケーションの問題とは別の、属性や価値観の違いから分断が生まれてるというのが、キャズムのテーマなのだが、これって何かに似てる気がする。

 

「話せば分かるなんて大嘘!」でベストセラーになった"バカの壁"に似てる気がする。

 

 

キャズムは、ハイテクに関係するマーケティングから生まれた考え方で、バカの壁は、ごく普通の一般人の生態を扱った話で、対象が違うのだが、共通点を感じるところが面白い。

 

ちなみに、上記のGoogle Trendsに"バカの壁"を加えて比較すると、

 

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"バカの壁"のピークは、2004年2月だが、2003年に出版されたこの本は2004年2月までに311万部売れ、大きな話題になっていた。

 

流行りを過ぎた後の動きが似てるような気がするのは、気のせいだろうか。

 

ちなみに、トータルで400万部以上売れたバカの壁だが、興味を持ったのはキャズムと同じく都市部の人だけなのだ。

 

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キャズムやバカの壁のせいで生じてる分断があるということに、気付いてる人が増えているはずだが、気付いた人々はどう行動を変化させるのだろうか?

 

 

データですべてわかると盲信する「バカの壁」 養老 孟司:解剖学者,新井 紀子:数学者 2018/7/6

養老:利口な患者さんはね、薬を飲まないんです。大変な病気をしたおばあちゃんのベッドを掃除したら、それまで出してた薬が全部出てきたって話がありますよ。ぼくも薬は飲みません。「血圧は?」って聞かれるから、「ありません」って答えます。「測ったことありません」の省略です。

 

新井:この間、とっても面白いビデオを見ました。アレクサっていうAIスピーカーがあるんですけど、「電気つけて」とか、「新井さんに明日の待ち合わせ8時に変更してくださいってメールしといて」とか話しかけるとやってくれるっていう。そしたら、オウムを飼ってる家があって、そのビデオですけど、オウムがまねして「アレクサ、電気消して」って言うんですよ。電気が消えるんです。笑えるでしょう。そのうち、オウムの命令で勝手にメールが送られたりするんですよ、きっと。

 

 

 

 

養老:人間ってちょっと変わった生き物で、バーチャルで生きていけるんですよ。いわゆる現実から離陸しちゃっても。だから、多分、平気だと思いますよ。もともと、そうでしたから。

 

 

 

新井:でも、やっぱり無理しているところはありませんか。

 

(中略)

 

でも、今は、宇宙の中にたった1人でポツンといるみたいな感じになっている人が多くて、お互いさまじゃなくなっている。そういう感じがします。

 

 

キャズムでは、人間を5つのタイプに分類している、意識の高い順に示すと。

 

 

1.イノベーター(全体の2.5%)

 

 

2.アーリーアダプター(全体の13.5%)

 

 

3.アーリーマジョリティ(全体の34%)

 

 

4.レイトマジョリティ(全体の34%)

 

 

5.ラガード(全体の16%)

 

 

 

パーセンテージの数字はともかく、この5種類に人間は分類されるが、注意しなければいけないのは、一人の人のすべてのことに関して当てはまるわけではない。

 

こだわりを持ってることに関しては、人はイノベーターになれるが、こだわりがなければレイトマジョリティに納まることもあるし、全く興味がなければラガードになる。

 

同じ人の中にも、異なる複数の要素が存在することになる。

 

あるテーマに対して、自分がどのタイプなのか、相手はどのタイプなのかを、しっかり理解しなければ、コミュニケーションが全く成立しなくなる。

 

「ああ、あいつはバカだから」と思っても、思われても、良いことはないだろうが、最も大きなキャズムが存在するのは、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間らしい。

 

このキャズムの話を知って、目からウロコのような気になったのは、最近起こる炎上について。

 

キャズムが間に存在する相手に、正攻法でアプローチしても多分伝わらない、それを突破するために炎上マーケティングが用いられてるのかもしれない。

 

もちろん試行錯誤の一環だろうが。

 

炎上が仕掛けられたときに、そこに存在するキャズムに思いを馳せるのも面白いかもしれない。