大雨の被害から気付いた話。
今回大きな水害を起こした岡山県だが、特に酷かった倉敷市真備地区では、今回直接の原因となったのは川の決壊だが、1972年と1976年にも浸水を経験している。
だから岡山県は、災害と全く無縁ではないのだが、岡山県民も世間も「岡山は災害が少ない」というのが定説になっていたらしい。
私の実家は岡山。
— 若尾きみえ (@wakao_kimie) July 9, 2018
これまで岡山は、災害の少ない県と言われて来た。今回は、集中豪雨で大打撃を受けている。
とりあえず実家周辺は、避難勧告が出るほどだったが大丈夫だった。
しかし、真備町の被害を見ると、本当に愕然とする。
集中豪雨で堤防が決壊して、土地が低いとあんな風になるのだ。
最近、ネットで災害に一番安全な地域と検索してみたんだけど、岡山だったんだよね。地震は起きない。津波の心配がない。大雨が降らない。台風も少ない。という理由でしたが、今回の大雨で倉敷辺りは大変な被害。。。災害がないから、来たら一番もろいともいえるのかな?
— Kazutaka Takeuchi (@UmiwowataruKaze) July 8, 2018
4年前に大規模な水害を経験した広島だが、東日本大震災が起きた頃、「日本で一番安全な県はどこか?」という問に対しての模範解答は、「広島と岡山が最も安全」とされていた。
台風や豪雨の規模が昔と違ってきてるという地球温暖化に起因する理由が一つ挙げられるが、それ以外に日本の国土の地理的な事情もありそうだ。
平地が少なく、山地が多い。
山が多いということは、森林が豊かという美点で語られることが多かったその陰で、当たり前の事実が過小評価されていた。
それは、起伏に富んだ地形であるという点だ。
図の引用はどちらも下記より。
http://www.jice.or.jp/knowledge/japan/commentary07
オランダ人ヨハニス・デ・レーケは、1873年に明治政府の内務省土木局に招かれ、河川や港の改修を技術指導した。
ヨーロッパの川を見慣れていたデ・レーケは、日本の川を見て「これは、滝だ!」と驚いたらしい。
2018年の1月、パリでセーヌ川が溢れて洪水を起こした。
パリ水没 —— 過去の教訓は生かされてなかったのか 2018/2/1
「洪水は自然現象。我々が、我々自身とインフラを間違った場所に置いているから、大災害になってしまう」とパリ市チーフ・レジリエンス・オフィサー、セバスチャン・マリー(Sebastien Maire)氏は2016年の洪水後、ガーディアンに語った。
ゆったりと流れる川の氾濫は、水位が堤防の高さを超えることで発生する。
それに対し、「滝のような」日本の川は、時に堤防を決壊させ、津波と同じ理屈で襲いかかってくる。
傾斜地が多い日本では、大雨は到るところに滝を出現させ土砂を削る。
平常時には風光明媚な景観が、牙をむく瞬間だ。
人口減少時代に入り、地方が消滅し、都市しか残らないなどと言われるようになっているが、日本では都市は平野部に集中していて、住宅は都市を取り囲むように広がっていて、都市部に比べて住宅エリアの方が若干標高が上がるという特徴が日本にはあるが、それでも国民の80%が0〜100mの地域に住んでいる。
この図と表のデータは1995年のもので少し古いが十分参考になる。
セーヌ川の水面は低いにも関わらず溢れたが、東京や大阪には水面より低い土地がたくさんある。
最近、都会と地方の格差は、住民や自治体の"金"の格差で語られることが多い。
しかし、地球温暖化の進行は、今生きてる人々が生きてる間は止まることがないだろうから、これからは生活の場として、対災害許容度の格差も重要になりそうだ。
だんだんとハードルが上がってる気がするのが、安全であることを求めること。
一昔前だったら、十分に保険をかけることで担保できた気になっていたが、これから起きるであろう災害に対しておそらく保険は無力に近くなるだろう。
明石家さんまの名言を思い出す。
生きてるだけで丸儲け!