自民党の杉田水脈議員の発言が物議を醸している。
いかにも「またか!」と言う感じがあり、その先入観で食傷気味になり、内容もろくに確認する気にならなかったが、少し取り上げてみたいという気になってきた。
直近1ヶ月の"杉田水脈"で調べると、話題になり始めた7月22日〜23日から上昇し始めている。
そしてそれだけではなく、断片的に目にする見出しやタイトルには、キーワードとしておもしろそうなことばがあふれている。
杉田議員の発言の真意やその人間性よりも、その発言を受けての世間の反応の方に興味があるので、そのキーワードになりそうなことばを追ってみたい。
杉田議員に注目が集まるキッカケになった記事をWikipediaから拾うと、
“LGBT「生産性なし」自民・杉田議員の寄稿が炎上”. 毎日新聞.jp. 2018年7月22日
“杉田水脈議員の優生思想「LGBTは『生産性』がないので税金を使って支援する必要はない」”. Wezzy. 2018年7月22日
“LGBT「生産性なし」 自民・杉田水脈氏の発言に批判”. 朝日新聞. 2018年7月23日
直接のキーワードとしては、『LGBT』と『生産性(がない)』になるが、どちらも子供を巡って使われている。
LGBTのカップルは子供を作らない。
LGBTの子供は、自殺率が高い。
つまり、生産性が低い。
だから、支援する必要がない。
杉田議員の論理は、このように展開されている。
どうやら、キーワードの背景にも別のキーワードがあり、それが考え方の前提になってそうだ。
その前提になっているのは、おそらく『少子化』であり『高齢化』だと感じる。
『少子化』と『高齢化』を検索可能な2004年以降で、Google Trendsで見てみると、
2006年末以降、この2つのワードは、ほぼ同じ意味で使われていると感じられる。
では、『LGBT』と『生産性』を直近5年で比較すると、
直接関係してるとは思わないが、関心の度合いとして似ているのかなと感じられる。
そして、最近では『LGBT』の方が上回りつつある。
これら4つのワードを同時に比較すると、
これら4つのワードは、ヘビがとぐろを巻くように絡み合ってると感じる。
そして、おもしろいのは、最もマイナーなワードのはずの『LGBT』が最も勢いがあるということに、多様性の裾野が拡大してると感じられる。
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余談だが、
『LGBT』が2011年の5月〜6月に急上昇しているが、この時期に何があったかと言うと、東日本大震災の被災地で生活するLGBTの人々が話題になっていたり、マーケティング業界がLGBTをターゲットと捉えてる話などが多数出てくる。
この時期に、ワードとして認知が進んだ気がする。
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杉田水脈議員の歳費は税金で賄われている。その人が「LGBTは生産性がないから税金を投入すべきではない」と言った。巨大なブーメランが返ってきてるわけだが、彼女は自分の政治家としての生産性についてはどう考えているのだろう。まさかあるとでも? 未だに謝罪無しというのが凄い。確信犯なんだね。
— 立川談四楼 (@Dgoutokuji) July 29, 2018
また別のキーワードが出てきた。
上記の比較に『ブーメラン』を加えて比較すると、
この15年間ほぼ安定している『ブーメラン』、このことばはゲームで使われてることばでもあり、決して現象を意味することばとしてだけ用いられてるわけではないが、時代のキーワードになる時は、無関係でも関係があるように見えてくるものだ。
そういう意味では、今は『ブーメラン』の時代なのかもしれない。