違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

『スカッとする』は、捨てゼリフ?!

昨日、ボランティアの尾畠さんの話を書いていて、久々にスカッとする感じを味わうことができた。

 

現代社会の主流の価値観の正反対に価値を見出し、実践し続ける姿の潔さと、それにも関わらず、どこの誰よりも幸せそうに元気よく生きている姿は、現代人が追いかけてるものが間違いであると教えてくれてるようでもある。

 

私が、尾畠さんに感じたスカッとした思いは、昔のコカコーラのキャッチフレーズの「スカッと爽やか」を思い出させるものだった。

 

 

ある程度以上の年齢の人にとって、『スカッ』の意味は、炭酸飲料の喉越しの爽快感を連想し、この意味合いは普遍のものだろうと思っていた。

 

しかし、Google Trendsで「スカッと爽やか」を検索すると何も出てこない。

 

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期間を変えても同様だった、つまり死語になっているのだ。

 

テレビのバラエティ番組に痛快TV_スカッとジャパンというのがあるが、この番組で使われる"スカッ"とコカコーラの"スカッ"は、別のものになってしまったという話をしてみたい。

 

"スカッとする"、"スカッ"、"スカッとジャパン"の3つのワードをGoogle Trendsで検索可能な2004年以降で比較すると、

 

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2014年の秋にスタートしたTV番組の「スカッとジャパン」以降は、スカッとと意味合いは、この番組がリードするようになった様子が伺える。

 

この番組をたまに見ることがあるが、この番組のスカッとシーンは、そのキャッチコピーである「世の中の(あなたの)ムカッとをスカッとに変える」が示すように、人間関係から生じる不満やストレスを解消するものになっている。

 

明らかに、コカコーラのCMで使われていた「スカッと爽やか」のスカッとは意味が違ってきている。

 

 

Google Trendsの"スカッ"が2004年の夏頃から上昇に転じてるが、期間を指定して検索すると、

 

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どうやら、この頃から一気に"スカッ"は、人間関係のストレス解消を意味するようになったと感じられる。

 

もちろん、これ以前から、そういうニュアンスはあったのだろうが、炭酸飲料の喉越しの爽やかさに似た意味合いが薄らぎ、かわりに「ざまあみろ」というニュアンスが一気に強くなりだしたように感じる。

 

キーワードにも出てるが、「ざまあみろ」の対象は、DQNと括られる。

 

「DQN」とは軽率そうな者や実際にそうである者、粗暴そうな風貌をしている者や実際に粗暴な者かつ、非常識知識知能が乏しい者を指すときに用いる。

 

1994年から2002年までテレビ朝日で放送されていた番組『目撃!ドキュン』が由来とされる。目撃ドキュンの内容は、離婚などで生き別れの親子が対面などというものであった。そのため「15歳で結婚して子供が生まれて、20歳になったら離婚して、40歳になったら目撃ドキュンにでている人たち」という意味でDQNと2ちゃんねるを中心に呼ぶようになった。

 

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Google TrendsでDQNも加えて比較すると、

 

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おもしろいことに、テレビでスカッとジャパンが始まると、DQNが減少に転じてる。

 

スカッとジャパンが始まったことで、DQNは恥ずかしいという啓蒙が進んだのかもしれない。

 

増殖するDQNに対して、世間の人々が大きなストレスを抱えていたことが想像できる。

 

 

ところで、"スカッとする"と"スカッ"の間にも違いがありそうだ。

 

関連キーワードとしてDQNが出てくるのは、"スカッとする"で、"スカッ"の場合は関連キーワードに"胸キュン"が出たりする。

 

"スカッ"には良いニュアンスがありそうだが、"スカッとする"となると悪いニュアンスが感じられる。

 

"スカッ"には、爽やかさがあるが、"スカッとする"には、現在不満を抱えていることが前提で"スカッとしたい"という意味や、"スカッとした"ことで溜飲を下げたが、直前までストレスを抱えていたという意味で、具体的なストレスという存在が感じられる。

 

 

スカッとする、という表現の裏にはブラックが潜んでそうだ。

 

Twitterから、ストレスが感じられる"スカッとした"を拾ってみた。

 

 

 

 

 

現代は、"スカッとする"には、炭酸飲料の爽やかさは無く、"ざまあみろ"という心の闇(病み)を意味することが多い。

 

だから、炭酸飲料の爽やかさを表現するつもりで使うと、小さな誤解が生じるかもしれない。

 

"スカッとしたい"、そういう気持ちになるときは、大きなストレスを抱えてるサインなのかもしれない。