違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

キャッシュレス社会

先日の、北海道胆振東部地震によるブラックアウトで、北海道では全域で電気が使えないという状況が発生した。

 

このため、通電を再開するまでの間、デジタル(オンライン)上の決済や送金は一切できなかった(らしい)。

 

この停電中は、ほとんどの経済活動がストップしていただろうが、少しばかり行われていた経済活動では、決済は現金のみ有効だったはずだ。

 

 

もし、日本がキャッシュレス社会になっていたら、全く何もできなかったのだろう。

 

このブラックアウトを想定すると、キャッシュレス社会は無力にも感じるが、そもそもなぜ日本ではキャッシュレスが浸透せず、他の国ではキャッシュレスが進むのだろうか?

 

今日は、そういうことを話題にしてみたい。

 

昨日9月10日にローソン銀行が発足したというニュースが報じられた。

 

ローソンのHPを見ると、こう書いてある。

 

3)ローソン銀行が目指すキャッシュレス決済

キャッシュレス決済への取り組みは最優先課題との認識のもと、ATMの事業基盤を通じて提携金融機関の皆さまとともに、お客さまがシームレスに利用できるキャッシュレス決済の 導入を検討しています。また、小売店舗のコスト負担の軽減にも取り組み、ローソンだけでなく、より多くの皆さまが導入しやすい環境の構築を目指します。

 

https://www.lawson.co.jp/company/news/detail/1343859_2504.html

 

 

ここに書いてあることを、もう少しわかりやすく言うと、

 

 

日本では、キャッシュレス社会を目指すと言っても、大元には銀行口座が鎮座してるのだ、実はこれが手かせ足かせになっている。

 

 

 

 

 

 

海外では、キャッシュレスの前提として必ずしも銀行座を持つ必要がないのに対し、日本では、

 

 

 

 

日本の銀行は、かつて銀行口座の開設をやたらに持ちかけていた時期がある、これも日本流のガラパゴスだろうが、結果として大人から子供まで複数の銀行口座を所有するのが日本では当たり前になった。

 

またATMの普及と金融機関間の連携も取れるようになり、使い勝手が良くなった。

 

一方、日本以外の国では、銀行口座を所有するということは決して当たり前のことではなかったりする。

 

古いインフラが十分に機能してると、新しいインフラの導入はあまり歓迎されないのは当然だ。

 

日本で、キャッシュレスが普及するためには、現在成り立っている仕組みを壊す必要が出てくる、両立を求めることは難しくなるだろう、こんな考え方もある。

 

 

 

日本でも銀行の支店の廃止やATMの撤去が増えているが、これらは経営の合理化でありそれ以上に目指す方向性があるようには感じられないが、キャッシュレス社会を進めようと思えば、銀行の弱体化は必要になるのかもしれない。

 

 

急速にキャッシュレス社会を実現する韓国では、現在キャッシュレス決済率が90%近いが、それが可能になった背景には韓国経済が落ち込みIMF(国連国際通貨基金)の管理下に置かれたからだと言われる。

 

 

キャッシュレス化を妨げるのは銀行機能だとなんとなくわかってくる。

 

現在、日本におけるキャッシュレスの大半はクレジットカードと交通系カードだが、クレジットカードは結局最終的には銀行口座に行き着き、一方交通系カードは必ずしも銀行口座には紐付いておらず、本来の意味でのキャッシュレスに近い印象がある。

 

キャッシュレス社会を実現しようとすると、銀行はジャマな存在になるような気がする、そういう意味では、今後銀行の弱体化がもっと進めば日本もキャッシュレス社会を意識しないわけにはいかなくなりそうだ。

 

そうなると、インドのように高額紙幣が廃止され、現金の使い勝手を悪くするという施策が取られるのかもしれないし、銀行口座の預け入れの最低額を1億円以上などと設定すれば、富裕層以外は口座を持てず、だからといってすべての現金を硬貨で持つわけにはいかなくなるだろう。

 

 

そうすれば、キャッシュレス社会とベーシックインカムの両立が一気に可能になるかもしれない。

 

 

キャッシュレス社会を考えると、無視できなくなるのが仮想通貨の存在だ。

 

仮想通貨は、本来の通貨として存在感を示せてはいないが、キャッシュレスが向かうべき方向には無視できない存在となるであろうから、関心を持って損はないだろう。

 

 

改めてキャッシュレス社会について考えると、ただ単に現金を必要としないというだけではないことがわかった。