違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

【努力のポイント】写真集』というビジネス!(追記あり)

ビジネスを語る際には、大きく3つの立場がある。

 

仕掛ける(売る)側

 

仕掛けられる(買う)側

 

傍観者の立場

 

 

どれか一つの商品やサービスに関しては傍観者であっても、何かの商品やサービスに関しては、仕掛ける側であったり、仕掛けられる側であったりするので、すべての人が何らかの形でこの3つの立場を常に取っている。

 

 

普段ビジネスを語る際に用いられる題材ではないが、おもしろい話があったので取り上げてみたい。

 

 

須田亜香里、初写真集が“爆死”でもAKB総選挙は2位のカラクリ 2018/10/3

 

話の流れ上、須田亜香里さんをdisってるようになるかもしれないが、そういう意図はない。(念の為)

 

 

この写真集に関して、上記の記事によると、現状(結果)は、

 

彼女のファースト写真集『可愛くなる方法』(学研プラス)は、全編キューバで撮り下ろしたというセクシーなカットが満載で、初版は強気の5万部。書店に行けば誰もが目につくところにどっさり平積みされているものの、

 

「結論から言えば、これが全く売れていないんですよ。オリコンが発表している3週間の累計売り上げ部数も8600部程度で、1万部にすら届いていないという惨憺たる状況です」(出版関係者)

 

 

 

こうなったことに関して、仕掛ける側は、

 

「2009年からSKE48のメンバーになった須田は、握手会でのファン対応の良さから“握手会の女王”とまで呼ばれています。彼女に魅了されたファンに支えられ、15年から18位、7位、6位と着実に順位を上げてきた実力派アイドルなんです」

 

そんな人気メンバーだからこそ、出版社側も売れることを確信していたのだろう。

 

「今年の総選挙で、須田が獲得した票数は15万4011票。そのうち3分の1のファンが写真集を買えば、完売、即重版になるはずですが……」(同)

 

 

 

これに対して、仕掛けられた側は、

 

 

そのカラクリをアイドル評論家の堀越日出夫氏が分析する。

 

「そもそもAKBの総選挙は、ご存知の通り1人1票ではないので票の数=ファンの数というわけではないのです」

 

そう前置きした上で、

 

「いっぽう今回の須田の写真集には、握手券や投票券がついてこないので、売れた冊数、即(すなわ)ちリアルなファンの数だと考えることができます。出版社としては、2位を獲った勢いのある今だからこそ売り出したのでしょうが、ファンとしては総選挙で資金が尽き、1800円する写真集にまでお金をまわすことが出来ないというのが本音ではないでしょうか」

 

 

 

この記事に対しての反応で、私がおもしろいと思ったものをTwitterから拾ってみた。

 

 

 

ちなみに乃木坂46の場合、

 

乃木坂46メンバーの写真集ランキング2018年最新版 累計売上TOP20

 

発売された時期が違うのだが、20位と1位は、

 

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8月22日に発売された写真集だが、そのプロモーション活動は当然その前から始まっている。

 

 

 

 

Google Trendsで直近90日を見てみると、

 

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一番大きい山は7月30日なのだが、この少し前からプロモーション活動が始まっていたのだ、

 

須田亜香里“1st写真集”は『可愛くなる方法』 秋元康氏もコメント「なぜ急に可愛くなったか?」 2018/7/26

 

 

では、直近1年で見ると、

 

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最大の山は6月10日〜20日頃にかけて起きているが、6月17日にに写真集の発売が発表されたのだ。

 

 

 

日付を遡りながら思うことは、アイドルなどという旬が短い商品は、その時に売り切るために告知やプロモーションで一気に攻めるものだなと改めて理解できた。

 

しかし、その戦略や戦術の前提になる見込み客をどう見積もるかで今回失敗が起きている。

 

 

この件には、ビジネス戦略を立てる側の方も発言している。

 

 

 

そもそも論として、写真集の需要はどこにあるのか?

 

ゲスな話になるが、

 

 

 

売れないと言われる写真集を売るためには工夫が必要だとすれば、どんな工夫だろうか?

 

 

 

このポカリスエットの写真集の部数は不明だが、YouTubeの再生回数はこの写真集のバージョンで140万回を越え、他にも高校生が踊るバージョンは多数あり中には400万回を越えてるものもある。

 

つくづく買い手市場になったなと感じる。

 

今、メッセージ力を持った商品やサービスがどのくらいあるだろうか?

 

商品にメッセージ力がないから、キャッチコピーで一生懸命メッセージらしきものを取って付けようとするが、そういうものが通じないのだ、お客の側が賢くなったと言うよりも、すべてのものが、どこかで見たり聞いたりしたものと大差ないのだ。

 

だからこそ、違う』ことに価値が出るのだろう。

 

そして、最も大事なことは『違う』にはメッセージ力が備わってなければいけないということだ。

 

 

須田亜香里さんの写真集に関して言うと、引用した冒頭の記事はおそらく最後のプロモーション活動の一環だろう。

 

財布が固く閉まってしまったファンに口コミで訴えているのだろう。

 

在庫が捌けるかどうかはわからないが、この記事は確実に話題になっている。

 

直近1週間のGoogle Trendsを見ると、

 

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エンタメの世界の閉塞感も一般ビジネスの不景気も、根は同じだなと感じた。

 

 

 

追記

 

本人が、冒頭の記事を受けて、こんなツイートを出してました、やっぱり健気なプロモーションに見えてしまうが、こんなこと言えるのは偉い!