自分のことだけを振り返って改めて思うことに、動機につながる要素は大きく2つあるということがある。
・好奇心(興味、探究心、冒険心....etc)
・危機感(多様な意味でこのままじゃいけないという気持ち)
そして、この好奇心と危機感の境目に利害関係や損得感情が入り込んでくる。
なぜ、勉強や仕事をするのか?
勉強や仕事が楽しければ、あるいは積極的に目標を設定できれば、それは好奇心を伴った行動になる。
しかし、「しなければいけない」と思い込むと、動機すら形成されないかもしれないが、動機が形成されても、それは危機感に基づくものになるだろう、そういう時の行動は仕方なくするものになる。
同じ危機感が動機でも、事故や事件や災害が絡むと全く反応が違ってくる、その場合は命が脅かされてると感じられるので、全てに優先されるからだろう。
これらは、無意識のうちに使い分けが行われていて、比較検討して感情の使い分けをしてるわけではない。
以上は、わたし自身の話だが、他の人にも当てはまってるのではと感じる。
そうすると、世の中で起きてる社会現象のなかには、この無意識の感情の使い分けと密接に関係してるものがあるはずだ。
ずいぶん以前、正確に覚えてないが多分2000年になる前、ある投資家の講演会に行ってそこで聞いた話で、当時は全くピンと来なかったが、その後あの時の話は当たっていたなと感じた話がある。
「これから、美容院と賃貸物件がどんどん増えます」
「理由は、女性の社会進出と単身世帯の増加です」
わたしには女性の社会進出なんてとっくに実現されていると感じていたのですごく違和感を感じていた。
賃貸物件が増えるとは、投資用物件が増えるということだったのだが当時のわたしにはピンとこなかった。
参考までに、美容院と賃貸物件の推移を示すグラフを載せると、
女性の社会進出を、女性の好奇心の高まりと捉えると、
平成日本では女性の社会進出や単身世帯増など、職場や地域で人の多様化が進んだ。人々の価値観も昭和とは変わったが、制度などが追いついていない。ポスト平成では多様さを日本の活力源にしなければならない。昭和後半に専業主婦世帯の半数だった共働き世帯は、平成には拮抗、今では2倍へと逆転して
— 森寿康@森の長城1千km (@toshi_sumisyun) January 6, 2019
しかし、危機感の現れだと解釈すると、
共働き世帯が専業主婦世帯の2倍に達し、更に増え続ける。これは女性の社会進出というより、明らかに生活苦による共働き世帯が増えていることだ。家族までも分断され子どもたちが寂しい思いをしていたらと思うと心が痛む。もっと子どもを中心に考えられる社会にしたい。
— 磯山光男 (@isoyama2019) January 6, 2019
時間の経過で変化すると、その変化を「シフト」と捉えるが、全く無関係なものに変化するのではなく、「リンク」しながら変化する。
「好奇心」と「危機感」は、無関係ではなく、むしろ表裏一体のものだと言えるだろう。
日本の女性の社会進出を阻むものとして、女性の年齢別労働力率カーブにおける「M字カーブ」が知られている。これは、日本と韓国にしか見られない特徴である。社会人になると就職するが、結婚・出産で一度退職し、子育てが一段落すると仕事に復帰するというパターンだ。
欧米でも50年ほど前には、日韓ほど極端でないものの「M字カーブ」や、専業主婦になって退職する「L字カーブ」がみられた。その後、女性の社会進出が顕著になって、今ではきれいな山型になっている。
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180523/soc1805230002-n1.html
おもしろい記事があった。
結婚したい人が「なかなか出会えない」根因 女性が結婚に前向きな20代は「女余り」だ
突然ですが、まず、次の質問に回答してください。あなたの目の前に、以下の2つの選択肢が提示されました。
選択肢A:100万円が無条件で手に入る
選択肢B:コイントスして表が出たら200万円もらえるが、裏なら1円ももらえない
さて、どちらを選びますか? どちらの選択肢も手に入る金額の期待値は、計算上100万円です。ですが、多くの人が「選択肢A」を選んだのではないでしょうか。
これは、ノーベル経済学賞を受賞したアメリカの心理学・行動経済学者ダニエル・カーネマンが提唱した「プロスペクト理論」といわれるものです。
お金の話だと、冷静にリスク回避できるのに、不思議なもので、「結婚」になると、多くの未婚者が選択肢Bを選んでいるのです。
上記の記事では、女性の好奇心も危機感もお金にあるという話で展開されている。
女性の社会進出をキーワードに話を展開したので女性の話ばかりになったが、男性にも大した違いは無いはずだ。
私たちの行動の動機の背景には、好奇心と危機感があるが、その好奇心はすぐに危機感に変化し得るし、危機感も同様に簡単に好奇心に変化することがある。
今取っているその行動の動機は、好奇心からだろうか、それとも危機感からだろうか、気付いておいて損は無いだろう。
せめて、趣味ぐらいは好奇心でやりたいものだ!