前半は、プロ野球界に関する話が長々続くがが、これは前置きのため。
プロ野球を取り上げる理由は、日本のプロスポーツで最も組織や歴史が充実していてかつ公開されてる情報が豊富だと考えたからで、特殊な世界のようでいてそこには一般性がありそうだから。
プロスポーツの選手が現役を引退するとどうなるか?
2018 年現役若手プロ野球選手への 「セカンドキャリアに関するアンケート」結果 NPB日本プロ野球機構
2018 年現役若手プロ野球選手への「セカンドキャリアに関するアンケート」結果
2018年プロ野球の若手選手が引退後にやってみたい仕事の1位に「一般企業会社員」が上がった。
2017年戦力外選手/現役引退選手の進路調査結果 :NPB日本野球機構
最近少し違う動きも出ているが、現役で通用しなくなった選手は、出来ることならば指導者になりたいと考えてるのだ。
これらを踏まえて次の話を読むと、
DeNA筒香「球界の変わらない体質」にモノ申す 子供の「野球離れ」は大人が作り出した必然だ
今から僕が、お話させていただくことは、野球界、子供たちのために、僕が日ごろから疑問に思っていることです。野球人口が凄く減っていると言われます。原因はいろいろ挙げられています。少子化も原因だと言われていますが、それよりも速いスピードで野球人口が減っているのが現状です。
最初に気がつくのが『勝利至上主義』です。
2つ目は、今の子供たちは、大人、指導者の顔色を見てプレーをしている、怒られないようにプレーをしているということ。
3つ目は答えを指導者や親が与えすぎるので、子供たちが指示待ちの行動しかできないということ。自分から動いて、何か行動を起こすということが凄く減ってきているのではないかと思います。
ドミニカ共和国では指導者は何も言わずに子供たちを見守っています。
記者から現役選手がモノを言うリスクについて質問があった。
筒香は、「人間は前例のないことを嫌います。(2015年オフに)ウィンターリーグに行くときも、いろんな人に反対されましたが、僕が翌年活躍したら、それからは、何も言われなくなくなりました。むしろウィンターリーグ行けと言う人が増えました。少しの周りの声におびえる音もなく、必要なことはどんどんやっていきたい」と語った。
少しプロ野球から離れてみても、何やら似た現象が見えてくる。
指導者にも、日本流ガラパゴスが見えてくる。
全ての人を十把一絡げに語ることは無理があるのは承知の上で、やっぱり傾向があると言わずにいれなくなる。
女性が集まってる中に入ってくる男性、本当に牽引者になりたがる人多いよね。
— 蛻 (@memento_sonne) July 25, 2018
目立ったことやりたがりで、自分が何かする為の舞台感覚で大変に面倒くさい。主役・主催・指導者・牽引者この辺りをとにかく率先してやりたがる。
未経験からスタートして1年くらい格闘技教えてた子がいたのだが志高くUFC出てスターになると公言するもアマチュア初戦でドローから挫折して格闘技辞めてしまいました。と思ったら格闘技の先生になってたのをMAXが発見。嘘だろ。
— 山田崇太郎 Sotaro Yamada (@Sotaro0923) April 14, 2017
簡単に指導者になりたがる人が理解できない。。ほぼ詐欺のような
公募校長なんかでも、全ての公募校長がそうではないだろうが、公募で校長に"なりたがる"ような奴、っていうのに地雷臭を感じるし、指導者というか教育関係っていうのは、なかなかヤベェなっていう。
— 中村甄ノ丞あるある早くいいたい (@ms06r1a) August 27, 2018
次のツイートは良いとこ突いているかもしれない。
ボスとリーダーは違うよ。
— ittaru@辺野古反対に〇 (@soundandfury68) June 1, 2017
ボスは支配者、言うこと聞かせるだけ。
リーダーは指導者、行き先を教えてくれる。
ボスになりたがるオスの多いこと多いこと。
ま、言うこと聞かないけどね。
指導者の多くが、本当になりたいのは支配者やボスなのかもしれない。
指導者の皮を被ってボスや支配者になりたがる人とはどんな人かというと、
成功しなかった者ほど指導者になりたがるは名言だと思った
— テト (@jmwpjmnga) June 17, 2016
業界で偉くなったけど人望がまるでなかった元上司が定年後に仕事がなくて昼間からマックカフェに入り浸ってるとこを目撃。名声に取り憑かれた人は寂しい最期になるのをたくさん見てきた。リーダーや指導者になりたがる人もたいていクソ。
— Alites (@alites1281) October 11, 2017
学問なのに、宗教の教祖のようになりたがる指導者っているからなあ。
— 清 史弘 (@f_sei) December 28, 2018
私のいた銀行で支店長になりやすいのは、営業成績優秀でウリャー!って感じの人で、必ずしもマネジメントに長けた人じゃなかった。
— No.2431 (@to_saku0623) September 8, 2018
役員もそういう支店長からの成り上がりが多いので、どうしても活きがいい人を支店長にしたがる。
「功ある者には禄で報いよ。徳ある者には位を与えよ」ではなかった。
最後のツイートは心に染みる!
わたしにも経験があるが、バブル崩壊後コミッション(報酬体系が成功報酬的な)ビジネスが増える中で自称トップセールスがあちこちで湧き出してきたのが90年代半ばだったような記憶がある。
自称トップセールスの9割が、短期間に強引な営業スタイルで成績を上げた後、すぐに現場から離れ営業パーソンをマネージメントする指導者へ移って行った。
残りの1割は現場にこだわる人達で、「お客と向き合わずして何と向き合う?」という信念があるとともに、指導者になった9割の人達のことを「現場から逃げた人」と呼んでいた。
営業の現場で起きていることと全く同じことがスポーツの世界でも起きていることが感慨深い。
2018年のプロ野球の若手選手のセカンドキャリアのアンケートで「指導者」を抜いて「一般企業の社員」が1位になったことは何を意味するのだろうか?
指導者になりたがる予備軍の多さに辟易したからだろうか?
指導者の資質が自分に無いことが分かってるからだろうか?
指導者の資質とは何だろうか?
よく言われることに、「名選手必ずしも名監督、名コーチにあらず」がある。
大打者は指導者に向かない? ボンズ打撃コーチが1年でクビ さてイチローの将来は…
「マッティングリー監督はビデオや最先端の投手解析を使って打者を指導することを望んだが、彼はこういった地味なコーチの仕事をしなかった。『他のチームはやっているのは知っているが…』とわめき散らした」
名選手のどこがダメなのだろうか?
失敗経験の(少)ない人は指導に向かない。例えば僕は作曲指導に向いてない。父が死んで家で一人でつまらなかったのでやってたら出来るようになっただけで、苦労していない。数学が得意な子は不得意な子を指導するのに向かない。却ってバカにしちゃったり逆効果もよくある。試行錯誤豊富が優れた指導者
— Ken ITO 伊東 乾 (@itokenstein) April 12, 2017
現代の日本は、各界に指導者と指導者になりたがっている予備軍で溢れかえっている。
それだけ多くの指導者や指導者もどきが溢れているのに、良い指導者に恵まれるということはまだまだ稀有と言って良さそうだが、良い指導者に出会えているのにその良さに気付けない者も多いかもしれない。
「幸運なんて錯覚だ」という考えが広まってるが、良い指導者に出会えるということは間違いなく幸運だと言えそうだ。