ツタヤの閉店っぷりが容赦ないことというブログが話題になっている。
年初以来のTUSTAYAの話。 今年の閉店っぷりがけっこうえげつないことになっています。 2017年には年間70店舗以上、2018年には90店舗以上の閉店があったのですが、今年はここまで確実に毎月10店舗以上逝ってます。
わたしにはあまり関心がない話題だったが、多くの人がTwitter等でコメントを発していた。
それらのコメントを見ながら、わたしが関心がなかった理由の一つが分かった。
レンタルをして映画を見たり音楽を聴くという習慣が全く無いことと、そもそも改めて考えると15年くらい前にケーブルテレビにした際にビデオデッキを処分していたし、音楽に関してはやはり15年くらい前まではブックオフなどで中古CDの掘り出し物を見つけることに興味を持っていたが、その役目はいつの頃からかYouTubeが果たしてくれるようになっていた。
そう考えると、むしろいまだにレンタルしてる人がいるのが不思議な気がするくらいだ。
わたしではあまりイメージが広がらないが、コメントを発している方の内容を見ていると、レコードやCDやビデオやDVDと言った販売用のメディアを駆逐したレンタルというジャンルが『配信』という仕組みに駆逐されている過渡期の現実を見せつけていることがわかる。
また、ゲオとの比較で「モバイル中古端末の販売の有無で差がついたのかな」と指摘する声があった。
ネットで検索すると、昔から品揃えの豊富さではツタヤが断然良かったようでレンタルに関してはツタヤの評価が高かったようだが、両社はそもそもコンセプトが違っていたようだ。
ツタヤにとって、本業は利益率の低い本や書籍の販売で、レンタル事業はそれをカバーする重要な柱だった。
それに対しゲオは、中古ゲームの販売が本業で、その客寄せのために格安を売りにしたレンタル事業を展開していたので、その分野への投資のモチベーションは低い。
ゲオがモバイル中古端末の販売に手を出したことも、ツタヤがモバイル中古端末に手を出さなかった(出せなかった?)ことのどちらも必然だったことがわかる。
他にこの両社に共通する要素であり、コンビニを始め他業界にも関連しそうなのが、直営店舗とフランチャイズ店舗の混在だ。
実は、この『フランチャイズ』という展開業態が曲者なのかもしれない。
セブンイレブンの場合、店舗数は直営店舗1%に対しフランチャイズ99%、コンビニが儲かる事業ならば直営比率はもっと高くなるはずと誰もが疑問を持つだろう、フランチャイズのオーナーになった方は疑問を持たなかった人達だ。
ちなみにツタヤの場合は、直営1に対しフランチャイズが9らしい。
ツタヤでもセブンイレブンでもシワ寄せはフランチャイズ側に発生するが、フランチャイズという呼び方のせいだろうが、対立の相手は本部になる。
シワ寄せは、本部にイジメられてるから起きているとフランチャイズ側がアピールすることが常だ。
フランチャイズとは何か?
それは、看板を使わせてもらうという契約だ。
さらに言うと、「自分ではできません」という宣言でもある。
なぜ、フランチャイズという仕組みに惹かれる人が後を絶たないかというと、自分ではできないことができると思えるからだ。
これは悪名高いサブリースにも当てはまる。
共通するのは、提案してることが本当ならば「どうして自分たち(本部)だけでやらないのですか?」という疑問に納得がいく返答をできないことにある。
こういう不明瞭な構造は、ピンからキリまである芸能界の人材マネージメントにも見えそうだし、一般のビジネスでもブラックと言われる世界にもあてはまることが多そうだ。
ビジネスの世界だけでなく政治の世界でも活用されている大原則として『ヒトラーの大衆扇動術』と言われるものがある。
恐ろしい位に現代にも当てはまっていて、インフルエンサーと呼ばれる人々の言動にはこれをお手本にしてる人がいることがよくわかる。
- 大衆は愚か者である。
- 同じ嘘は繰り返し何度も伝えよ。
- 共通の敵を作り大衆を団結させよ。
- 敵の悪を拡大して伝え、大衆を怒らせろ。
- 人は小さな嘘より、大きな嘘に騙される。
- 大衆を熱狂させたまま置け。考える間を与えるな。
- 利口な人の理性ではなく、愚か者の感情に訴えろ。
- 貧乏な者、病んでいる者、困窮している者ほど騙しやすい。
- 都合の悪い情報を一切与えるな。都合のよい情報を拡大して伝えよ。
- 宣伝を総合芸術に仕立て上げろ。大衆の視覚・聴覚を刺激して、感性で圧倒しろ。
気が向いた時にどれか一つを行うことは難しくないだろうが、これらを常に意識し徹底することは普通の人には難しい。
自分のことを普通の人だと思っている人は、自分は騙される側の人間だと心得ておいた方が良いだろう。
しかし、敵の手口が分かっていればきっと騙されずに済むだろうと思いたい。