『アポ電』、最近のことばかと思いきや、なんと10年前から使われていた。
「携帯番号変わった」という電話にご注意! http://bit.ly/3gnsnw 「アポ電」という手口のオレオレ詐欺が急増してます
— 毎日新聞 (@mainichi) November 12, 2009
呼び名は手口で変化するが、手の込んだ最近風の詐欺は全部ひっくるめて特殊詐欺と言われる。
成り立ちを架空請求からとするならば、メールを使った一斉送信で泣き寝入りしやすい程度の金額を広く集めようとするから始まったと言える。
しかし、これらが手口として世間に認知され、その対策としてただ無視すれば良いという方法が認知されて以降は、アプローチの主役は電話になった。
電話がかかってくる場合もあれば、電話をかけさせられる場合もある。
若い人の中には、仕事の電話であっても知らない人からかかってきた電話には出ない人が増えてるが、それに比べたら昔の人は知らない人からの電話に出るのは抵抗が少ないという違いはあるが、電話が大きな役割を果たしてるとすれば『声の力』のなせる業と言えるかもしれない。
私のケータイに年配の女性の声で「ばあちゃんだけどね、しんご、きみちゃんとこからね、もらってきたから、ひと袋くらいあるからね。そんだけ」という留守電が入ってたんですよ。栃木県の固定電話から。今想像力をMAXにして新手の詐欺の可能性を模索しています。
— カゲ稲荷 (@kageinari1) March 6, 2019
無駄に声が大きく自信満々に言っているので説得力はある。しかしよく考えると芸術と商売の比較にはならないものを比較している詭弁。詐欺師や怪しい営業にいるタイプだね。#まんぷく pic.twitter.com/R0cOsIMF7g
— ロベルト (@robe2) February 25, 2019
チビやガリがキーキーと早口で理屈っぽく語るより
— 無能 (@BPIHAplGD32nmGy) March 3, 2019
デブやノッポが低い声でゆっくりと感じたままの事を語った方が説得力あるんだよなぁ
その辺は詐欺師が凄いわ。
「顔の悪い詐欺師はいるが、声の悪い詐欺師はいない」という話(警察関係の本で読んだ)を思い出しました。
— キャップマン@祝ワートリ復活!! (@capandhat) January 26, 2019
浮世離れした役柄に説得力を与えてるのはあの「声」なんだと思う。
深読みすると……続編は10年後とかで、新しいあの子が成長しているんじゃないかしら。
しかし、この『声の力』に気付いているのは声の持ち主ではない。
詐欺をする人間は被害者から搾取するのだが、この構造は一枚岩ではない。
特殊詐欺と呼ばれるものの多くは、指示役と実行役がいて作業を分担している。
現場で警察に逮捕されるのが実行役で、簡単には逮捕されないのが指示役。
多くのケースで、指示役と実行役は直接接触しないで、両者の間には仲介役が存在している。
つまり、詐欺を企てる側にも、搾取の構造が成り立っている。
『声の力』に気付いているのは、現場を仕切る仲介役。
さまざまな人間活動は、歴史を振り返ると現在に至るまで「戦争の歴史」と言われるが、実際には『搾取』の歴史だと言える。
搾取(さくしゅ)とは、第一義的には動物の乳や草木、果実の汁などをしぼりとることを意味する言葉である。しかしその意味から転じて第二義的に、「中間搾取」などの慣用的な例に見られるように、他人に帰属すべき利得を不正に取得することや、他人を使役して不当な利益を得ることを表すためにも日常的に用いられる。
搾取にはピンからキリまで、それこそ合法から非合法まである。
そして、それは知恵比べでもある。
ヒトラーの大衆扇動術の一つに、
- 宣伝を総合芸術に仕立て上げろ。大衆の視覚・聴覚を刺激して、感性で圧倒しろ。
と言うのがあり、『声の力』は重要なのだ。
多くの人は、話の内容に騙されたと感じているかもしれないが、実は『声の力』に騙されていると理解した方が良いかもしれない。
なぜ、特殊詐欺がこれだけ警戒されてるのに無くならないのか?
話の内容には警戒していても、実際には声や口調を通して内容は伝えられる。
声や口調は、一旦感情移入が入り込んでしまうと、話の内容よりも強い力を持ってしまう。
搾取が成功する現場で起きていることは、対策の盲点が突かれている。
警戒するためには、知識ではなく知恵で武装する必要がある。