Twitterの普及と関係あるのだろうか、最近ブログですら更新頻度が多い人をよく見る。
インターネットやデジタル技術のありがたいところは、この頻繁な更新を可能にしたことかもしれない。
同じことは、デジタルカメラにも当てはまる。
アナログ(フィルム)カメラの時代には、フィルムと現像がランニングコストとして発生し、物理的に存在する写真やネガの保存が必要になり、その検索作業ですら大変さはデジタルの比ではない。
更新が容易で、かつその更新にコストがかからないことのありがたさは現在では完全に忘れ去られているように感じられる。
更新が容易ではない時代のコンテンツは、情報を発信する側には完成度の高さを志させただろう。
しかし更新が容易になると、そしてその容易さが前提になると、きっとなにかが変化してるはずだ。
かつてアナログカメラの時代には、ワンカットに命をかけるということがあった。
カメラマンとモデル(被写体)の間では真剣勝負が行われ、モデルが超有名人の場合、カメラマンが有名であっても撮影を3カットしか許さないなんていう事例があったことを聞いたことがある。
しかもその3枚は、現像しなければきちんと撮影できたかどうかもわからない。
更新が容易ではない時代のコンテンツと、更新が容易な現代のコンテンツの間には、仮に内容が全く同じだとしても、その価値やありがたさや評価が全く違ったものになっても不思議はないだろう。
ブログの話に戻そう。
カメラの世界のような出来事は、ブログの世界にも起きている。
ちょっと調べてみました。(と言ってもTwitterを遡っただけだけど、これって結構疲れます)
2010年頃は質も求められている様子。
現在、ホームページは、コンテンツの量と質と更新頻度が伴わないと、人からもロボットからも相手にされない。
— SURV(サーブ)山田 (@survyam) October 8, 2010
ホームページによって、集客したり、信頼を得たり、受注につなげたり、といったことは、さらにその先の話。
( http://temporary.hpsakusei.biz/ より)
東日本大震災以降、更新頻度が下がったという声が増える中でもまだ、質と量と更新頻度は三位一体で求められている様子。
上位になる要因は、(1)内容が質・量・更新頻度の面で充実。(2)多チャネル「Twitter,Facebook,Blog,リアルな繋がり」とのシナジー効果、(3)人間性or顔を前面に、の3点の絶妙なバランスかな。おめでとう!http://p.twipple.jp/6UMHE
— じぇりぃ〜 (@3jerry) May 29, 2011
しかし、その直後くらいから「質を上げたかったら量を増やすしかない」という流れが出始めたように感じられる。
そして、より顕著に更新頻度にこだわる流れが出てきたのが2015年。
『質より量より更新頻度』とは、立花岳志さんが提唱し広まっている様子。
ブログ更新しました→ 質より量より更新頻度!立花岳志さんの情報発信・ブランディング講座に参加して響いた4つのフレーズ | http://t.co/ER6gMxo3v9
— こーへいんふぉ@公式アカウント (@k3809) May 10, 2015
2016年頃に、質にこだわりすぎるとチャンスを逃すのではないかという意見が出ている。
「質、量、更新頻度」についてはブロガーの中でよく議論されるポイントですよね。
— ほっしー@メンタルハックYouTuber (@HossyMentalHack) July 24, 2016
私なりの意見を書いてみたので、ぜひ皆さんの意見も聞いてみたいと思います。
「質の高い文章しか記事にしてはいけない」に対する反論。 https://t.co/VS7A9lzGNI
これ以降現在でも更新頻度を拠り所に展開するという戦略は価値を失わずに続いていることが感じられる。
ブログを更新しました。ぜひ覗いてみてください。『質より量より更新頻度…筋力をつける!』自由へのとびら|https://t.co/GjRmtxTdXx
— ちあき (@999chiaki) December 11, 2017
他人と比較した時、質で超えるのは難しいけど量で超えるのは簡単なんですよね。目標にしてるブロガーさんの一ヶ月あたりの更新数を見て、同じくらい更新できれば、同じ土俵に立った感じが味わえて強気になれる。
— クロネコ屋@アフィリエイター (@NINJAkusokuso) March 26, 2019
初心者は「やっぱ俺にはムリだ」という自信喪失で挫折する。これを防げるのはデカい
私もこの本が好きです。
— こーいち (@KoichiBlog) March 12, 2019
『質より量より更新頻度』
発信を習慣にすると確実に変化が起こる〜立花岳志さんの『「好き」と「ネット」を接続すると,あなたに「お金」が降ってくる」』を読んで https://t.co/mAz5I2mi4c @Hiro_Ooharaさんから
ところで、多くの人が更新頻度にこだわればこだわるほど、世の中にはジャンクなコンテンツが溢れることになる。
なんだか古典的な「砂漠で砂金を取る話」に近付いてくるような気がしてくる。
こういう場合、砂金を取る人よりも、砂金を取りに来た人に砂金を取るために必要な道具を売る人が、実は一番儲かっている。
デジタルコンテンツは、多更新が容易なので、多更新という泥沼に誘いやすいし、抜け出しにくい。
ただの多更新は「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」だし、毎日更新していれば周りから「頑張ってる」と称賛されるから勘違いするのだろうなと。
— 敷田憲司 (@kshikida) May 25, 2017
過去記事:【SEO】更新頻度は検索順位には影響しない。頻度よりも大切なものとは? - 検索サポーター https://t.co/ESXBHlDVj2
「下手な鉄砲数撃ちゃ当たる」は、何発撃てば当たるだろうか?
その『当たる』には再現性があることが肝心だ。
おそらく撃ち始めた時は下手だとしても、当たる頃には上手になっているはずだ。
だとしたら、やっぱり『質』は大事。
ただし、それは今の精一杯で十分で、他人と比較する必要はない。
デジタルコンテンツの多更新が容易という特徴は、無限にアップデートが可能と考えた方が賢明な気がする。
だとすれば、『下手なままで当てよう』とは思わない方が良さそうだ。
アナログコンテンツは、失敗するとかけたコストも失うことになるが、デジタルコンテンツの場合、失敗はタダだ。
ただし、タダには教訓がある。
人生をゲームとして捉えるとタダほど高いものはないというのは絶対に忘れてはいけないルール。
— ピエール (@shameofirongate) December 13, 2018
地域枠の奨学金なんてまさにそれで高利でも銀行からローン借りたほうがマシなレベルだし、ペイペイでも安易に飛びつくと衝動買いや値上がりにやられてかえって高くついてしまう。
冷静に甘い汁を吸おう。