『引きこもり』というワードに現在のようなネガティブなイメージが定着したのは平成に入ってからだとウィキペディアには書いてある。
新元号の発表を間近に控えた3月29日に中高年の引きこもりに関するデータが発表された。
中高年引きこもり61万人=男性8割、半数が5年以上-内閣府調査 https://t.co/0jfUzTqEXR
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) March 29, 2019
最初この話題を見たときはスルーしていたが、新元号の『令和』が発表されると気分が変わり、引きこもりはおもしろい話題かもしれないと思えてきた。
なお、このデータそのものはウソではないかもしれないが、伝え方には一部でウソがあったことが発覚してる。
NHKニュース7中高年引きこもり、ヤラセだと炎上w https://t.co/DvyFGQlWeo
— ♡ぽむぽむZiLLioN♡∞ (@kj666japan) March 30, 2019
「NHKニュース7で高齢者の引きこもり問題を紹介
引きこもり役は引きこもり支援ネットワークの社員だと判明
自分たちの活動を宣伝するために自作の引きこもりを演じていたことがわかり炎上」
引きこもりが悪いことのように言われる前提として、「引きこもっていたら生きていけないだろう」というのがあるような気がする。
そもそもお金はどうなってるんだという下衆の勘ぐりも大きいだろう。
ヒロシの自虐ネタ
— リマぷりん (@rimapurin) March 30, 2019
「ヒロシです。
ひきこもるお金がありません」
に納得していた私としては
「さすが中高年。
お金があるんだなぁ」
という感想です😊🍀#ヒロシ
引きこもるためにもお金がいるということは、“引きこもり”にもお金が回るという「金は天下の回り物」が成り立っているということを意味する。
そのお金がどんな種類かはともかくとして、お金が回るということはそこに市場原理が働いているということを意味する。
少し前に貧困市場というワードがブラックというワードとセットで使われることが多かった。
大手クラウドソーシングでは在宅や副業とはいえ、1日数百円で怪しげなステマ作業などで働く人達が大勢いて、しかもそこから少なくない手数料を取られる貧困市場ができているんだけど、為政者から「働き方改革」の雄としてもてはやされてるのなんで?
— 藤本 信(日本製) (@DTM155) April 27, 2018
貧困市場やブラック労働という社会問題は、政治が後押しして作り上げられた歪(いびつ)な「金は天下の回り物」現象だと言えそうだ。
最初わたしは、引きこもりの問題を貧困市場やブラック労働と同様に見ていたが、引きこもりは少し違うかもと思えてきた。
金は天下の回り物という観点で見ると、わたしを含めて多くの人の頭には「お金を得ようと思ったら外に出る必要がある」とインプットされているだろう。
しかし、引きこもりが成立するということは、外に出なくても市場が成立しているから「金は天下の回り物」が成り立つと思えてくる。
次のツイートの指摘には、なるほどと頷ける。
中高年の40歳以上の引きこもり61万人。
— 宮吉さんの子孫 (@great_maron) April 2, 2019
自宅でいっぱい稼いでる人もいるしなぁ。用事、趣味で出かけるだけ立派ですよね!
38年間、自宅~会社の往復のみのリーマンも引きこもりと変わらない気がするけどね。
もはや、“引きこもり”で稼げる人は英雄ですよ。
今でしょう!https://t.co/kZxb9TKqjB
通勤ですら引きこもりのルーティンの外出に過ぎないというのはおもしろい!
引きこもりと在宅の違いとは何だろうか?
中高年の引きこもりが~と言うがこれで全部が全部ニートだと思うのは頭のネジが飛んでるゾ。仕事でそこそこの収益が出た人、宝くじだとかギャンブル方面で稼いだ人、介護の為に辞めた人、果てには在宅ワークしてても引きこもり扱いっていうのが現代の風潮だからこれを期に批判するのはうんこだゾ
— 愚痴おじさん (@homomodoki) March 29, 2019
不意に「働かなきゃ」と思いたち、「在宅 仕事」で検索する。そして意外とヒットして驚く。【家に引きこもったまま即金10万円】https://t.co/QePIvfPWew
— 直継@引きこもり(独り暮らし) (@naotsugu02) March 26, 2019
昔と違い現代では、外に出ないと何も始まらないと言うわけではない。
それどころか、見ようによっては外に出ることもデメリットはかなりあるように感じられる。
日本の通勤地獄が労働生産性を下げている? 経済損失の試算は1日あたり1424億円|ニューズウィーク日本版 https://t.co/oi2qV2sK4a 長時間通勤の損失も大きい。通勤時間に,1時間あたりの財・サービスの生産額(時間給)をかけて試算。
— 舞田敏彦 (@tmaita77) January 3, 2019
工場のライン作業って仕事がキツイか以上に”市場で活きる能力が身につかない”ってのが本当大きいと思う。あと主体性がどんどん失われてく。ってのも働いてみてわかった。組み立てる以外何もない労働時間。中年社員たちは上司の顔色を見て動くYESマン。理由はなんであれ抜け出して本当に良かった。
— セッキー@元ブラック企業&引きこもり&期間工 (@sekky_01) March 29, 2019
現代は何事も過渡期で、絶対的な正解や拠り所が無い。
多くの人が天秤に掛けているのは、“お金”と“ストレスの無さ”だと思われるが、どのような基準を当てはめるにせよ大事なことは自分で判断すると言うことだ。
同じ引きこもりでも、引きこもりと他人に言われるとバカにされたように感じるが、自称引きこもりだったら、そこには覚悟や達観が感じられる。
運動不足が気になるが、これも意識が高ければ実は何も問題がないはずだ。
冒頭で紹介したNHKのニュースでやらせを演じたのではないかと言われた山瀬健治さんが、その件について語っている。
真相は記事を読んで感じていただきたいが、印象に残った言葉だけ引用しておく。
NHKの中高年ひきこもり報道「山瀬健治」ははたしてヤラセか?
つまり、ひきこもりと、成人発達障害者の問題は、「普通でなければいけない」「他人と同じでなければいけない」という、日本社会が内に持つ硬直化への圧力による社会問題であって、当事者を責めるだけでは全く解決しない、ということです。近年は、さらにその傾向が強まっており、誰でも一度転落したら二度と這い上がれない恐怖に怯えなければならない状況に向かいつつある、と思われます。
引きこもりとは船から降りた人のように扱われているが、そもそもその船は遅かれ早かれ沈没する運命かもしれない。
過渡期の現在、わたしたちは沈没間近のタイタニックに乗ってるとすれば、どのように振る舞うのが最も賢いだろうか?
引きこもりという市場は、『令和』における要注目の一つとなるだろう。