ただでさえ情報過多の現代で、SNSを始めとした個人でも行う情報発信が増えると、情報の総量は天文学的に増えていく。
しかし、天文学的に増えているのはオリジナルの一次情報ではなく、一次情報を基にした二次情報や、二次情報を基にした三次情報だ。
二次情報や三次情報に留まる情報は、まとめたり、論評したり、感想を述べたり、意見を言ったりするものが中心だが、それらは便利なものではあるのだ。
例えば書評ブログや書評レビューを読めば、本を読んでなくても疑似体験が得られるので、本を買うコストが節約でき、本を読了するための時間も節約できるので、お得だと考える人が多いのも当然だ。
ついでに言えば、疑似体験で得られることと本物の体験の差が小さいからまかり通る手法でもあるだろう。
基になった本の著者が一次情報の発信者で、ブログやレビューは二次情報の発信者になる。
しかし、現代ではその基になった著作自体が二次情報というケースも多い。
さらに、書評ブログや書評レビューを読んで、本を読んだ気になって、ブログやレビューを基にして意見や感想を発信すれば、それが三次情報となる。
そんな三次情報を一次情報であるかのように受け取る人も出てくるかもしれない。
こうして、一つの情報を基に無限の情報ループが広がるのが現代の特徴と言える。
だからだろうか、一次情報が過大評価される傾向があるし、一次情報の発信者が自分や自分が発した情報を守ろうとすれば、『一次』であることの価値をアピールするようになるのは当然だ。
上記のような捉え方とは違う説もある。
一次情報とは直接経験したり体験したことを意味するという説で、この場合、二次情報とは又聞きのようなことを意味し、三次情報とは発信者が不明な情報とされる。
いずれにしても、一次情報の条件としては、
- 初めて
- オリジナル
が必須に思える。
他の要素としてはプラスαで、
- 真実
- 正しい
があればなお良いが、そう思い込めれば(思い込ませることができれば)立派な一次情報として通用すると言えるだろう。
こういうことを踏まえると、現代ではアンテナに引っかかる情報の多くが一次情報ではない可能性が高いが、そんな情報を基に一次情報を発するという技を身に付ける必要があることが分かる。
情報の価値は、
伝わってナンボであり、
気付きを与えてナンボ、
に尽きる。
同じことを伝えていても、そしてその情報が一次であろうが二次であろうが三次であろうが、分かりにくい情報よりも分かりやすい情報の方が価値があるし、その分かりやすさが新たな気付きや発見を提示できることが大切となる。
分かりにくければ一次情報であっても価値は無い。
分かりやすくても、どうでもいいことを伝える一次情報にも価値は無い。
一次情報であることの前に、分かりやすいことと、中身があることが大事になる。
価値観の多様化が顕著な現代だが、分散化した価値観の根は思わぬところで繋がっていても不思議はない。
実際の一次情報は、一つのテーマについて発信される場合がほとんどだから、そこを突けば差別化できるかもしれない。
オリジナルの最低条件は、自分自身の意見や考えを備えてることだろうが、それに加えて、一見結びつかなそうな複数のテーマに共通点を見つけて、つなぎ合わせることができれば、それは付加価値のあるオリジナルの情報に昇格できるはずだ。
複数のテーマを結びつける場合、三つ結びつけられればオリジナル度はグッと上がり、立派な一次情報として独り歩きできるだろう。
三つのテーマは結びつけるだけならば簡単だ。
IKEAは普通に回っているだけで厨二心をくすぐる商品名にたくさん出会えるのでオリキャラのネーミングとかに困ってる人はIKEAに行くことを強く勧める。なんなら適当な商品名を二つ三つ組み合わせるだけで人名っぽくもなる pic.twitter.com/dWODBFRJZ0
— Miaata (@Zonny_Miata) March 1, 2019
しかし、収まり良く三つを結びつけるのは簡単に見えて工夫が必要だ。
あー三つの部品を組み合わせる時は2つを2回繋げるんじゃなくて一度に3つを繋げたい。そういう時に膨らんだり縮んだりとある程度融通の利く素材は便利で、そういう物を求めると木材がいいなという
— 極点 (@pole_froststone) March 14, 2019
コンバインとは、一台で収穫・脱穀・選別の三つの機能を併せ持った農機のことで、バインダー(刈取機)に脱穀機が合体したようなものです。 組み合わせるという英語(combine)に由来しています。
— さくらんぼう (@konnitiwantu) March 9, 2019
三つのテーマを独自目線で組み合わせることができれば、一つ一つのテーマは二次情報や三次情報でも、立派な一次情報となるだろう。