最も価値があるものは、フリー(無料)で提供されるようになるということが世間で語られるようになったのは、2009年にこの本が出てからだ。
2009年以前からパソコンのフリーソフトなどでは、お金を出して買わなければいけないソフトよりも使いやすく便利なものがたくさん出回っていた。
その当時よりもかなり以前から感じていたことに、予告編やCMで観たいという気になる映画は、実際に見るとガッカリすることが多いということがあった。
つまり、フリー(無料)の予告編やCMで充分だと思わせる映画が案外多いのだ。
こういう経験が続くと自然と映画館に映画を観にいくことから遠ざかるようになる。
そして、アニメ映画が人気が高い理由も納得できるようになる。
現在、CtoC(個人間の取引)に課金が伴うものが増えている。
以前だったら課金といってもリーズナブルな価格で取引されていたフリーマーケットは、今やアプリ上で展開され、値付けも決してリーズナブルなものとはいえないものもたくさんある。
また、フリーマーケット以前に「お下がりを譲る」というような文化もあったが、総じてビジネス化が顕著になっている。
ビジネス化が前面に出ると、仕入れ価格より高く売ることが最低条件になる。
ただこれを素人が行うために、売る方も買う方も商品の価値を正しく把握してないことが増えている。
最近は、ブログですら課金の対象にされることが増えているが、これも広い意味での情報商材ビジネスで、冷めた目で見ると詐欺と紙一重のものがほとんどだろう。
CtoC(個人間の取引)の課金ビジネスの世界は、お客はエンドユーザーとは限らないのは、取引相手が転売目的であることも多いので、一見大きな市場に見えても介在するプレイヤーが多いだけで実は市場は思っているよりも遥かに小さいはずだ。
文章が課金対象になるということは、書かれてる情報に価値があると思いがちだが、実際にはわたしにとっての映画の予告編と本編の関係に近いかもしれない。
つまり、お金を払う価値があるとするならば映画以外に、過ごす時間や空間に価値を感じられるかということが重要になるかもしれない。
役に立つ情報は、フリー(無料)で手に入れることを基本にすべきだが、これはあくまでもインターネット上の話で、直接人間どうしが対面で行動するような場合は、フリー(無料)に拘り過ぎると「タダほど高いものはない」というしっぺ返しを食らうことになるから要注意!