違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

手数料ビジネスと『カスタマーサクセス』!?

ビジネスや商売の基本は、『売ると買う』や『依頼すると依頼される』の関係で成り立つ。

 

成り立つためには双方の満足や納得を価格(=金銭的な価値)で確認することが必要になる。

 

それに対して、満足や納得とは無関係に、事前に決められた手数料で展開されるサービスがある。

 

それらは、手数料ビジネスと呼ばれる。

 

手数料ビジネスと聞いて何をイメージするだろうか?

 

昔からある典型的なものとして不動産の仲介などがある。

 

売主(貸主)と買主(借主)が直接交渉せずに、不動産業者(=仲介者)を介して取引するような場合に、不動産業者が手にする報酬が仲介手数料と言われ、売買額や賃貸の月額を基準に予め設定されてる。

 

昔ながらの仲介という手数料ビジネスが成り立ったのは、売主(貸主)も買主(借主)も不動産の専門家ではないことが多かったからだ。

 

他にも弁護士などの『士業』が関わることも手数料ビジネスとして昔から存在する典型的なものだ。

 

これらの手数料ビジネスは、結果の良し悪しに関係なく必ず発生するもので、士業の場合だと上手くいった場合は成功報酬で別途加算要素があったりもする。

 

また、最近では手数料ビジネスといえば銀行の名前が上がることが増えているが、利用者の満足度を高める要素は全く無いと言って良いだろう。

 

手数料ビジネスと呼ばれるビジネスの多くは、顧客の満足度とは無縁でも存在価値が薄らがない稀有なビジネスだといえる。

 

このような満足度の低い手数料ビジネスにも新しい波が押し寄せている。

 

満足度や満足度に対する期待に対して手数料を取るビジネスとしてサブスクリプションという形態が出始めた。

 

サブスクリプションが生まれた背景には、所有から利用へ価値観がシフトしたからと言われるが、それは所有の満足の持続期間が短くなったから、満足できなくなったら簡単に乗り換えられることが求められるようになったともいえそうだ。

 

現代のビジネスに一番欠けているのが満足の提供だが、満足と無縁だった手数料ビジネスの形態を取りながら、満足度を高めようとするのがサブスクリプション型ビジネスで、顧客満足度を意識したサブスクリプション型ビジネスが重視してるのが『カスタマーサクセス』だ。

 

カスタマーサクセスとは、顧客の満足度を高めれば顧客は継続的に手数料を払い続けサービスを利用し続けてくれるという考え方だ。

 

使いやすいサブスクリプション型のビジネスは、プラットフォーム型と呼ばれてることが多く、そんなイメージは持ってないかもしれないがAmazonやメルカリもサブスクリプション型のビジネスなのだ。

 

流行りのシェアリングビジネスもサブスクリプション型の一種だが、こちらは意外と満足度が低いビジネスが多いようで実情はあまり芳しくないようだ。

 

こうなると、禅問答が繰り返されるようになる。

 

ビジネスを仕掛ける側は、顧客の満足とは何かを考えようとしてるのに対し、顧客の側の私たちは自分が何に満足を感じるかを十分に理解できているだろうか?

 

流行りに飛びつく気持ちと満足を感じることは、一瞬だけは似てるのだが、持続時間に違いがある。

 

同様に、顧客の満足を高めようと考えてる企業がある一方で、顧客を利用して自社の満足度を高めようと躍起になってる企業も未だにたくさんある。

 

同じ満足でも、するのかさせるのかで結果は大違いになるのが現代だ。