『人の噂も七十五日』ということわざがある。
うわさ話なんてせいぜい七十五日程度で忘れ去られるから気に留める必要はないという意味で、小さなことにクヨクヨするなと言う意味で使われている。
その一方で、世の中には決して忘れずに後世に語り継がれなければいけないとされるされることがある。
戦争の悲惨さや日本の場合だと原爆の恐ろしさなどもある。
戦争と同じ位置に大規模自然災害も挙げられるだろう。
GoogleTrends で東日本大震災を2011年1月1日以降で見てみると、
震災から8年が経過してるが毎年3月に反応が上がるところを見るとまだ地震の恐怖は語り継がれていると言えるだろうが、次の同規模の地震まで語り継がれる必要があるとすれば400年〜600年語り継がれなければいけないのだ。
ところで、東日本大震災は地震というよりも津波の恐怖の方がインパクトが大きかったことがGoogleTrendsで感じられた。
直近の出来事に目を向けると、この一週間は大きな話題が多かった。
京都アニメーションでの放火殺人事件は、海外の主要メディアでも取り上げられたほどだった、事件の発生は7月18日。
大騒動になっている吉本興業だが、そのキッカケは宮迫&亮の記者会見で、行われたのは7月20日。
どちらの話題もSNSや報道ではまだ活発に取り上げられているので風化には程遠いイメージがある。
GoogleTrendsで「京都アニメーション」「吉本興業」を見てみると、
まだまだ現在進行系で盛り上がっている話題かと思いきや、世間の反応はすでにフェイドアウトを感じさせる動きを見せている。
今年の5月28日に発生した川崎市登戸での殺傷事件は、多くの人の記憶には留められたと思うが、GoogleTrendsで調べてみた。
事件を示す「川崎」「登戸」「殺傷事件」「殺害」など多様なワードを組み合わせて比較した中で最も大きな反応が得られたのが「カリタス」だった。
事件の前日5月27日から1ヶ月の検索状況だが、ピークを100として6月7日以降は1未満の反応になっている。
『人の噂も七十五日』と言われた時代はとうに終わり、現代では噂の持続期間は一週間から十日に短縮してると言えそうだ。
ただ昔との大きな違いは、昔は七十五日経てば忘れてもらえていたが、現代は過去がタグ付けされ検索可能になっているので、話題としては持続しなくても、いつまで経っても忘れてもらえなくなる。
悪いことで名前が晒されると、たとえそれが間違いであっても取り返しがつかないことになる。
話題性の持続期間はどんどん短くなりそうなのに対し、軽率なミスは取り返しのつかない一生かけて償う十字架のようになるのかもしれない。