本音と建前の本音が強く現れるのがマンガの世界。
マンガの世界は分かりやすく、感情移入しやすいところが良い。
自分の気持ちに近ければ共感が強くなり、そのマンガの世界観にどっぷりとはまってしまいやすくなる。
マンガの世界観は男性と女性で大きく異なるが、男性の場合は少年、女性の場合は少女というジャンルで括られることが多く、テーマも特定のものに集中する。
少年マンガの3大テーマは「友情」「努力」「勝利」と言われ、時代錯誤と言われながらも『スポ根』は熱狂を演出することには欠かせないので、リアルな体育会系の雰囲気が色濃い組織では根強くスポ根が生き続けている。
そして日本人男性の考え方や行動に知らず知らずのうちに影響を及ぼしている。
スポ根は非効率だと頭では理解していても、ここ一番という時にはスポ根的な対応をしたり、他人に求めることがある。
この「スポ根」と「友情」や「努力」が混ざり合って「勝利」を目指そうとすると、パワハラをはじめとするハラスメントが顔を出すようになる。
不思議なことにスポ根を許容すると、これらのハラスメントも許容範囲に収まることが多くなる、内心では嫌であっても。
一方、少女マンガの3大テーマは「幸せ」「胸キュン」「オンリーワン」と言われ、現状や年齢に関係なく追い求めるものだと言われてる。
不倫や浮気にはまったり、恋愛系の詐欺に引っかかったりする話が後を絶たないのは、女性が自分に都合が良いように「幸せ」「胸キュン」「オンリーワン」を脳内で描くからだと言われてる。
女性をターゲットにしたビジネスや詐欺では、「共感」を得ることを大事にし、そのために女性の考え方や環境や境遇を「全肯定」することで「優しさ」を感じさせることを徹底する。
このような行動は、やれば効果があると分かっていてもできない男性はたくさんいる、だからこそやればできる一部の人が結果を出すのだ。
先日放送されたNHKのNスペ「半グレ」で、女性を風俗に送り込むために丁寧で戦略的な疑似恋愛が駆使されていたが、女性の側にマンガの世界をイメージするような心理が働いたのではないかと感じている。
NHKスペシャル「半グレ 反社会勢力の実像」引き込まれる。半グレ組織で働き、女性を罠に嵌め風俗店で働かせる犯罪行為をしていた大学生のコメント「(半グレの組織にいると)PDCAをちゃんと回せる」「成長できる」。ここでも〈自己啓発〉が蔓延する。新自由主義だ。https://t.co/EKMrelSptG
— 稲松 (@humanworld_kuri) July 27, 2019
少年マンガも少女マンガもマンガを読むことが好きな人でマンガの世界観にのめり込むような人達は、人間関係に期待することが増え、人間関係を大事にしたいと思っているだろう。
マンガの世界観にリアリティが高いほど理屈が強くなり、リアリティが低いほど夢やファンタジーが強くなる。
影響を受けているマンガの世界観によって思い描く人間関係も変化するだろう。
リアリティのある人間関係をイメージするのか、それとも夢やファンタジーで彩られた人間関係なのか、今やスポ根はリアリティが下がり夢やファンタジーの世界になりつつあるがまだまだブラックの温床だ。。
シェンロンが一つ願いこと叶えてあげるって言ってきたら迷いなくこのコーナーを消してくださいと言う。 https://t.co/94V9n3BCc7
— ダルビッシュ有(Yu Darvish) (@faridyu) July 28, 2019
リアリティの高いマンガほどブラックやハラスメントを直接描き、夢やファンタジーはハマると自分に都合良く考える癖を付けるので巡り巡って詐欺の被害者になりやすくなる。
マンガ自体には罪は無いが、マンガが好きということは被害者になりやすいという意味で要注意だろう。