違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

ZOZOとパチンコに感じる共通点!

ZOZOの前澤社長退任のニュースが、この数年ZOZOが展開した施策の多くが失敗してることとと関連付けられて報道されているのを見て、かつての娯楽の王様だったパチンコの衰退との共通点が感じられたので、それについて書いてみたい。

 

今回焦点を当てるのはZOZOもパチンコも経営や運営側の視点ではなく、その客の側からの反応やリアクションについて。

 

一定の需要を実現し売り上げや利益が評価されるようになった後で、さらに上を目指そうとする場合、一般的には①客数を増やす②客単価を上げる、が狙いどころになる。

 

①と②は同時に実現できれば最高だが、客数は増えなくても(少々減っても)客単価の上昇が実現できれば、あるいは客単価を下げても客数が増えれば、売上も利益も上がり評価されることもある。

 

ZOZOがこれらを意識して展開したのだろうと思える施策を時系列で示すと、

 

2012年11月から配送料の無料化を始める。

 

2016年11月からツケ払いを始める。

 

2017年11月にZOZOスーツの配布を発表

 

2018年1月からZOZOスーツを配布

 

 

お客にとって便利やお得を提供するための情報を発表する際に煽るような炎上を狙うこともあった。

 

配送料無料を打ち出す直前にはこんなことを言っていた。

 

タダで届くと思うんじゃねえよ』は顧客の期待を裏切る最悪の対応だった。『タダで届くからEC』というのが顧客の本音で、もとより宅配料金が高かった欧米では送料取るなら店受け取りを選択するというC&Cシフトが急伸している

 

振り返れば、前澤氏は12年の10月20日20時56分に『ただで商品が届くと思うんじゃねぇよ』とツイートした段階で顧客を見捨て、今度は社員や取引先など広範なステークホルダーを見捨てたことになる。記者会見で社員の落胆に前澤氏が目頭を熱くしたシーンに違和感を感じた人も多かったのではないか。

 

小島健輔が深層を解明「前澤氏はとっくにZOZO経営の情熱を失っていた」

 

 

 

 

客の心理を掴もうとしての発言で、同業者や業界の反発を招いて、敵にしてはいけない人たちを敵にしてしまっている。

 

 

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2018年末「ZOZO ARIGATO」と銘打つキャンペーンでは、出店ブランドの商品をZOZOの負担で、常時10%オフで販売すると発表されたが、予告なしの安売りに有力出店ブランドの間に不満が広がり、一部ブランドが撤退を決めるなど“ZOZO離れ”現象が生じ、2019年4~6月期では、年間購入者数が初めて減少に転じた。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ZOZO

 

 

 

世間では一定の評価を得、いまだに高く評価する人も多いため顧客数も多いし売上だってそれなりにあるのだが、ツケ払いを始めた頃からZOZOには社会悪のイメージもついて回るようになっているところが、わたしにはパチンコに似てると感じられるのだ。

 

わたしはパチンコはしない人生を歩んだので気付いたことがある。

 

もともと娯楽の王様と言われ、どのパチンコ屋も繁盛してたのだが、バブル景気の頃におそらく銀行が音頭を取ったのかもしれないがパチンコ業界がパチンコをしない人を客にするための施策を実行するために店舗改装をするようになったのだ。

 

タバコ嫌いの人のために空気清浄機を設置し匂いを取るためのエアシャワーを設置したり、二人掛けのカップルシートを作ったりし、テレビとタイアップで最近のパチンコ屋は変化してるという特集をやったりしていた。

 

しかし、客数が増えることはなかった。

 

とすれば、狙いは客単価を上げさせるしかなくなる。

 

そうなると射幸心を煽る台が増えていった。

 

従来のパチンコファンはますます熱中したが、パチンコ代を借金に頼る人が増え自己破産の増加など社会問題化し射幸心を煽る台が排除されるようになると、急激に客数が減り始めた。

 

客が減り始めていたであろう平成7年からのパチンコ業界の売り上げや客数を示すデータがあった。

 

パチンコ業界の売上と客数の推移

パチンコホールの売上、参加人口、活動回数   日本遊戯関連事業協会  

 

 

 

パチンコ客の減少に関してはさまざまな分析や意見があるだろうが、平成29年の900万人はコアなパチンコファンと言えそうだし、かつて3000万人いたパチンコファンの大半は他にすることないからパチンコしてただけという人が多かったのだろうと想像できる。

 

次のブログは16歳の分析で、いろいろデータも添付されているので詳細に興味がある方は是非見ていただきたい。

 

「ファッションECといえば」ですぐに連想されるのは「ZOZOTOWN」。

それほど業界で有名かつ大きいZOZOですが、実際にはどのような層が利用しているのでしょうか?

というわけで、今回は「株式会社スタートトゥデイ」のIRを読んでZOZOユーザーを徹底分析してみました。

先に結論だけいっておくと、主要ユーザーは「ファッションに興味がない層」です。

そう結論づけられる理由をいくつか述べていきたいと思います。

 

http://dattsu1516ii.hatenablog.com/entry/2017/06/03/192518

 

 

 

ZOZOと(かつての)パチンコに共通してるのは、コアなファンに支えられてるわけではなさそうという点だ。

 

ZOZOは業績だけ見ると、まだ大きな減少期には入っているとは言えないが、見通しに暗さを感じるのは私だけではないだろう。

 

おそらく、ずっと以前から前澤さんはそのことに気付いていたはずだ。

 

萎えるモチベーションを必死に鼓舞するために炎上劇を展開していたが、何がキッカケだったのか張り詰めていた糸がプツンと切れてしまったように感じられる。

 

客数を増やすというビジネスは偶然や運という要素に振り回されそうだと分かる。

 

 

客を増やすというよりも、ファンを増やすことを考えるべきだし、ファンの度合いが深まれば客単価が上がっていくという流れが正常進化だと思えてくる。

 

 

そういう目で見ると、急速に多店舗展開するとすぐにダメになるところって多そうな気がする、結局増えた客はファンではないからだろう。