違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

『ノスタルジー市場』という魔物!

過ぎ去った時代や失われた故郷を懐かしむ気持ちをノスタルジーと言う。

 

映画「三丁目の夕日」は、一人一人の心の中に存在していたノスタルジーという極めて個人的な想いを表舞台に引っ張り出したと言われている。

 

リアルタイムでの昭和体験の無い子供が親に連れられ「三丁目の夕日」を見て『懐かしいね』と言った話を聞いたことがある。

 

 

ノスタルジーは、失われた子供時代や青春に感じることが多い。

 

必然的に過去が主役になる。

 

 

過去と言ってもそれが歴史になるとノスタルジーは感じない。

 

ノスタルジーにはリアリティーが必要だ。

 

今は無いけど以前はあったものに対してや、以前は確かに近くにあったのに手が届かなかったものに対して感じるのがノスタルジーで、再び手に入れることができればきっと良いことがありそうな気がするのでノスタルジーにそそられるのだ。

 

ノスタルジーは、大なり小なり誰の心にもある。

 

 

バッドボーイズ佐田、40歳のW成人式で「青春取り戻したい」

「自分が20歳の頃はもう芸人でお金も余裕もなくまったく思い出がありません」と不遇の時代を回顧し、「あの頃より余裕が出来た自分へのご褒美で、もう一度W成人式で青春を取り戻し、たくさんの思い出を作りたいと思います!」

 

 

男性の場合クルマやバイクにそそられる気持ちの背後にノスタルジーが影響していることが多い。

 

第2世代と呼ばれる日産「スカイラインGT-R」の中古車価格はなぜ高騰しているのか?

当時スカイラインGT-Rに憧れていた世代が、ある程度収入に余裕が出てきたことで、購入を検討するようになったこと。

 

ノスタルジーを感じさせるものの人気が市場を形成するようになると自然とその輪が広がるようになる。

 

クルマ離れと言われる若者でノスタルジー体験を持たないのに、ノスタルジー市場に入り込む人もいる。

 

ノスタルジーの裏にはドラマや伝説があるが、その擬似体験がSNSを介して伝わるからだ。

 

【旧車トレンド】ブームの背景にイベント&SNSで広がる旧車コミュニティ

「最近は20代など若い人は増えている印象はありますね。これって、SNSの発達がすごく関係していると思います。SNSが発達して、まず昔どんな車があったのか簡単に調べられるようになった。そして興味を持った旧車のコミュニティーに参加して情報を共有できるようになった。これが大きいと思います。旧車って(メーカーのパーツの供給が止まるので)絶対に一人じゃ維持できないんですよ」

 

ノスタルジーの共有だけであれば、それは微笑ましい光景だが、そこに市場が形成されると不思議な現象が起こる。

 

(旧車を取り扱って)30年以上になりますが、旧車には、今の車にはない個性が魅力だと思います。実際、旧車人気の高まりは感じますね。シーンの盛り上がりは非常に喜んでいるのですが…、それに伴って仕入れ価格も上がっていて。販売価格もすごい額になっているものもあるでしょう?状態のいいものは特に…。プレミアがつきすぎているので、(一般の人たちがブームの高まりに)逆に引いてしまうのではないかというのは心配です。

 

 

人生100年時代と言われるようになって久しいが、残りの人生を活力あるものにするためには心に栄養が必要になる。

 

そんな栄養の一つがノスタルジーなのかもしれない。

 

ノスタルジーを感じさせるものを身近に置くことで、若い頃の自分を保ててるという錯覚を楽しんでいるのかもしれない。

 

 

このノスタルジーを求める気持ちは怒りに繋がりやすいという特徴がある。

 

ノスタルジーで自分を慰めているのは自分の内なる不満や怒りである場合がある。

 

 

ノスタルジーで代替できない怒りや不満がトランプ大統領を誕生させたとも言われている。

 

 

ノスタルジーをそそるものは、一見心温かい雰囲気を感じるが、その背後に不満や怒りが隠れている場合が多い。

 

ノスタルジー市場が賑わっているということは前兆現象なのかもしれないと知っておいた方が良い。