変化には良い変化と悪い変化がある。
伝統銘菓をロールケーキにしたら入手困難なほど大ヒット、進化する佐賀の和菓子屋
さが錦は軟らかい生地に山芋を練り込んでふんわりと焼き上げた「浮島」と呼ばれる和菓子を美しい層をなすバウムクーヘンで挟み込んだ和洋折衷の銘菓である。佐賀の伝統工芸品に指定されている織物「佐賀錦」をイメージして約40年前に生み出された。
さが錦の特徴はふんわりとした口当たりの浮島と美しくきめ細かい層を織りなすバームクーヘンのコラボレートによる独特の食感と味わいである。「さが錦ロール」はこの特徴を余すところなく受け継いだ商品となった。
この形でありデザインを次のように変えたらヒットしたらしい。
このように中身は大きく変わるわけではないが、小さな変化で大きくイメージが変わることを狙うのが『リ〇〇』と呼ばれる。
代表的なものに、リニューアルやリデザインがある。
英語で言うところの『re+(元の単語)』で、(元の単語)にアレンジを加えた意味を持たせる。
全く新しいものを作り出すのと同じくらいの効果が得られる力を持つかもしれないのが『リ〇〇』。
世間の目に触れやすいリデザインの事例としては企業ロゴや商品やブランドのリデザインがある。
冷めた目で見ると、中身が変わってないのに表面だけ変えて何になるのかという意見も多いだろう。
コンサルなどが得意顔でプレゼンテーションをしてる姿を見ると私も同じことを感じるだろうが、上手くいけば効果はあるのだ。
しかし、世の中はそう単純ではないので上手くいかない事例もある。
アメリカのアパレルGAPが2010年にロゴをリデザインしたのだが、このデザインはネット上でブーイングの嵐となり大炎上しわずか2日で元に戻された。
下の図の左から右にリデザインされたが2日後には右から左へ戻ったのだ。
海外の事例で日本でもお馴染みのブランドのリデザインの失敗をもう一つ上げると、
ジュースでお馴染みのトロピカーナも同じ失敗をしている。
リデザイン後1ヶ月後に元に戻してる。
Tropicana changed its long-time logo in January 2009 but reverted back to the orange-bearing logo a month later after facing public disapproval and a drop in sales.
https://money.cnn.com/gallery/news/2015/09/03/logo-changes-public-outrage/12.html
リデザインは気分転換には最適だが、企業が取り組むと莫大なコストがかかるので一大決心が必要になる。
しかし、個人にとっては気持ち一つで簡単に生き方だってリデザインできる。
趣味や遊びのリデザインも簡単にできる。
リデザインの良いところは、中身は大して変わるわけではなくても、体験の変化につながりやすいこと。
注意点は最初にコストをかけ過ぎないことであり、周りからは勝てば官軍負ければ賊軍という目で見られること。
それでも、良くない流れを断ち切りたい時や、行き詰まりを感じる時には、リデザインを考えるのに向いたタイミングと言えるだろう。
リデザインがうまく行くと、中身は大きく変えずに、印象や体験だけを大きく良い方向に変えることができる。