今日から令和2年が実質的にスタートという人が多いだろう。
2019年末の紅白歌合戦は歴代最低視聴率を更新したが、NHKも手をこまねいていたわけではなかった。
若者の視聴率を上げようと対策をしていたのだ。
令和の「紅白」 若者狙い“サブスク選考”初導入 [ 2019年11月15日
出場歌手の人選は、テレビの中心視聴者層の中高年にも喜ばれ、テレビを見ない世代とされる若者層を振り向かせることが課題。若い世代のヒット曲が紅白を経て流行歌まで高まればサブスク選考が令和の選考法として定着する。
いつの頃からか聞くことが増えたことばがサブスクリプション。
紅白歌合戦に関してはサブスク選考は最低視聴率を更新したという意味では成功とは言えなそうだが、サブスク選考を採用してなければもっと低かったのかもしれない。
世間でのサブスクリプションの認知度をGoogleTrendsで検索可能な2004年以降で見ると、
やっぱり最近のことばだと分かる。
次世代消費の切り札としてサブスクリプションに期待する声は大きいが、令和元年のサブスクリプション消費の傾向はどうだったかというと、
『令和の消費に関するアンケート調査』「2019年は例年よりお金使った人」が7割、最も高かった買い物 1位「旅行」 2位「車」 3位「パソコン」
ここ最近、消費傾向が「所有」から「利用」へと変化していることで増え始めているサブスクリプションサービスについて、普段どのようなサブスクリプションサービスを使っているかを複数選択で聞いたところ、1位は「映画・ドラマ・アニメ」(14.9%)、2位は「音楽」(9.7%)、3位は「本・雑誌」(5.9%)、4位は「食品」(4.7%)、5位は「ゲーム」(4.2%)とのランキングになりました。特に10~20代では「映画・ドラマ・アニメ」は28.9%、「音楽」は21.1%とエンタメのサブスク利用が高いことが分かりました。一方で「サブスクリプションサービスは使っていない」と回答をした人は全体で64.2%となり、今後のサブスクサービスの広がりを感じさせる結果となりました。
飲食店でもサブスクリプションは始まっていて、業態としてはカフェやラーメン店や居酒屋やワインバーの一部で採用するところが現れていたが、最近競争が激しそうな焼肉やステーキの業界にも広がったようだ。
牛角のサブスクリプション。かなり強烈ですね。食べ放題見かけたから見に行ったら飲み放題もあるじゃないですか。
— 暇なおじさん1.86 (@kakkies03) 2020年1月5日
食べ放題は週一行くなら安くなるって計算。
飲み放題はかなり破格…。
1ヶ月食べ放題11000円
1ヶ月飲み放題1628円
1ヶ月カルビ専用ご飯食べ放題385円 pic.twitter.com/P00GOT1oS6
大食いのための大盛りサービスや食べ放題では、元を取ろうと頑張るとトレードオフとして自分の体調や健康を犠牲にする可能性が高まるが、サブスクリプションモデルだと元を取ろうという気持ちは大食いではなく、毎日通うことで無理なく満足させられるので、お気に入りの店がサブスクリプションを始めてくれたらラッキーかもしれない。
元を取りたいという気持ちは、得をしたい(≒損したくない)という気持ちから起き、人間の原始的な欲求だ。
気に入ったら繰り返し使いたいというのは人情として理解できるので、サブスクリプションがそういう気持ちを満たすのならば十分アリだ。
わたしが興味を持つのは、さほど気に入ってるわけではないがサブスクリプションやってるからと繰り返し利用してるうちに、お気に入りと同じ扱いになったりするだろうかという点だ。
プライベートでは使いたくなくても、会社や業務で使用を余儀なくされると、慣れてくると「これで十分だ」と思えるものは少なくない、ただそのような場合はコストは負担してないからとも言える。
これで十分だと思えるものは、コストが折り合えばお気に入りに昇格できるだろうかと考えていると、身近な契約の多くは気に入ったからというよりも、もっと消極的な理由で「まあ、いいか」と選んでるような気がしてくる。
そして、一旦使い始めると解約の煩わしさから使い続けるようになる。
携帯電話や保険なんか典型だろうが、これらはサブスクリプションだとは言われない。
サブスクリプションが増えることは、価値観が所有から利用へシフトしてるからと言われるが、これは別の言い方をすると価値がモノという形から形のない概念にシフトしてるのかなと思えてくる。
じっくり考えると、サブスクリプションは奥が深そうだ。