違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

俳句はHaikuとして世界に通用してる!

俳句の人気が高まっているが、俳句はHaikuと書けば世界に通じるという話を聞いたことがある。

 

試しにGoogleTrendsで検索可能な2004年以降ですべての国を指定して『俳句』『Haiku』を比較してみたら、

 

GoogleTrends『俳句』『Haiku』すべての国 2004年以降

 

検索データから見るとHaikuが世界に通用してることが感じられる。

 

小刻みなギザギザが目立つが、そのギザギザを細かく見ると、グラフが盛り下がるのは7月か8月で、盛り上がるのは9月10月4月だと分かった。

 

ちなみにHaikuに反応する国はというと、

 

『Haiku』に反応する国

 

日本人に馴染みが深い国が多いと分かる。

 

俳句には季節が大きく関係するが、日本の季節がそのまま当てはまるわけではないのだが秋と春がHaikuにも向いていて夏は興醒めするのだろうかとも感じるが、英語圏では新学期の始まりが9月が多いので新しい何かを始めるのも9月が多いのかなとも想像するが、その理由は現時点では謎だ。

 

英語のWikipediaにはHaikuの定義として以下が挙げられている。

 

 

〜〜以下引用〜〜

 

  • a focus on nature or the seasons

 

  • a division into two asymmetrical sections that juxtaposes two subjects (e.g. something natural and something human-made, two unexpectedly similar things, etc.)

 

  • a contemplative or wistful tone and an impressionistic brevity

 

 

  • an emphasis on imagery over exposition

 

  • avoidance of metaphor and similes

 

  • non-rhyming lines

 

 

Some additional traits are especially associated with English-language haiku (as opposed to Japanese-language haiku):

 

 

  • a three-line format with 17 syllables arranged in a 5–7–5 pattern; or about 10 to 14 syllables, which more nearly approximates the duration of a Japanese haiku with the second line usually the longest. Some poets want their haiku to be expressed in one breath

 

  • little or no punctuation or capitalization, except that cuts are sometimes marked with dashes or ellipses and proper nouns are usually capitalized

https://en.wikipedia.org/wiki/Haiku_in_English

 

〜〜引用ここまで〜〜

 

 

  

といろいろ規定らしきものはあるが、日本の俳句よりは緩い(=自由)と考えていいはずだ。

 

1974年に総領事としてシアトルに赴任した外交官の内田園生さんは、シアトルでのHaikuコンテストに総領事杯を出して欲しいと頼まれて俳句がHaikuとして浸透してることに驚いたらしいが、さらに驚いたことにその11年前には『American Haiku』という専門誌が出され、翌1964年には日本航空が全米でHaikuコンテストを行ったら4万1000通の応募があったらしいと著書に書いている。

 

 

 

 

 

 

1964年の日本航空主催のコンテストで大賞を獲得したのが地元シアトル出身のJ.W.ハケットさんでそのHaikuが、

 

A bitter morning

 

sparrows sitting together

 

without any necks

 

寒い朝に、スズメたちが首をすくめながら集まっている様子を詠んだHaiku。

 

 

この本で紹介されてるHaikuには他にも以下のようなものがある。

 

 

Muttering thunder …

 

the bottom of the river

 

 Scattered with clams

 

雷鳴つぶやき川底に貝散乱

 

 

thunderの後の『…』(…は下寄りが正しい)が、俳句の『や』に相当するとのこと。

 

 

アメリカHaiku協会の元会長の作が次。

 

 

Rush hour …

 

rear view mirror glitter

 

in spring sunlight

 

 

ラッシュアワーの渋滞の苛立ちをバックミラーに映った春の日差しが和ませてくれたことを詠んだHaikuで、これも『…』の使い方が矛盾を対比させる役目を果たしているらしい。

 

 

日本にはなかなかない広大な土地を詠んだHaikuもある。

 

Prairie

 

near and faraway

 

the quiet clouds

 

丸く見える広大な大平原の上空の近くや遠くに浮かんだ雲を詠んだHaiku。

 

 

このように、英語で詠まれたHaikuはちゃんと俳句として成立してることが感じられる。

 

 

言語としての日本語はグローバル社会の中ではマイナー語だが、その魂みたいなものは言語の壁を越える力を持っているような気がしてくる。