街から人が消えたことは、実際に自分の目で見て知ってる人も多いし、各種の報道で直接見ることができない地域でも同様に人が街から消えてることを知ると、全国的に起きてる現象だと実感が持てる。
消えたと表現したが、少々煽り気味の表現であることは分かったうえで、外出する人が極端に減った様子が数日続くと、最初は非日常に感じた光景はやがて日常に思えるようになることの、感情のギャップが大げさな表現を求めるのだ。
こんな時には、感情を抜きに冷静に数字やデータでギャップを説明できないものかと感じる。
統計のような小さな限定的なデータで類推するのではなく、ありのままの数値化が欲しくなる。
このデータは解釈が難しいものでは意味がない。
単純明快なものが欲しくなる。
外出の自粛に加えて営業の自粛が浸透したおかげで、多くのビジネスが休業及び開店休業になっている。
今は、客を呼び込むための広告宣伝の効果はほとんど無いと言って良いはずだ。
新聞の折り込みチラシを見てもドッサリ入っていた土曜日のチラシがペラペラになっているのは、休業してるのだから当然だ。
また、通常営業してるスーパーなどでは、お客が通常以上に来店してるので(地域差はあるだろうが)、置いてある商品は宣伝などしなくても売れているし、欲しいものが無ければ代替品を探すので、本来は売れ筋では無い商品も宣伝無しで売れているように感じられる。
また、多くの人が経済的な心配をするようになっているので(キャッシュレスであっても)財布の紐は閉まりがちで、欲しいものすら我慢してる人も多勢いるだろう。
つまり、最近は近年まれに見る広告宣伝無用の日々が続いているのだ。
平時には、ビジネスにとって、広告宣伝費は麻薬と言われることもある。
ビジネスや商売が順調で拡大基調にある企業がする広告宣伝のことではなく、逆に売り上げが不振で目の前の売り上げに執着する時に、広告宣伝に頼る経営者が陥る経費の無駄遣いのことが麻薬と呼ばれる。
やめたくてもやめれなくなるというのが共通点。
さて、人の動きが消えるということは、人を呼び込む動きも消えるのだろうが、それはデータ化し可視化できるのだろうかと思っていたら、そういう話が出ていた。
YouTubeのトラフィックは増加しているのにYouTuberの収入は激減している 4月14日 Gigazine
日本の話というわけではなさそうだが、
〜〜以下引用〜〜
多くの人が自宅で過ごすようになってNetflixのトラフィックは16%増、YouTubeのトラフィックは15%増となっていますが、その一方で、広告主が減りYouTuberたちの収入が激減していることがわかりました。
〜〜引用ここまで〜〜
やっぱり、新聞の折り込みチラシと同様にネット広告もコスト削減の対象にはなっていて、すでに顕在化してるのだ。
上記の記事によるとYouTubeの場合、集客は増えているのに、その集まった客に対して告知する広告が減っているのだ。
〜〜以下引用〜〜
YouTubeのトラフィックが増加しているという点では、YouTuberにとって、新規の視聴者を獲得するチャンスだともいえます。しかし、コンテンツの数が増加すると入札競争が少なくなり、広告料はより安くなるという問題もあります。市場が縮小するなかでコンテンツはどんどん作られているためです。
〜〜引用ここまで〜〜
注目したいのは、『市場が縮小するなかでコンテンツはどんどん作られるためです』という点だ。
わたしには、現在の市場が縮小してるというよりも、現在の市場はむしろ過剰に膨張しすぎてメタボになって、過激なダイエットを始めたように感じられる。
このダイエットはコロナがキッカケだが、コロナ収束後も継続されるのか、それとも収束後にはリバウンドするのか、大いに興味がある。
経済面だけを見ると、リバウンドを望む人も多いだろうが、地球環境やサスティナビリティ(持続可能性)という観点で見ると、ダイエットの効果は、ほんの短時間で改善の兆しすら見せるのだ。
What nature really is and how we screwed it up.
— Soul of a Warrior (@Deewalia) 2020年4月3日
This is Dhauladhar mountain range of Himachal, visible after 30 yrs, from Jalandhar (Punjab) after pollution drops to its lowest level. This is approx. 200 km away straight. #Lockdown21 #MotherNature #Global healing. pic.twitter.com/cvZqbWd6MR
このツイートはCNNでも取り上げている。
インド北部から数十年ぶりにヒマラヤ眺望、新型コロナ対策で大気汚染改善 2020.04.10
日本のことに話を戻すと、
街から人が減るという現象が起きた最初の頃は、オリンピック開催を死守するためと言われて始まった。
電通が他社に先駆けてテレワークを始めたのが2月26日、この日同じく汐留に所在する資生堂もテレワークに移った。
翌日の2月27日にはやはり汐留のパナソニックもテレワークに移った。
街から人が減るという現象は、この頃から進み始めていたが、まだ特定の狭いエリアでの話だった。
オリンピックの延期が決定されたのは3月24日。
オリンピックという重しが取れたせいか、以降日本では更に自粛が強化され、あらゆるビジネスが目に見えて実害がより顕著になった。
自粛に加えて4月6日には、翌日7日から都市部に緊急事態宣言を出すと発表された。
この結果、実害に加えて世間の空気が大きく変わり始めたように感じる。
有名人のいつも通りの発言が、いつもだったら好意的に受け止められていた発言が、炎上することが増えだしたのだ。
書きました。よろしくお願いします。→為末大、本田圭佑、スガシカオが炎上……いま、有名人の「コロナツイート」が燃えやすい理由 #為末大 #本田圭佑 #スガシカオ #文春オンライン https://t.co/Tv1sfJ6djA
— 西澤千央 (@chihiro_nishi) 2020年4月12日
この記事の最後にはこうある。
〜〜以下引用〜〜
騙されたくないんです。もうこれ以上騙されたくない。森友問題で犠牲となった、故・赤木俊夫さんの胸を裂かれるような苦悶のメモが与えた影響も少なくないでしょう。嘘ばかりの政治家にも、体のいい言葉で口を塞ごうとする意識高い系にも、電通「的な」ものにも騙されたくない。
〜〜引用ここまで〜〜
広告宣伝が無用になったことと、『もう騙されたくないんです』はシンクロしてるような気がする。
念のためにブログをアップする前に検索すると、日本でもYouTubeを含めたネット広告としてのアドセンスは激減してるらしいと分かった。
UUUM、20年5月期の最終利益を8.8億円→4億円に大幅下方修正…アドセンス下振れ、コロナウイルスによるイベント中止で損失計上で 2020年04月14日