世の中には、知っているはずなのに、敢えて指摘されないと気付かないことがある。
天気予報の元になる気象データは衛星や各地の観測所や測候所から集められてると思っていたが、コロナのおかげで意外な事実を知ることができた。
知ってみるとさもありなんなことなのだが、言われて初めて気付いたのでコロンブスの卵的な反応になる。
気象データは、世界中に1万以上ある観測地点や、航行中の船や飛行機、海洋に浮かべられたブイ、気象衛星などから情報を集めている。さらに世界中およそ1000カ所で、ラジオゾンデと呼ばれる風船を高さ30キロほどまで同時刻に上げて、上空の大気観測をしている。
この記事の中で、
気象予報士の白戸京子さんは
「飛行機では主に、風や温度の情報を収集します。時には湿度や機体の揺れの原因になる乱流の情報も報告されているんです。飛行機は、天気の解析に重要なジェット気流の近くを飛びますし、地上に観測点のない空白域のデータを埋めるのに大きく役立っているんです。WMOでは1日に80万もの航空データを集めていたのですが、ここ2週間でその数が激減しているようです」(※記事が出たのは4月11日)
と語っている。
知っているはずなのに、分かってないことや十分に理解してないことがある。
既に知っていることを正しく理解できることにはコロンブスの卵的な発見がある。
コロナ対策として3密を避けるために80%の接触削減が自粛という形で求められてるが、『〇〇しなさい』や『〇〇してはいけません』という要請は、一般的には徹底されないものだ。
このような場合、コロナを恐れる人の気持ちで指示が出されるので、『関係ねえよ』と思う人は少なからず出るのだ。
オレオレ詐欺も同様だったことを思い出す。
『騙されねえよ』と思う人が騙されていたのだ。
騙される側に『〇〇しなさい』『〇〇してはいけません』というだけでは肝心なことは伝わらないのだ。
詐欺師が何を考え、そのためにどのようにアプローチしてるかが分かることで、真の警戒心が身につくのだ。
このような場合、既に知ってたはずのことを違う角度から見ることで、コロンブスの卵的な気付きが生まれるのだ。
コロナに話を戻すと、ウイルスを恐れる気持ちを煽ることも必要だが、それ以上にコロナの気持ちを理解することが大事になる。
- コロナは単体では長生きできないので宿主を求める
- 宿主は人間(の細胞)
- 人間が外出しなければ外にいるウイルスの寿命は短い
- 体内に入ったコロナの寿命は潜伏14日に加えて発症後14日の計28日が一般的
- この28日間の中で新しい宿主を探し続ける
これらを総合して最も手っ取り早い対処が自粛なのだ。
コロナの場合、正しく恐れることが重要なのだが、ほぼ全員が徹底できて初めて効果が出るので、合言葉のように言われる80%削減は高邁な理想ではなく最低目標に過ぎないのだ。
知っているはずのことを違う角度から捉えると、コロンブスの卵的な発見があることはおもしろいし新鮮だ。
その他でも、コロナ関連のコロンブスの卵的な話を探してみた。
Twitterを見てると、24時間営業のドラッグストアではマスクを求める列ができてないと指摘するものがあった。
最近のマスクを求めて開店前から列を作ってる大勢の姿がテレビで伝えられてるが、これって開店時間という設定があるから起きる現象で、
いつの頃からか良くないことの代名詞のように言われるようになった24時間営業だと起きない現象なのだ。
3密を防げが合言葉になってるが、『〇〇してはいけません』と言われると、かえってやりたくなるのは人間の性(さが)なので、ラテン気質の国では対策も独特になる。
2片かと思いきや丸々2つかい。ニンニクマシマシどころの騒ぎじゃない
— com (@com36317491) 2020年3月7日
3密とは厳しめに表現すると半径2m以内の空間を共有すること。
さて、満員状態が少し緩和された都心の通勤時間帯の電車の減便が求められるなど、現政権下では満員電車は3密空間には当たらないと解釈してるようだが、これをコロンブスの卵的に解釈すると次のような理屈が成り立つのだろうか。
現在の満員電車でおしゃべりに夢中の人はいない(はず)、だとすると咳やくしゃみ以外では飛沫感染は起きない。
このコロンブスの卵的な発想を支えることができるのはマスクだけになる。
そんなマスクですら実効性が薄いことは周知の事実。
満員電車に乗ってる人たちは脳天気なわけではなく、我慢して耐えているのだ。
コロナ収束後の3密空間は、きっと我慢を象徴する空間になっても不思議はない。
今は少々飢え気味の半径2mの空間を共有することで成立していたスポーツやコンサートや演劇や映画その他の観るという文化は、コロナ収束後には生理的嫌悪が拭えないかもしれない。