わずか2ヶ月足らずのうちに、濃厚接触や3密(密閉、密集、密接)を生理的に嫌悪するようになった人が多いだろう。
コロナが流行る前だったら潔癖症と呼ばれていた行動を誰もが取るようになっている。
幸か不幸か日本では、他の国に比べると深刻の度合いは今のところ大きくなさそうだが、一旦収束が宣言されたとしても、さらなる懸念を増幅させる話も聞こえてくる。
新型コロナウイルス感染症から回復しても肺には深い傷跡が残るとの指摘
世界が待望する「コロナ新薬」を素直に喜べない理由 残念ながら大きな欠陥がいくつもある…
こういう懸念が払拭できない限り、コロナ前には戻れないだろう。
コロナ後の世界を考える時、コロナ前をお手本にできないとすれば、コロナ後の世界はすべての人にとって未知のものになる。
最近話題になったのが内田樹さんが語るコロナ後。
ありがとうございます。「紳士」(honnête homme )であれというのが『ペスト』のもう一人の登場人物タルーの印象的な言葉でした。彼の定義では、紳士とは「自分はペストにすでに感染しているという前提で、何より人に感染させないようにふるまう人」のことなんですよね。
— 内田樹 (@levinassien) 2020年4月22日
〜〜以下引用〜〜
民主主義が生き延びるために、やることは簡単と言えば簡単なんです。システムとしてはもう出来上がっているんですから。後は「大人」の頭数を増やすことだけです。やることはそれだけです。
〜〜引用ここまで〜〜
この記事に対して反論も出ている。
バズってる内田樹氏の記事があまりにフェイクすぎると、政治学をやっている友人から怒りの電話が届いたので、ちょっと聞いてほしい
— アイ・アラン (@AahranAi) 2020年4月23日
政治学者が内田樹「コロナ後の世界」にマジ切れしてるので聞いてくれ: 内田樹が発信する4つのデマ|アイ・アラン@深読み @AahranAi #note https://t.co/FnpTQWeVgT
どちらの記事に対しても、それぞれの記事を支持する人からの多くのリプが寄せられている。
二人とも自説を述べてるだけなのだろうが、支持者からすると持論の代弁者として祭り上げられている様子がよく分かる。
もし、コロナ後のお手本がコロナ前ではないとするならば、言語明瞭に表現することは難しいはずだ。
人それぞれに、さまざまなコロナ後の世界を考えていることだろう。
そこで、わたしなりにもコロナ後を考えてみたが、まあ一種の戯言みたいなものだ。
コロナを境目にして世の中の空気は潔癖症の側へのシフトは避けられないとだけは言えるような気がする。
今回のコロナ対策として強いられた自粛に対して、日本で最も自粛率が高いのが大阪だというのが、わたしにとっては驚きだった。
先入観では、ルールなんて守らないでやりたい放題が大阪流だと思っていたからだ
この潔癖症へのシフトは、理屈で判断して起きるのではなく、生理的な反応として起きるだろうという気がする。
生理的な反応は、明日は我が身という強い当事者意識の裏返しで、特に大阪の場合はやりたい放題ではマズいぞという気持ちの反動でもあるのではと想像する。
この強い潔癖症がもしコロナ後も人々の心の中に残り続けるとすると、大人数を収容する箱ものの会場で行われる各種のイベントやスポーツやビジネスは、濃厚接触や3密の象徴として、成り立たないものになるだろう。
いつの頃からか、おそらく女性の社会進出とリンクしてるのだろうと想像するが、清潔というのはマナーとしてもキーワードとしても重視されるようになっていた。
そんな風潮がコロナでなお一層強まっているのでは思いGoogleTrendsで検索可能な2004年以降の推移を見ると、
尋常ではない勢いで清潔が急上昇している。
やはり、清潔が昂じての潔癖症化は避けられないような気がするし、その反応は生理的な反応になるので、一度芽生えてしまったら消えることは無いような気がする。
コロナ前には普通の振舞いで、清潔という尺度の許容範囲に収まっていたことが、コロナ後は不潔だと思われるようになるのかもしれない。
ここまではなんとなく想像できるが、その結果どうなるかはまだよく分からない。
感染の拡大を目の当たりした現場の一つが航空業会だろうが、あるCAさんが思いを編集した動画があった。
このコロナ禍の元、いち客室乗務員が言いたかったことを総統閣下が代弁してくれたようです#コロナ #航空 pic.twitter.com/yF2Od3SGpa
— 終電 (@shinjukudekaer) 2020年4月25日
清潔や潔癖をキーワードに、今後も世の中の動きに注目していきたい。