飲食業界や交通・旅行・宿泊業界が目に見えて大きなダメージを受けているのは、大勢の人が実際に集まることが嫌悪され警戒されるようになったから。
見に見えるダメージは接客が発生する現場の事例が多いが、人が集まる現場では大なり小なり似たようなことが起きているはず。
モノ、情報、カネは、基本的には人が集まるところに寄ってくる。
インターネットの普及もあり、モノ、情報、カネの流通のために必ずしも人が集まる必要がないということに多くの人がコロナで気付いた。
知識レベルではすでに分かりきったことだったのだが、何かあれば人が集まる方が盛り上がるという慣れ親しんだ生活習慣や商習慣は簡単には覆せるはずもないと思われていたが、これも変化を余儀なくされるだろう。
従来は、人が集まることが最初でその後にモノ、情報、カネがついて来るものだったが、徐々に
- 人
- モノ
- 情報
- カネ
それぞれに興味や関心があるものに分散化が進んでいた。
分散化が進むとは、商品化が進むということで、『人』『情報』『モノ』『カネ』それぞれの商品化に分散し多様化したが、コロナ前には『情報』が一部『体験や経験』に枝分かれしたが、そのいずれもが人を現場に集めることが基本だった。
Withコロナの時代では、現場が一気に分散化するのかもしれない。
東京アラートが解除された東京では、一気に元に戻ったような3密空間が至る所で起きてるように報道されてるが、元の人口が多いのでそう見えてるだけなのと自粛の反動が重なってるだけなのかもしれない。
分散化は多チャンネル化とも重なるとすれば、格差は開く一方かもしれないが、それは上を見ればキリがないということで、気にしなければ良いだけだ。
ところで、分散化の反対はというと一極集中。
一般的には人口の一極集中や富の一極集中のように使われるが、日本人の場合だと休日が日曜祭日という一極集中もあるのだ。
個人の好みや事情に関係なく、誰もが同じタイミングで需要が発生するということが日本では多い。
昔から、昼の12時になると一斉に空腹を訴える人を見ていつもパブロフの犬を思い出していた。
旅行や観光その他エンタメ分野においては、需要の発生タイミングの分散化も模索が求められるだろう。
全体は21.9ではなく、27.9兆円です。そのうちインバウンドは4.8の約17%。日本人の海外旅行需要もコロナ期は国内にシフトするので、実質失うのは約2兆円と予測してます。問題はインバウンドと違って日本人は同じ日が休みであり需要が集中することです。だから需要の平準化策がどうしても必要です。 https://t.co/3xQNm24aXa
— 星野佳路 (@skier1960) 2020年6月12日
今日も明日もこれからも同じ日が続くならば都合が良いのが一極集中だが、不都合が生じた際に大きなダメージが避けられないのも一極集中だ。
メジャーなものを選択すれば人生は間違いないというほど人生は単純ではないことが分かったとすればもっとマイナーなものにも目を向けるべきだろう。
分散化が進むとは、メジャーなものがマイナー化することであり、マイナーなものがメジャー化することであり、つまりは平準化だ。
格差も続けば不平等もあるだろうが、自然界や世の中全体では天秤のようなバランスを求めているはずだ。