コロナによる経済減速への対策としての日本国民全員への10万円の特別定額給付金の使い道は、本当にお金に困ってる人の場合は迫られてる支払いに充てられただろうが、少しでも余裕があった人々の多くは貯蓄に回しているという話をよく聞かされた。
私も『そりゃあそうだろう』と思っていた。
同じように思う方は、残念ながら貧困の側にいる人だ。
現代の貧困は昔の貧困と違って、飢え死と紙一重というわけではない。
昔の貧困と比べると物質的には十分に豊かな生活を送っている。
現代の貧困は、意識が貧困になるのだ。
お金がないと何もできないと思い込んでしまうことによって起きる。
だから10万円の給付金もできることなら手元に置いておいて心の余裕の足しにしたいと思うのだ。
私はその気持ちがとてもよくわかるということは同じ側の人間だからだ。
今日の朝おもしろいラジオを聞いた。
喋っていたのは、がばいばあちゃんの島田洋七さんだった。
これが金持ちの考え方なんだと新鮮だった。
次のようなことを言っていた。
コロナのおかげでつくづく考え方が変わった。
自粛自粛で、お金を使うとこなんかどこもあらへん。
あの世には金は持っていけないんだから、お金はバンバン使わなあかん。
そうすれば経済だって回るし。
というようなことを言っていたが、嫌味は全くなかった。
このような意味の話は、初めて聞く話ではないのに、新鮮に感じられたことが不思議だった。
同じ内容を政治家やコンサルや会社経営者が言ったとしたら、『なるほど』とは思わないで、逆に『その手に乗るか』と思うはずだ。
金持ちにも二種類あると改めて感じた。
ただお金だけを手に入れて金持ちになった人と、多くの人の好意に支持された結果金持ちになった人。
この両者が持ってるお金の額が同じだとしたら、やれることは同じだ。
しかし、発することばが持つ説得力はまるで違う。
今でこそ島田洋七さんは金持ちだが、がばいばあちゃんを読めばわかるように育ちは貧困だが、心は豊かに育っている。
現代は単純な時代ではないので、説得力のある話は詐欺や嘘と紙一重でもある。
逆にいうと、詐欺や嘘に騙されないようにするためにも心の豊かさが必要になっているはずだ。
冒頭で現代の貧困は意識の貧困だと書いたが、それは心が弱ってるということでもある。
お金があればなんでも解決できると思うのは心が弱ってる証拠で、そういう意味では現代は心が弱ってる金持ちもたくさんいるのだ。
心が弱るきっかけは、多くの場合他人と比較することから始まる。
自信が絶対的なものであるなら、比較して一喜一憂することはない。
自信が相対的なものならば、比較して一喜一憂を繰り返すだけになる。
自分にとっての絶対的な自信とは何かを考えることは大事なはずだ。