今朝のラジオの子供電話相談でこんな質問をする子供がいた。
〜〜大雑把な質問内容〜〜
水は100℃で沸騰して蒸発すると教わったけど、ちょっとこぼした水はしばらく放っておくと蒸発してる。
でもその水は沸騰してるわけではないのに蒸発するのは何故ですか?
〜〜〜〜
この答えは、蒸発の種類が違っているからで、沸騰した際の蒸発とは水の内部からも蒸発が起こっていて、沸騰してない状態での蒸発は水の表面で起きているから。
このような質問をされた際に、自分は大人として正しく反応できるだろうかと思ったが、それ以上に子供の好奇心は純粋な疑問から発生するんだなということを改めて実感できた。
大人になると、大して疑問に感じてるわけではないのに(≒自分の中では好奇心が刺激されてるわけではない)、やたらに答えだけを求めたがるようになる。
そのような場合に刺激されてるのは好奇心ではなく利害や打算の意識。
一般的には好奇心の対象にされるものではないのが人間関係だが、人気のある人とは好かれてるというよりも好奇心を掻き立てる存在と言えるのかもしれないとふと思った。
人気者に対しての好奇心の中にはキャラクターが醸し出す不思議や謎も含まれるだろう。
好奇心がなくなる時というのは、不思議や謎が感じられなくなったりして、その結果飽きたからなのだろうと思えてくる。
おもしろい記事があった。
中居正広なぜ不人気? 「CMゼロ」告白で分かった窮状と嘆き節
記事の中からおもしろい箇所を引用すると、中居正広さん自身はこう言っている。
「評判悪いの、業界の人はわかってるんだよ、オレの。この子たち(観覧者)がいると、評判いいように見えちゃう。オレもダマされちゃう。人気者なのかと思っちゃう」
さらにある芸能プロの幹部は次のように言っている。
「人気タレントがいる事務所ならバーターで仕事を回してもらえますが、フリーはその恩恵にあずかれない。オーディションの情報は自ら集めねばなりませんし、テレビ局などへの挨拶回りも自分でやらなければならない。SNSやYouTubeの展開にしたって、優秀なブレーンがいなければ、すぐにネタが枯渇してしまう。落ち目になれば、すぐに忘れられますよ」
人気商売である芸能界ですら人気とは関係ない要素でシステム化されてるのだと分かる。
評判が良いとか悪いというのは、人気商売(現代ではすべてのビジネスは人気商売化してるはず)に関しては好奇心を持ってもらえる存在かどうかと同じなのかもしれない。
本当に好奇心を掻き立てる要素があれば、システム化された仕組みに対抗できるのだろうが、そういうことは稀なのだ。
そして、もっと大事なことは、何に対しても好奇心を感じないという人が世間に増えているのではないだろうかということだ。
自分が何をしたいかよりも、他人が何をしてるかに対してしか反応できない人が多いような気がする。
あるいは、好奇心で行動してるように見える人でも、ただ単にウケを狙ってるだけで、それも自分がやりたいことをやるというよりも他人の反応を意識してのものが多い。
好奇心の裏には純粋な疑問があるのだ。
好奇心のように見えても実際には利害意識や打算意識から生まれてるものは、好奇心ではない。
好奇心とは極めてパーソナルなもので、他人からの評価なんて関係ないのだ。
気が付いたら好奇心を失った時に、人は大人になるのかもしれない。