違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

政治と芸能エンタメの関係!?

この半年で、コロナ対策のための自粛のせいでエンタメ界はズタボロ状態になり、その結果芸能界からは多くの不満の声が上がり、その多くが政治のあり方に対するものだった。

 

不満の声を上げたのは演劇など舞台が現場になる人たちが多かったように感じられた。

 

出演者や関係者の数が多い現場では、ごく一部の有名人や著名人と大多数の世間的には無名な人たちで構成されていて、その待遇や収入には大きな格差がある。

 

不満の声が大きかったのは、無名な人からよりも、無名な人を慮った有名人や著名人が多かったように感じられた。

 

芸能エンタメと政治の結びつきは、叙勲や園遊会など華やかで晴れがましい公的な場が似合うが、一般人は報道でしか縁がないような場なので、日常では芸能エンタメ界と政界は強く結びついてるとは思い難かった。

 

一方で、エンタメ界と政治といえば風刺に関しては相性が良いせいかお笑いの分野では結びつきが感じられ、お互いにその存在を意識し合ってることが感じられることが多い。

 

 

コロナを巡って、それまでとは違うエンタメ界と政治の関係が見えたことに続いて、安倍首相の辞任がきっかけで新たに違う側面を見せ始めた。

 

 

最近では珍しい話ではないのかもしれないが、芸能界の上層部と政治はこのように結びついているのかと思わせてくれる話題が上がっていた。

 

 

芸能界にもアベノショック…松任谷由実、会見見て「泣いちゃった。切なくて」

「私の中ではプライベートでは同じ価値観を共有できる、同い年だし、ロマンの在り方が同じ」と明かし、「辞任されたから言えるけど、ご夫妻は仲良しです。もっと自由にご飯に行ったりできるかな」

 

 

この発言のおもしろさは『同じ価値観を共有できる』と『同じ年だし』が、生き方の類似性というポジショントークになっていることで、良かれと思って言ったことばが世間の不快感を煽ったことにある。

 

 

 

 

露骨に不快感を示す芸能人もいた。

 

 

薬丸裕英、安倍首相の健康問題を質問したテレ朝記者への麻生財務相の対応に憤慨…「何様って思います、この方…これが一番醜い」

 

 

薬丸さんには失礼だが、こういう発言ができたのは売れっ子ではないからで、そういうことを伝える記事があった。

 

安倍晋三首相、ジャニーズさえも「政治利用」した芸能界との奇妙な関係性

歌手の小泉今日子は、東京高検検事長の賭けマージャン騒動の際、安倍首相を同情し「こんなにたくさんの嘘をついたら、本人の精神だって辛いはずだ。政治家だって人間だもの」と、書家の相田みつをばりにツイートした。

 

演出家でタレントのラサール石井は「トップの評価は長時間働いた事より『どんな仕事をしたか』で決まる」と、最近こき下ろしたばかりだ。

 

さかのぼればタレントのマツコ・デラックスは「安倍ちゃんなんてバカの象徴じゃない?」(2017年TOKYO MX『5時に夢中!』)

 

 

タレントのほっしゃんは「安倍さん。お辞めください!」と、加計学園の問題が噴出した際、辞任を迫ったことがある。その際、こう付け加えることを忘れなかった。

 

「売れっ子さんは誰も言われへんて」。

 

 

 

売れている人間は、えてして体制べったりになりがちだが、売れっ子たちは安倍首相に近寄り、それが逆に人気取りに利用された。

 

ジャニーズ事務所のTOKIOのメンバーは安倍首相とピザを食った。

 

俳優の大泉洋と高畑充希は首相官邸に招かれ会食をした。

 

ダウンタウンの松本人志や東野幸治、指原莉乃らフジテレビ系『ワイドナショー』の出演者も、安倍首相と飯を食った仲。

 

安倍首相自ら吉本新喜劇の舞台に出演し、耐えられない軽さを見せつけたこともあった。

 

 

 

政治と芸能やエンタメの分野はどういう関係なのだろうか?

 

 

現代のように多様化した時代になると政治とエンタメは別ジャンルに感じてしまうが、エンタメの源を遡ると祭りに行き着くような気がする。

 

そして、祭りの由来を遡ると、祈りや願いに行き着くような気がしてくる。

 

祈りや願いの場には、政治と宗教がつきもの。

 

なるほど、政治と芸能界やエンタメは相性が良いはずなのだ。

 

コロナでエンタメ界が大打撃を受けてる様子から改めて分かることは、エンタメがエンタメとして機能するためには社会が安定してることと、そこそこレベル以上に景気の良さが実感できることが肝心だということ。

 

その条件が満たせなくなると、政治と芸能やエンタメは対立関係に陥るのだ。

 

 

政治と芸能やエンタメが一体化する様を頭に思い描くと、ヒトラーの大衆扇動術そのものになってしまう。

 

 

  • 大衆は愚か者である。
  • 同じ嘘は繰り返し何度も伝えよ。
  • 共通の敵を作り大衆を団結させよ。
  • 敵の悪を拡大して伝え、大衆を怒らせろ。
  • 人は小さな嘘より、大きな嘘に騙される。
  • 大衆を熱狂させたまま置け。考える間を与えるな。
  • 利口な人の理性ではなく、愚か者の感情に訴えろ。
  • 貧乏な者、病んでいる者、困窮している者ほど騙しやすい。
  • 都合の悪い情報を一切与えるな。都合のよい情報を拡大して伝えよ。
  • 宣伝を総合芸術に仕立て上げろ。大衆の視覚・聴覚を刺激して、感性で圧倒しろ。

 

 

きっと、芸能界を見てるとその時代の政治を読み解く重要なポイントが見えてくるはずだ。